画力が停滞したと感じたときの対処法。
いきなりですが…一旦!こちらをご覧ください。
それぞれ別の時期に描いた、同じキャラクターの立ち絵です。
右が新しいもの。
どちらも、当時の全力で描いたつもりですが、
2つの絵の間にどれくらいの期間が空いていると感じますか?
正解は4日間です。
感じ方は人それぞれですが…
仮に1年くらいだと感じた方がいた場合、
1年分の価値がある4日間だったと言っても過言ではないのかなと思います。
2、3年前の絵を見返した時に、
「うわ、下手だなぁ~」 「今ならこう描くなあ」
と思うことはないでしょうか。
成長の証拠ですね!
ただ逆に、
「昔の絵、上手だな!」 「今とそんなに変わってない…」
と思うこともあると思います。
画力が成熟し始めると、上達も一苦労で画力が停滞してしまいます。
そしてその停滞は多くの場合、
プロレベルに届く前に起こります。
停滞やスランプを感じた際によく言われる事として、
・いったん別の絵を描いて気分を変える。
・人の作品を見てインプットの時間にする。
・映画やアニメをみてモチベーションを上げる。
・散歩や買い物でリフレッシュ。
・いっそのこと寝てみてリセット。
どれも効果的で制作に良いものだと思いますが、
こういう時こそ、
目の前の停滞から目を逸らさないのも一つの手かな…?
とも思います。
今回の絵を描き進めた4日間は、
「なんか下手…?」
「上手く描けたかも」
「ずっと見てると分からなくなってきた!」
「かわいいかも!?」
「いや下手じゃん…」
あたりをずっと繰り返してゲシュタルト崩壊を起こしつつも、
この絵とずっとにらみ合っていました。
作画しているレイヤーを複製しては
顔回りや全体の色味をいじって加筆前と加筆後の2つを比較…
時には数体並べて比較…という作業を繰り返しました。
作業中のスクリーンショットです。
良し悪しや印象ごとにレイヤーを色分けしつつ進めています。
比較用のレイヤーを数えると76枚ほどありました。
4日間の作画のダイジェストgifです。
変化の多い顔回りだけかいつまんで…。
仕事の絵だったら、
こうもコロコロと印象を変えられると迷惑でしょうが
審美眼を鍛えるための練習!と割り切って
目の前の作品を少しでも良くできるなら何でもする!
くらいの気持ちで作画を進めるのも良いのかな?と思います。
イラストレーターにとって「早く描く事」は非常に重要ですが、
それは仕事の話です。
練習や自主制作まで急いで、60点くらいの作品を量産するよりも
腰を据えて120点を目指す方が、長期的に見たら効率的かもしれません。
遅筆で悩んでいた学生時代、
イラストレーターの中村佑介先生に
「君はそれで大丈夫」と言われた理由が
今頃になって少しわかった気がします。
長く絵を描いていると、成長を感じられなくなることがあります。
スキルの停滞感は、とても耐えがたいものですよね。
ただ、その耐えがたいストレスを、
「自分の画力を一段階引き上げるチャンス」
に変えられるかもしれません。
池上


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