ガザでの戦闘開始から2年。ついに戦争終結へ動きだすのか。米国のトランプ大統領がガザの戦闘に関する和平案を提示した。
イスラエルと、イスラム組織「ハマス」の代表団による協議が行われた結果、ハマスは、ガザでの戦争終結とイスラエル軍の撤退、支援物資の搬入、収監者を交換するなどの合意に達したと表明した。トランプ大統領も、「間もなく人質が解放される」と発表した。さらに、「強固で永続的な平和への第一歩だ」と強調している。
トランプ大統領は、かねてよりノーベル平和賞受賞の野望があることを隠さない。今回は受賞者の発表前日での緊急和平合意である。さすがに受賞とはならなかったが、恒久的な和平への第一段階であることは間違いない。
このトランプ大統領の和平工作と並行して、パレスチナに関して世界の国は別の動きもあった。
先月、先進7カ国(G7)の中でイギリス、フランス、カナダがパレスチナの国家承認を表明した。オーストラリアなど各国の承認が相次ぎ、世界で承認している国が約160カ国になった。日本は、石破茂首相は「『するか否か』ではなく『いつするか』の問題だ」との表明にとどめ、見送った。
今回のトランプ大統領の和平工作は第一歩であるが、イスラエルとパレスチナの間には、超えられない長い歴史的な対立があり、世界で最も解決が難しい紛争とされている。
当面の紛争解決は至難の業であるが、最終的な解決は、いわゆる2国家解決である。これは、諸外国によるパレスチナ国への国家承認によって、イスラエルとパレスチナ国家が共存することを目指す。
今回のトランプ大統領の和平工作が、今起こっている紛争を解決しようとするのに対し、パレスチナの国家承認は最終的な和平からのアプローチである。
もっとも、イスラエルのネタニヤフ首相が言うことを聞くのは、トランプ大統領以外にはいない。この意味で、当面の紛争解決には、国連も無力であって頼れるのはトランプ大統領だけだ。2国家解決とはいうが、これは理想主義からの提言と考えてもよく、紛争解決できればおのずと2国家解決になるので、現実主義から見れば誰が今の紛争を解決できるかが重要だ。
この際、トランプ大統領にノーベル平和賞というニンジンを目の前にぶら下げても、さらなる紛争解決の措置を講じるように仕向けるのが世界平和のためだろう。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)