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「女児の股の間を覗き込む男がいた」さらには横領、窃盗まで…子ども食堂の運営者が怒りの告発。宣伝目的の政治家にも「釈然としない」

「子どもの貧困対策」を掲げ、10年間で50倍以上も施設数を増やした子ども食堂。だが、現場ではセクハラや金銭トラブルなど、想像を超える問題が起きている。善意で成り立つはずの場所で、今、何が?

「小児性愛者が潜んでないか」施設の運営者が不安を吐露

怒りの告発[子ども食堂の闇]

※画像はイメージです

 5歳にも満たない女児が階段に腰かけ、脚を広げていた。数段下には若い男が座りその股の間を覗き込んでいた――。 「あなた、何してるの!!」  信じがたい光景に思わず怒声を上げたのは、月に1〜2回自宅で子ども食堂を開く鈴木由美さん(仮名・56歳)。事件が起きたのも、料理を出していた最中のことだった。 「外からクスクスと笑い声が聞こえてきたので勝手口から出てみると……、常連の女の子が下着を脱いで自ら性器をいじり、それをボランティアの大学生が満面の笑みで見ていたんです。男は『向こうが勝手に見せてきた』の一点張り。確かに、興味本位や快感から自身のプライベートゾーンに触れる行為がクセになっている幼児は一定数います。でも、よその大人がそれを眺めていいはずがありません」  事件後、鈴木さんは子どもだけの利用をやめ、保護者同伴の「親子参加」に限定した。「大人と利用者の子どもとの間で起きるトラブルも少なくなく、毎回神経をすり減らします」と苦労をにじませた。  認定NPO法人、全国こども食堂支援センター・むすびえの調査によると、子ども食堂は今や全国で1万か所超。10年前から50倍以上に増えた。だが、施設急増の裏でさまざまなトラブルを抱えている。  関東圏で子ども食堂を運営する田中良子さん(仮名・42歳)は、こう語る。 「ボランティアの採用は本当に慎重になります。過去にはやたらと女児ばかり膝に乗せたがるスタッフや、勝手に利用者の女子高生を車で送迎する男もいて、すぐに出禁にしました。その一方で、子ども食堂を利用する児童の中には、自ら大人の男性に密着していく子がいるのも事実です。そんな、寂しさを抱えている子どもらの性質につけ込む小児性愛者が潜んでないか、常に不安です……」

シングルマザー目当てで東京から遠征する男

怒りの告発[子ども食堂の闇]

全国こども食堂支援センターむすびえ発表資料を基に作成

 被害は子どもだけではない。シングルマザー狙いの輩も存在する。東北在住の岩田萌さん(仮名・27歳)は怒りをにじませこう告発した。 「1年前から、近所の子ども食堂に3歳の息子と一緒に通っていました。利用の際には電話番号と住所を記帳するのですが……。先月、運営の50代男性が『備蓄米をお裾分けします』とアポなしで家に来たんです。玄関で受け取っても、なかなか帰らず。仕方なく部屋にあげてお茶を出したら『寒くて帰るのが大変だから泊めてほしい』と言われて怖かったです」  聞けばその男は東京で暮らしており、月1回の子ども食堂の日だけ、わざわざ夜行バスで東北に遠征しているのだという。 「『北の女性は我慢強くて優しいから、彼女を見つけるなら東北だ!』などと言いながら、卑猥な目で私を見てきた。しかも『シングルマザーなら少し優しくしたら、すぐ感謝してくれる』とのたまう始末。最初からシンママ狙いなのかと愕然としました」  被害を受けているのは利用者だけではない。運営する側もさまざまな問題に直面している。 「子ども食堂のなかに、NPO法人や社団法人のほか、個人が運営している施設もあります。形態が入り乱れ、飲食店のように厳しい食品衛生法の適用も受けないため、参入はしやすい。そのぶん管理が杜撰な施設も存在し、実際にトラブルや不祥事が起きているケースも多々あります」  そう指摘するのは、関西の都市部を中心に、5年以上子ども食堂のボランティアに携わっている横田 崇氏(仮名・62歳)だ。
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運営側の備品を持ち去る利用者
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