川崎市長選挙 宮部龍彦氏、「えせ同和」とデマにデマ重ね部落差別を拡散
部落差別を執拗(しつよう)に続けるレイシストで、川崎市長選(26日投開票)に立候補している宮部龍彦氏(46)がうそにうそを重ね、部落解放同盟川崎支部長は「えせ同和」だというヘイトデマをさらに拡散させている。差別の被害者をどこまでも攻撃する卑劣さは底なしだ。 神奈川新聞社は22日、宮部氏が選挙演説でヘイトスピーチをまき散らしていると批判する記事を掲載。支部長は「部落とは関係ない」という虚構を前提にして、川崎市が同支部や全日本同和会川崎支部に委託している人権・同和対策生活相談事業を「市ぐるみのえせ同和行為」とねじ曲げ、被差別部落出身者や当事者団体がいかがわしい存在であるかのようにおとしめていると報じた。 宮部氏は同日夜、ユーチューブの配信動画で「証拠がある」と言い張り、デマを重ねた。「支部長の家にピンポンして話を聞いた。(支部長の息子が)いろいろぶっちゃけてくれた。『部落とは関係ないんだ』と」「『父は東京出身です』と。川崎にその名字の部落民はいない。全く関係ない。えせ同和だ。本人も否定できない。本人に聞いたのだから」と語った。 宮部氏が自宅に押しかけたのは2017年。当時の支部長の息子で、応対した現支部長は神奈川新聞社の取材に対し、「宮部氏ははなから相談活動がおかしいと言っていた。私が『部落とは関係ない』と答えたことはない。当時父は存命で、父を怒らせる事実ではないことを言うはずもない」と否定した。 解放同盟中央本部によると、現支部長の父方の祖母は東京都国分寺市にある部落出身で、曽祖父はその部落の有力者だった。父は浅草で靴職人として働き、都内で解放運動に参加した。転居先の川崎市で同支部を立ち上げ、初代支部長となったという。 神奈川新聞社が23日、宮部氏に現支部長との17年のやりとりを確かめたところ、「『父は浅草出身』と聞いた。じゃあ部落と関係ないじゃないかと言ったら、『そうですねえ』みたいな事を言った」と、22日夜の配信動画からあいまいな言い回しに説明を変えた。そもそも17年7月のブログでは「『話すには支障がある』と断られた」とだけ記し、「部落とは関係ない」と答えたとは書いていない。 現支部長は神奈川新聞の取材に、部落とは関係ないと示唆するような発言もしていないとしている。 宮部氏は「部落差別は存在せず、被害の訴えは利権のため」というデマを公言する。部落の地名リストの出版を企て、支部長を含む当事者から起こされた訴訟では「差別されない権利」を侵害したと認定する判決が最高裁で確定している。 ◆おことわり 川崎市長選に立候補している宮部龍彦氏については、経歴や出馬に当たっての主張に著しい差別的言動があり、差別が拡散する恐れがあるため、異なる扱いとしております。
神奈川新聞社