米国のトランプ大統領が17日、ウクライナのゼレンスキー大統領とホワイトハウスで会談した。
トランプ氏は前日の16日、プーチン大統領と電話会談を行っている。その中で、トランプ氏はロシアのプーチン氏と、ハンガリーの首都ブダペストでウクライナの紛争終結について直接会談するとした。電話会談後、トランプ氏は「プーチン大統領と2週間以内にも会談することになるだろう」と語った。
米ロ首脳電話会談後の前向きな雰囲気は、ウクライナが必要としている巡航ミサイル「トマホーク」の供与について近い将来にそうした支援が実現する可能性が低いと示唆される。トマホークの射程は2500キロで、ウクライナがロシアのミサイルやドローン(無人機)による攻撃に反撃する上で強力な兵器となりうる。
17日の会談後、ゼレンスキー氏は記者団に対し「トランプ大統領がこの戦争を終わらせたいと望んでいると信じている」と述べた。トマホーク供与については、米国が緊張の高まりを望んでいないとして、トマホークについては話したくないと語った。もちろん、ウクライナは米国からのトマホークの供与を望んでいた。
トマホークの射程がモスクワを含むために、ゼレンスキー氏が望んでいるのだろうか。その答えは否だ。ウクライナは既に射程距離3千キロといわれる巡航ミサイル「フラミンゴ」を実戦投入しているからだ。
トマホークは現在、英国、オランダ、オーストリアが保有している。日本は2024年に購入契約をしており、トマホーク発射システムを用いた日米の共同訓練を継続している。海上自衛隊の改修は26年9月に完了する予定だ。ここで重要なのは、トマホーク自体というより、トマホークの運用において日本が米国から攻撃目標情報などを供与されることだ。
米国からトマホークを供与されるというのは、軍事情報提供を英国並みに行うことなのだ。
この点こそ、ロシアは恐れている。当初、ウクライナへのトマホーク供与について米国は比較的前向きのようだったが、16日のトランプ氏とプーチン氏の会談でその雰囲気が一変した理由はここにある。ウクライナは米国と同盟関係にないのに、軍事情報で同盟国の扱いを受けたら、ロシアは黙っていないのだ。今の戦争では、兵器の性能より、情報の方が重要なときがしばしばある。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)