ニュース

「女児の股の間を覗き込む男がいた」さらには横領、窃盗まで…子ども食堂の運営者が怒りの告発。宣伝目的の政治家にも「釈然としない」

運営側の備品を持ち去る利用者

怒りの告発[子ども食堂の闇]

SNSでも炎上した茂木氏。子ども食堂を視察するはずが、なぜか自分がケーキを振る舞われる側に

「2年前にボランティアをしていた施設では、横領事件が起きました。子どもは無料、大人300円で弁当を提供していましたが、運営代表の男がそのお代を全額着服していたことが発覚。結局施設は閉鎖となりました。男は会社を経営しており、そのHPには『子ども食堂を運営することで社会貢献をしている』と記載していた。いい人アピールの裏で、不正を働いていたわけです」  横田氏の暮らすエリアには子ども食堂がたくさんあり、地元住民が気軽に立ち寄る。運営側も常に人手不足で、それゆえか備品の持ち去りなどの“盗み”も横行。 「うちの地区は料理のほか、備蓄米や調味料、レトルト食品などの食料を配る施設も多い。ただ、良くも悪くも住民たちは“もらい慣れ”が定着し、過去には、運営側の備品であるiPadやレジスターが持ち去られたことも。ここまでくると窃盗です。また、地域住民の居場所づくりの一貫として、『誰でも利用可』と掲げた施設では、利用者の7割が60代以上となってしまい、高齢者の集会所と化している場所もあります。老人の揉め事の仲裁に入ることもあり、スタッフは疲弊しています。私も自分の生活がありますし、いつまで活動を続けられるか……」(横田氏)  多くの人が利用する子ども食堂だが、現場は“ボランティア”で成り立っている。その事実を忘れてはならないだろう。

選挙前に政治家が視察。運営側が語るウラ話

怒りの告発[子ども食堂の闇]

野村さんの食堂のある日のメニュー。食材を求めて店をはしごする日も

 今年9月に自民党の茂木敏充氏が総裁選の前に子ども食堂を視察し、炎上騒動に発展したのは記憶に新しい。 「選挙シーズンになると、よく政治家が視察に来たいと言ってきますが、全部断ってますね」  そう語るのは、東京都中野区の子ども食堂「あーちのめし処」を切り盛りする野村麻江さん。現在は週に2回、食堂で食べる料理と弁当の提供を行っている。 「子ども食堂は調理だけでなく、食材費のやりくりなど相応の労力を要します。それでもやってきたのは皆が顔を合わせて食事をする場をつくりたいから。宣伝目的の政治家にただ乗りされるのは、釈然としないです」  また、中野区では食事の提供に必要な経費を申請できる助成金制度もあるが、その基準についても首を傾げる。 「例えば、うちは月8回の運営ですが、月1オープンの施設でも同程度の金額を受給していたり、一つの事業所で2形態の施設を運営し、倍額の助成金を受けているところも存在します」  官民一体となって数を増やした子ども食堂。だが、いまだ不透明な部分も多いようだ。 取材・文・撮影/週刊SPA!編集部 写真/時事通信社
1
2
あなたにおすすめ