トータス旅行記㉒ 竜人の里~対姫様の最前線より~
魔王のストライクゾーン広すぎぃ事件(誤解)により、一時、混沌としていた竜人族の里がどうにか落ち着きを取り戻した現在。
逆に、刻一刻と落ち着きをなくしていく者がいた。
「まさか南雲家の方々にお越しいただけるとは……そうと知っていれば里の全力を挙げて歓待しましたのに」
「ろくなもてなしもできず、本当に申し訳ないですわ」
親達の素性を明かし、改めてハジメ達との挨拶を終えた後、竜人達はなぜかしきりに恐縮した様子を見せている。
リスタスのように、姫様のいけない扉を開いた男の家族ともなれば高潔をかかげる竜人の皆さまとて、何かしら思うところが言葉の端々に出るのでは……と思っていただけに、この対応は意外であった。
もっとも、その理由は直ぐに明らかになったのだが。そう、言葉の端々というか、むしろ、
「本当に、うちの姫様がご迷惑をおかけしてはいませんか?」
「遠慮なんぞいりませんぞ! あんまりハメを外しているようなら、里の者総出で姫様を再教育します故!」
「こんな姫様を受け入れてくださって、うぅ、なんと言えばいいか……まさか、我等も姫様にこのような酷い性質が秘められていたとは思いもせず……」
「ミュウちゃんの情操教育的に大丈夫ですか? 有害存在では?」
こんな感じのドストレートな言葉で。
ヴェンリがこっそり教えてくれたところによると、どうやら竜人の里ではティオに対する感情が二つの派閥に分かれているのだとか。
一つは、リスタス君のような「竜人の姫がこんな変態のはずがない!(血の涙)」という未だに現実逃避派。
もう一つが「ハジメ殿は扉を開いただけ。扉の奥に変態を飼っていたのは姫様自身(遠い目)」という変態姫様許容派。
後者が里の九割を占める派閥だ。
そして、変態姫様を受け入れたからこそ、竜人の皆さんは思うわけだ。
姫様は嫁ぎ先でうまくやっているだろうか。ああ、心配だ! 南雲家の方々に迷惑をかけてやしないだろうか。せっかく、あんな特殊な姫を受け入れてくださったのに! あと、ミュウちゃんに悪い影響があったりしたら……あまりに申し訳ない! ああっ、心配だ! と。
「お、お主等ぁっ、いい加減にせぇよ! 妾のどこが情操教育に悪い存在なんじゃ!」
そういうわけで、竜人達の敬愛を一身に受けていた姫様は、身内の言い様に羞恥と怒りでプルップルしながら落ち着きをなくしているわけである。
そこへ、深緑の髪の美丈夫が口を開いた。
「逆にお聞きしますが、姫様。恍惚顔で息を荒げながら罵倒や暴力を欲する輩のどこが、情操教育に悪くないと?」
「ア、アロイスよ……そんな真顔で質問返しするのはずるいじゃろ……」
ティオの元婚約者候補筆頭。嵐竜の竜人であり、ティオを除けば竜人最速の異名を持つアロイス。
実力は竜人最高クラスで信頼も厚く、リーダーとしても極めて優秀。ティオが婿を取らず嫁に出た時点で次期族長候補としても推されている。
それもこれも、全ては本気で想っていた姫様に伴侶として相応しいと認めてもらいたかったが故。姫様を想う一心で、長い時の中、不断の努力を重ねてきたのだ。
何を置いても姫様。姫様のためならなんだってできる。漢の中の漢……
そんなティオにぞっこんだったはずのアロイスさんだが、真顔だ。もうびっくりするくらい真顔だ。
「残念……などとは思いません。それもまた姫様の一面。ならば、我等は受け入れるのみ。とはいえ、それと幼子への影響は別問題です。子は宝。守り、導くのが大人の務めでありましょう。違いますか?」
「あ、いや、違わないのじゃ……」
立場が、完全に逆転していた。アロイスさん、既に族長の風格がある。
かつて、決戦前にティオが帰還し、あんまりな現実を突きつけてきた際は、隣にいる同胞の青年を姫様と思い込んで現実逃避した――というか壊れた経験があるのだが……
どうやら、いろんな意味で吹っ切れたらしい。
アロイスの周囲に控える同胞達からも、「まったく仕方のない姫様だ」みたいな視線が注がれる。
もう、あれだ。問題児なところに頭を悩ませながらも、受け入れて見捨てない――そう、母親みたいな表情だ。老若男女、関係なく。
姫様が後退る。妾が日本にいた間に、いったい何があった!? 妾への敬愛はいずこに!? と。
激しく動揺しているティオを見かねてか、菫と愁が苦笑いを浮かべながらティオを弁護する。
「え~と、迷惑とかそんなことは全くないので、ね? 心配しないでください、皆さん」
「ええ、良いお嫁さんですよ」
竜人の皆さん、クワッと目を見開いた。縦に割れている! 総竜眼審査発動!!
愁と菫がビクッと震える中、どうやら本当に迷惑には思っていないようだと理解して、竜人の皆さんはホッと胸を撫で下ろした。
次いで、女性竜人の一人が穏やかな表情でレミアに目を向ける。
「良かった。ミュウちゃんに悪影響があったらと、ずっと気が気ではなかったので」
「……え、ええ。大丈夫ですよ?」
空気が止まった。レミアがめちゃくちゃ目を逸らしている。決して竜眼を見ようとしない!
「レミア!? どういうことじゃ!? 妾が情操教育に悪いというのかえ!?」
ティオ姫、盛大にショックを受けている様子。袖口で口元を隠し、思わずよろりとしてしまう。
レミアはハッとしたように居住まいを正した。そして、いつもの本心を隠すあらあらうふふスマイルを浮かべて、
「悪影響なんてありませんよ?」
ティオのために言い切った。
「「「「「ギルティ」」」」」
ティオの悪影響は、竜人の皆さんに看破された。最強のレミアスマイルも、娘を思う気持ちとティオの名誉を天秤にかけた状態だと完全とはいかなかったようだ。
思わぬところでレミアママの強い懸念を知ってしまい、ティオが崩れ落ちる。智一達が「うわぁ」と、南雲家の闇を垣間見てしまったみたいな顔でドン引きしている。
と、そこで、ティオにとっての救世主が前に飛び出した。
「ちょぉっ~~と待つの! 異議あり! なの!」
「ミュウ! お主、妾を庇おうと……」
ティオを背に庇いながら竜人の皆さんの前に堂々と立つミュウ。
その姿はまるで、かつて魔王城で暴走したハジメから魔人の親子を庇った時のよう。小さな勇者の姿にティオは涙ぐみ、竜人達はたじろぐ。
そんな中、ミュウはふんすっと憤りもあらわに胸を張って、朗々と己の主張を響かせた。
「ミュウを舐めてもらっては困るの! 物事の良い悪いくらい、ちゃぁ~んと分かるの! ティオお姉ちゃんがどうしようもない変態さんだからって、影響されたりなんかしない! 断固として! ミュウはティオお姉ちゃんみたいにはなりません!」
「ごふっ!?」
「ミュウ! ママが悪かったわ! 嘘を吐くより、ミュウを信じるべきだったわ!」
「……レミアよ、死体蹴りは勘弁じゃ…………」
ティオは崩れ落ちた。その前で、ミュウとレミアの母娘は固く抱き合い、竜人の皆さんからは「おぉ! 素晴らしい親子愛だ!」「ミュウちゃんも、その歳でなんという意志の強さか」「天晴れ見事! なんと聡明な子だろう!」と絶賛と拍手が盛大に送られる。
そんな中、困った表情で孫娘を見下ろすアドゥルに、アロイスが提案を口にした。
「アドゥル様。せっかく皆様にお越しいただいたのに、里の見学だけでは竜人の名折れ。伝統料理や舞いなどを楽しんでいただくのはいかがでしょうか?」
「ふむ、良い提案だ。ハジメ君、どうだろうか?」
ハジメが視線を巡らせば、一連のやり取りになんとも言えない顔になっていた智一達も嬉しそうに頷いた。特に、元から異世界料理に興味津々な薫子などは伝統料理と聞いて目を輝かせている。
ユエ達にも異論はないようなのでハジメが頷くと、ヴェンリが進み出てきた。
「では、準備をします故、その間アドゥル様と姫様は皆様に里の案内をされてはいかがでしょう? 一時間もあれば準備できると思いますので」
「ヴェンリはどうする?」
「せっかくの機会でございますから、料理の準備は私が。腕を振るわせていただきとうございます」
ヴェンリの言葉を聞いて、ティオがガバッと顔を上げた。
「なら妾も料理するのじゃ! 案内はじい様だけでもよかろう! あと、舞いも! 妾の舞いをぜひ披露したい!」
どうやら、伝統料理と伝統舞踏を披露することで、というか〝もてなしの準備〟の陣頭指揮を執ることで同胞達の敬愛を取り戻そうと考えているらしい。
が、その前に、アロイスさんから一言。
「姫様、冗談が過ぎます」
「どういう意味じゃこらぁっ!!」
更に、最年長クラスの竜人にして天職〝監視者〟を有する雷竜の竜人カルトゥス老が、普段の糸目をクワッと見開き、一言。
「姫様、お願いですから大人しくしていてくだされ!」
「妾は暴発寸前の爆弾か!?」
立ち上がって、「もうよいもん! 妾、勝手にやるもん!」と、ちょっと幼児退行してるっぽいティオが袖をまくりながら建物の方へ行こうとする。
しかし、その瞬間、アロイスから迸るような号令が飛んだ。
「総員傾注! 〝姫様対応心得〟第三項四番だ!」
「妾用のマニュアルじゃと!?」
途端、竜人達がヒュパパパッと動いた。建物への道を塞ぎつつ、その手には手品みたいに食材や食器など宴に必要なものが持たれている。
まるで、「すみません、姫様。お気持ちはありがたいのですが、もう仕事がないので」と言っているかのよう。
更には、村の出口に向かってザザッとキレッキレな動きで二列になり、一瞬のうちに人でできた見送りロードまで作ってしまった。練度が高い。きっちり訓練されている!
「「「「「いってらっしゃいませ、姫様! 皆様!」」」」」
「そこまでするか!?」
ティオ姫のツッコミが虚しく木霊した。
ハジメ達が引き攣り顔でティオを見やる。スライムみたいにプルプルしている。リリアーナだけ妙に嬉しそうで、「同胞を見つけた!」みたいな目を向けている。
「姫様。勘違いなさらないでください」
「ヴェンリ?」
「みな、変わらず姫様への敬意を持っております。むしろ、親愛の情は深まっていると言えるでしょう」
「とてもそうは思えんが?」
ティオ姫、とても疑わしそう。耳打ちしてきたヴェンリにジト目を送る。
「今の姫様を受け入れたからこそ、みな、思ったのです。ハジメ様に出会うまで、非の打ち所のない姫様でしたが、それは〝自分達の過度な敬愛が、姫様を抑圧してしまっていたからなのでは?〟と」
「ぬ、そんなことは……」
「更に言えば、自分達が不甲斐ないばかりに、姫様は〝理想的な竜人族の姫〟を演じざるを得なかったのではないか、それこそ自分の本心に気が付けなくなるほどに、と心を痛めておりました」
「なんと……しかし、妾は演じていたわけでは……」
「婚約者となる前提条件――〝自分より強いこと〟。それはきっと、抑圧された本性の欠片。姫様はずっと訴えていたのです。〝妾を傷物にして! 力尽くで言うことをきかせて!〟と」
「違うが?」
「本当に?」
「……」
いや、本当に純粋な気持ちで、伴侶とするなら自分より強い者と思っておったんじゃよ、と言いたいティオ姫だったが、本性がドMのド変態と自覚した今、自分でもちょっと疑わしい……
「故に、みなは話し合ったのです。この先、姫様にどのような態度で接するべきか、どうすることが姫様にとって幸福なことなのか、何度も何度も集会を開いて」
「なんと……そのようなことが……」
なるほど、それだけティオのことを考え、時間をかけて対応を話し合い、自分達の有り様から変えようというなら、それは確かに敬愛が失われていない証と言えるだろう。
ティオは感じ入ったように目元に袖を添えた。温かな気持ちがじんわりと目尻に感涙をためていく。
ハジメ達が温かい表情で見守る中、ティオは同胞達へ感謝の言葉を口に――
「全ては竜人族の未来のため! 竜人族は、決して風評被害に屈したりはしない! 特殊なのは姫様ただ一人だと世界に示すのだ! 我等は健全である!」
「「「「「我等は健全! 竜人族は健全である!!」」」」」
「おいこら」
ティオの感涙が「あ、すみません、間違えました」と一瞬で引っ込む。ジト目が傍らのヴェンリに突き刺さるが、ヴェンリさんはサッと明後日の方向へ視線を投げた。
その間にもアロイスは、〝竜人族はド変態なのでは?〟という大陸でちょっぴり耳にするようになった風評がこれ以上広がらないように、引いては竜人族の未来を守るために、気合いの入った号令を発した。
「第一種・対姫様配備! 姫様に一切の刺激を与えるな! 繰り返す! いかなる刺激も与えるな!」
「「「「「刺激は与えません! 無事に日本へ帰すまでは!!」」」」」
「日本は隔離施設ではないんじゃが!? というか、妾は劇物か何かかえ!?」
ツッコミは、やはり虚しく木霊するのみ。
なお、第一種・対姫様配備とは、ティオが公の場に出席した場合を想定した配備である。
こんなド変態でも世界を救った魔王の嫁の一人だ。ルルアリア王妃がパレードに出てほしいと願ったように、式典などに出席する可能性は決して低くない。
その時、たとえば大勢の民が見ている目の前で、不意の刺激によりハァハァし始めたらどうなるか……
ティオ一人がド変態だと思われるのは、この際、もう構わない。けど、ティオが竜人族の姫であることが周知の事実である以上、あのドM気質が竜人族の種族気質と思われる危険性もなきにしもあらずだ。
断固阻止である!
今回は里の中なので、絶好の演習となるだろう。竜人達の心はアロイスを中心に一つだった。里でできないことが他国でできるわけがない! と裂帛の気合いを迸らせる。
竜人族の未来のために! 竜人族は変態じゃないよ、姫様だけが変態なんだよ! と世界に示すために!
「さぁ、いってらっしゃいませ、姫様」
アロイスが見送りの言葉を発する。丁寧な言葉遣いだ。しかし、建物の前に陣取る者達――特に竜人の女性陣から、いかにも「ほら、宴の準備で忙しくなるんだから、さっさと行った行った!」と言いたげに、シッシッと手を払われているので敬意の欠片も感じない。
二列で道を作っている同胞からも「なぜ、すんなり出発しない? まさか……何かやらかす気か?」と警戒の雰囲気が伝わってくる。
ティオの目が急速に死んだ。どんな顔をすればいいのか分からないの……と言っているような半笑いが、なんとも言えない。
珍しく、ハジメが気を遣ったように声をかける。
「あ~、ティオ? 案内、頼むよ。ほら、里の人達も、久々に里帰りしたティオをもてなしたいみたいだし、な?」
「……のじゃ」
ハジメに促され踵を返すティオ。「いってらっしゃいませ! 姫様!」という同胞達の声を浴びつつ人垣の道を進んでいく姿は、見た目だけは如何にも王族っぽいのだが……
「な、なんだかティオお姉ちゃん、追放されてるみたいなの……」
「し~っ! ミュウ、言ってはダメよ!」
ミュウの呟きが、ハジメ達全員の心の声を代弁していた。
集落を出たハジメ達は、現在、里の北側にある森の中を散策していた。
木漏れ日が美しく、遠くにさざ波の音が響き、空気は驚くほどに清々しい。一応、森の奥へと小径が通っており、清冽な空気と相まって、どこか秘密の隠れ家を探検しているような気持ちにさせられる。
……案内人であるティオが、しょんぼりと肩を落としていなければ。
「ティ、ティオお姉ちゃん、大丈夫?」
「大丈夫じゃ。問題な――」
ゴンッと良い音を立てて、飛び出していた太い枝に頭部が直撃したティオさん。しかし、何事もなかったみたいに歩みを進める。トボトボと擬音がつきそうな足取りで。重症だ。
「パパ……」
ミュウが心配そうな表情でハジメを見上げる。ハジメは困った表情になった。
ティオが大人しい時の常套手段は、取り敢えずケツをひっぱたくか、あるいは罵倒するかだ。どんなに気持ちが沈んでいても即時復活が約束されたティオ専用特効薬である。
しかし、だ。今はなんとも……その特効薬を使うのに気が引ける。だって、直ぐ傍にアドゥルお祖父さんがいるし。さっき、仁王立ち&笑顔のまま気絶したばかりだし。
何より、そんなティオの有様が同胞達に著しい変化をもたらしたわけであるし。
さて、どうしたものか。
ユエ達も苦笑いを浮かべるだけで――一人、リリアーナだけはめちゃくちゃ優しい目でティオを見ているが――どう声をかけるべきか迷っているようだ。
と、その時、状況を見かねたらしいアドゥルが苦笑い気味に口を開いた。
「これ、ティオ。いい加減に機嫌を直しなさい。里のみなも、別にお前を嫌っているわけではないのは分かるだろう? むしろ、ありのままのお前を受け入れたからこそ、あの言動に――」
「シッシッ、さっさとあっち行けって、手であしらわれたんじゃが。邪魔者扱いされたんじゃが。妾、姫なのに」
「ま、まぁ、多少、扱いが雑になったかもしれんが、それも親愛のあらわれ――」
「知らぬ間に〝姫様対応心得〟なんてものが作られておったんじゃが。まるで怪獣でも相手にするみたいに、『第一種・対姫様配備! 一切の刺激を与えるな! 繰り返す! いかなる刺激も与えるな!』と号令がかかったんじゃが」
「……」
「日頃、よく訓練しているのが分かるキレッキレの集団行動だったんじゃが」
アドゥルは無言のまま、そっと視線を逸らした。うむ、今日も良い天気だ。おや、小鳥さん、私の肩で休んでいかんかね? みたいな感じで、完全に孫娘から手を引いていらっしゃる。
族長であるアドゥルが知らないはずがないので、あの対応を容認しているのは明白。むしろ、今の大したことのないフォローを見れば、「自業自得だし、しょうがない」くらいに思っていそうだ。
仕方ないので、と言わんばかりにリリアーナがスススッと前に出た。自分にできる最大限の励ましを送る。ティオの肩をポンッポンッと軽快に叩き、
「仲間♪ 仲間♪」
姫とは、雑な扱いをされるものである! と言わんばかりに上機嫌な笑みを見せた。リリアーナの手に合わせて、ティオの肩がハンマーで埋められる杭みたいに、どんどんしょんぼりと下がっていく。
「流石のティオさんでも、こういう場合は落ち込むんですね……」
「なら最初から変態性を隠しておけばよかったのにね」
シアが奇妙な生き物を見る目でティオの背を眺め、香織がこそこそと言葉を返す。雫が、こそこそと推測を口にする。
「たぶんだけれど、身内には本性を隠したくないし、受け入れてほしいと思ったんでしょう」
「でも、今まで通り〝敬愛される姫様〟ではいたかったということでしょうか?」
愛子が補足し、次いで、もごもごと口を動かす。思わず言いかけた言葉を寸前で呑み込んだ様子だ。が、それは無駄に終わる。
ユエ様があっさりと言葉にしたから。親達も含め、この場の全員の気持ちを。
「……ん~、面倒くせぇ変態」
「ッ!? ひ、酷いのじゃ、ユエぇ」
正妻様のゲイ・ボルグみたいな言葉にビクンッとしながら振り返るティオ。
そこには、ゴミ捨て場でカラスに荒らされ散乱し、片付けるのが凄く面倒な状態になっている生ゴミを見るような目があった。ユエ様のジト目と相まって破壊力は抜群だ! ハァハァッ!!
「……ん。復活した」
「なるほど。これがユエ殿の、否、正妻殿の実力か……」
「いえ、むしろティオの変態性だと思いますよ、アドゥル殿」
やっぱり、アドゥル殿はまだ心の回復をしきれていないのかもしれない。
アドゥルにツッコミを入れつつ、ハジメは咳払いを一つ。空気を変えるように口を開いた。
「それで、ティオ。どこに案内してくれてるんだ?」
「ご主人様よ、優しい言葉の一つでもかけてほしいんじゃが……」
「後で崖から突き落としてやるから元気だせ」
「圧倒的感謝!! ハァハァッ」
ようやく気を取り直して、というか心の整理をつけたらしいティオが、ハァハァしながら説明するところによると、どうやら里の墓地に案内しているらしい。
「……なるほど。両親か?」
察して、ハジメが静かに尋ねれば、愁や菫を筆頭に誰もがハッと息を呑んだ。
肩越しに振り返ったティオの柔からな表情に、直前までハァハァしていたとは思えないと、親達はなんとも言えない表情になりつつ耳を傾ける。
「観光というには微妙な場所じゃが、あちこち案内する前に、みなを紹介したくてな。義父上殿と義母上殿も、よろしいかの?」
もちろん、否などあるはずがない。智一や鷲三達も快く頷いた。
神妙な気持ちでしばらく歩くと、不意に開けた場所に出た。木々の合間の木漏れ日はなくなり、綺麗なサークル状の青空が見える。
「む、じい様、これは……」
「もう隠れる必要もないのだ。日の当たる場所にしてやりたくてな」
「なるほど。そうじゃな」
目の前には、無数の墓石が整然と並べられている。そこには、燦々と陽の光が降り注いでいて、周囲の木々や清冽な空気と相まって、墓地特有の物寂しさのない、どこか神聖な空気が感じられた。
「ティオ、どうしたんだ?」
「実はの、この墓地は木々の枝葉で天を覆われた、もっと鬱蒼とした場所だったんじゃよ」
「……ん~、隠れ里だから?」
「うむ。上空から発見される可能性に備えての。里には誤魔化すための結界を張れるが、離れた墓地にまで常在させるのは負担であろう? じゃが、どうやら里の皆が決戦後に、お日様が当たるよう、よく整えてくれたようじゃ」
「なんというか、良い意味で墓地らしくないというか……綺麗な場所ね」
「まるで、教会の中みたいな雰囲気だな」
菫と愁の感想に追随し、智一達も視線を巡らせながら好意的な所感を漏らしていく。
ティオの先導に従って最奥へと足を運ぶと、そこには、他と違って柵に囲われた白い墓石が二つ、寄り添うようにして立っていた。
白い墓石にはそれぞれ、〝ハルガ・クラルス〟と〝オルナ・クラルス〟の名が刻まれている。
「ただいま戻ったのじゃ、母上、父上。紹介しようぞ。妾の新しい家族じゃ」
自慢するみたいに、しんみりした雰囲気もなく胸を張るティオ。
順番に、報告するように、ハジメ達を紹介していく。
香織や雫、愛子も身内となるわけだから、その両親もティオの家族だ。どんな人か、一人一人ゆっくりと紹介していくのだが、仕事から人柄、本人すら意識していないような些細な長所まで紡がれていく言葉には、そこまでしっかり見てくれていたのかと、智一達が少々赤面してしまうほどだった。
ただし、「八重樫家は忍びの家系なのじゃ」と口にした途端、鷲三からすかさず「忍者ではないよ、ティオ君」と、虎一からは「現代に忍者などいるわけがないよ、ティオ君」と、霧乃からは「しがない道場と警備会社を運営しているだけよ? ティオさん」と訂正が入った。そこは譲れないらしい。面倒くせぇ忍者達である。
ティオが「んんっ」と声につまり雫を見るが、雫からは「雑技が得意な変人集団でいいわよ」と投げやりな回答が。娘から見ても、やはり面倒くせぇ忍者達らしい。
あと、リリアーナの紹介では「王国の姫じゃ。騎士団長が病むまでこき使う、恐ろしいブラック姫じゃ」とだけ雑に説明。
リリアーナが抗議の声を上げて、自ら紹介することになった。どうやらティオさん、「仲間♪ 仲間♪」が地味に嫌だったらしい。
全員の紹介が終わった後、愁と菫が前に出た。墓石の前でひざをつき、姿勢を正す。
「初めまして、ハルガさん、オルナさん。南雲菫と申します。娘さんのような素敵なお嫁さんをいただけて、とても嬉しく思います」
「初めまして、義父となりました愁です。どうかご安心を。娘さんの幸せは私達が保証します。息子が泣かせたら……いや、違う意味で泣かせることは多々あるというか、割と酷い扱いをすることもありますが……」
「ちょっと、あなた! TPOを弁えて! いくらティオちゃんが時と場所を選ばない変態さんだからって、あなたまでそんな有様でどうするの!」
「す、すまん!」
「い、いや、義母上殿? むしろ義母上殿の言葉にぐさりっときたんじゃが。ちょっと気持ち良くなってしまったんじゃが……ハァハァ。父上と母上の前なのにっ。んんっ」
「愛子、頼む」
「――〝鎮魂〟!!」
頭痛を堪えるような仕草のハジメが呟けば、愛子が阿吽の呼吸で、得意な精神安定の魂魄魔法を放った。
両親の墓地の前で、生きてる娘を〝鎮魂〟……そういう魔法名だとはいえ、なんとも言えない表情になる智一達。アドゥルの目が、「私のログには何も記録しない」と言ってるみたいに遠くを見ている。
「と、とにかく! 息子が泣かせようとも、私達が娘さんの幸せを確約します! どうか安心してくだしぃ!」
「父さん、噛んでる」
「かみまみ――」
「〝かみまみた〟のやり取りはしないからな」
テンパった愁パパの必死な様子にハジメは溜息を吐きつつも、両親の隣へ同じようにひざをついた。そして、静かに瞑目すると、たっぷりと心を込めて、
「幸せにします。し続けます。お二人と、全ての竜人族に誓います」
そう言った。ひゅっとティオが息を呑み、智一達男性陣が「ほぅ」と声を漏らし、薫子や霧乃、昭子が「まぁ」と少し頬を染め、アドゥルが嬉しそうに、感慨深そうに微笑を浮かべて瞑目した。
そして、ユエ、シア、香織、雫、愛子、ミュウとレミアが顔を見合わせたかと思うと、ハジメ達の後ろで同じようにひざをついた。祈りを捧げるみたいに瞑目し、代表して、ユエがそっと口を開く。
「私達の幸せは、ティオと共に。約束します」
「ユエ……お主等も……」
ティオの声が少し震えていた。袖で顔を隠しているのは嬉しさと照れくささでポワポワしてしまっているだらしのない顔を見られたくないからだろう。
「……ティオ。本当に、素敵な家族を得られたな」
「うむ、うむっ」
言葉にならない様子の孫娘の頭を、アドゥルは、とびっきり優しい手つきで撫でたのだった。
その後、本当なら宴の時間まで別の場所も案内する予定だったのだが……
なんとなく、誰もが、この穏やかな陽気に包まれる墓地から離れがたい気持ちがあって、
「父上と母上も、それに、大迫害で亡くなった多くの者達も、賑やかな団らんが大好きであった。時間まで、少しおしゃべりでもどうじゃろうか?」
と、ティオが提案したこともあり、結局、そこで時間まで過ごすことになった。
話は尽きず、なんとなくであるが、ハジメ達は自分達を囲うようにしてたくさんの人々が楽しんでいるような、そんな雰囲気に包まれる感覚を味わっていた。
この墓地に、骸はほとんどない。隠れ里に移住してから亡くなった者だけ。迫害時に亡くなった者のそれは、一つもない。
だが、魂の帰る場所だ。そうであれと願って作られた場所だ。
だから、きっと……
そうして死者への報告会のようなおしゃべりは続き、ティオが初代クラルスの祀った霊廟の話と、決戦前、そこで龍神化のための一手を手にした出来事などを語っているところで、ヴェンリが呼びに来た。
集落に戻ると、竜人達が妙に嬉しそうな、とても温かな眼差しで迎えてくれた。カルトゥスを含め老人の中には涙ぐんでいる者も多くいるようだった。
「ああ、姫様配備の人達から伝わったんですかね。周りにいっぱいいましたし」
シアがウサミミをパタパタさせつつ言う。
ハジメやユエ達も気が付いていたのだが、改めて「姫様を大切にしてくださって、ありがとうございます。よろしく頼みます」と、言葉より雄弁に伝わる感情を注がれると、流石に少し照れくさい。
とはいえ、一番照れているのはティオだ。着物の袖で顔を隠してしまう。今日はよく照れ隠ししてしまう日だ。
「言ったでしょう、姫様。みな、姫様のことを大切に思っているのですよ」
「う、うむ。そうじゃな」
ヴェンリに囁かれつつ、改めて広場を見れば、たった一時間でやったとは思えないほど、よく整えられていた。
普段、集会時にアドゥルなど上位の者が立つ歌舞伎舞台のような場所は、舞踏用に装飾品が飾られ、その前の広場にはいくつもの美しい敷物とご馳走が並んでいる。
気合いの入りようは一目瞭然。
更には、
「では、姫様も参りましょうか」
「む? ヴェンリよ、どこへじゃ?」
訝しむティオに、ヴェンリがくすりと笑みを浮かべながら言う。
「何をおっしゃいます。ご自身が口にされたのではありませんか。妾も舞うと」
「ぬっ、それはそうじゃが……よいのか?」
「ダメな理由がございませんでしょう? 準備はできております。最初はやはり、ハルガ様とオルナ様のもとへ向かわれたいでしょうし、そうあるべきですから」
見れば、竜人の女性陣が扇子や装飾品、髪を整える道具を抱えてスタンバイしていた。屋内にはきっと、舞踏用の着物も用意されているのだろう。
と、そこへアロイスとカルトゥスがやってきた。
「姫様、先程は失礼しました。いろいろな意味で開放的な姫様には、あれくらいの態度が良いだろうと、二ヶ月近くの議論の末に決めたのですが、いかがでしたか?」
「割と本気で落ち込んだわ!」
「ご安心くだされ、姫様。アロイスも我等も、割と本気で竜人族への風評被害を警戒しておりまする」
「ぐぅの音もでんわ! すまんの!」
ふんっとそっぽを向いて、ハジメ達に一言「ちょっと行ってくるのじゃ! 先に料理を堪能しておいておくれ!」と告げると、舞いの準備でスタンバイしている竜人女性達の方へズンズンッと歩いていってしまった。
アロイスとカルトゥスは顔を見合わせ、
「翁。どうやら正解だったようです」
「そのようであるなぁ」
と、納得顔で頷き合うのだった。
アドゥルが快活な笑い声を上げながらアロイスの肩を叩く。
「苦労をかけるが、アロイス、次期族長として頼むぞ」
「クラルスの名を持たない私には正直、荷が重いのですが……精進しましょう。さて、ハジメ殿、皆様、どうぞ中央へ。姫様の舞いは竜人随一でございます。特等席でご覧になられてくださいませ」
一時期はリスタス君と同様、厳しい目でハジメを見ていたアロイスだが、今はまるで主家に仕える従者のような、そんな敬意と好意が感じられた。
やはり、竜人の里では、もう姫様の性癖も、それを開花させてしまったハジメのことも、すっかり結論を出して受け入れてくれているようだった。
そうして始まった宴。
伝統料理は美味しく、日本のことを聞きたがる竜人達との会話も楽しく、平和で賑やかな時間が流れた。
そして、ティオの舞い。
しゃなり、しゃなりと舞う姿の美しさといったら、ハジメが息を呑むほど。ユエ達も菫達も一人の例外もなく、料理を口にするのも忘れてただただ見入る。魅入られたように。
鮮やかな袖が蝶の羽ばたきのように舞い、花弁の描かれた扇子が、本当に風に舞う花びらを幻視させた。
ヴェンリやアドゥルが満足そうに目を細め、アロイス達は静かに涙を流す。
……たぶん、感動で。在りし日の姫様を思い出して、今とのギャップに泣いているわけではないと思う。
そんなこんなで、盛大な拍手と興奮したような菫や愁、そして香織達の称賛を一身に浴びながらティオも料理を囲み……
やがて、穏やかさと高揚が混じり合ったような不思議な気持ちの中、宴は終わりを告げたのだった。
竜人達の盛大な見送りを受けながら、ゲートを通じて大陸に戻ってきたハジメ達。
アドゥルとヴェンリだけ引き続き大陸での役目を果たすため一緒におり、転移した時と同じ、王国の跡地である山脈の麓でしばしの別れを惜しむ。
「お体にお気を付けて、あまり皆様に迷惑をかけぬよう自重してくださいまし。よいですか、姫様。日本の食事は大変美味しいと聞きましたが、暴飲暴食はいけませんよ。規則正しい生活を心がけるのですよ?」
「わ、分かっておる。いつまでも子供扱いするでない」
ヴェンリのお小言にむぅと唇を尖らせつつも、ちょっと嬉しそうなティオに誰もが微笑ましい目を向ける。
「ハジメ君。改めて言うことでもないかもしれないが、ティオをよろしく頼む」
「お任せを。もっと世界間移動が容易になれば、今度は日本へ招待します。楽しみにしていてください」
固く握手を交わすハジメとアドゥル。ユエ達や愁達もアドゥルやヴェンリと言葉をかわし、握手をして、そして遂に出発……
というその瞬間。
「おや? 何か聞こえませんか?」
シアのウサミミがピクピクと反応した。
ハジメ達が首を傾げる。特に何も聞こえないが……
――…………………ァ~~
おや? 確かに何か聞こえる? 山彦のように反響しているので聞こえづらいが、確かに何か音が響いて……
――………………マァ~~~ッ
「あら? 何かしら? 腕に凄い鳥肌が……」
「雫ちゃん!? 大丈夫!? なんだか真っ青になってるよ!」
「雫!? どうしたのですか!? シュネー雪原に放り込まれたみたいにガタガタ震えてますよ!」
「八重樫さんのポニテが……犬のしっぽみたいに巻かれてます!?」
――…………ェエエエエッサマァアアアッ
「ぬぅっ、なんだこの禍々しい気配は!」
「アドゥル様! まさか、魔物では!? 北の山脈地帯には、まだ逃げ出した神域の魔物が潜んでいると聞いておりますっ」
ハジメとユエはシアを見た。シアの表情が「うわぁ」とドン引きの顔になっている。どうやら優秀なウサミミは、既に迫り来る〝禍々しい気配(笑)〟の正体を捉えているらしい。
ミュウとレミアが不安そうにハジメに身を寄せ、八重樫家の皆さんがどこからともなく忍者刀を引き抜き、霧乃が薫子と昭子を庇うように前に出た、その瞬間。
――オォオオオオオネェエエエエッサマァアアアッ!!!
「ひぃっ!?」
雫が飛び上がる。正体を察したらしい。
「ちょっとハジメ、どうなってるの!」
菫が咄嗟に雫を抱き締めながら問う。ハジメは引き攣り顔を見せた。
「マジか……そりゃあ、北の山脈地帯に放り込んだわけだから、遭遇する可能性もなきにしもあらずだが」
「……ハジメ、勇者は? 一緒にいるはず」
「あ、あの子はクゼリーに叱られたのに何をして……また光輝さんを置いてきた――」
リリアーナの懸念は直ぐに解消した。
――と、とまれぇっ、止まってくれぇっ! くそぉっ、いったいどうしたっていうんだ! せめてロープを外してくれぇっ、引きずらないでくれぇっ
「ハジメさん。勇者さんの悲鳴が聞こえますけど」
「天之河が一緒なら送り返される理由がない。と思って、強制連行してるのか。なんつー執念だ」
「ハジメ! お願いよ! 直ぐに転移を! 急いで! 超急いでぇっ!」
「雫ちゃんっ、落ち着いてぇっ」
「――〝鎮魂〟! 〝鎮魂〟!!」
お姉様を求める義妹の声が、凄まじい勢いで近づいてくる。人間の速度じゃない! 雫がめちゃくちゃ怯えている!
もう、言っている間に最後の山脈を越えてきそうだ。一刻の猶予もない!
「ハジメ君! ここは私に任せて先にいきなさい!」
「いや、アドゥルさん、そういう不吉なことは言わないでほしいんですが」
と言いつつも、雫がやばい上にソウルシスターの方もお姉様を求めるあまり竜人の長が警戒するほど禍々しい気配を放っているようなので、割と急いで羅針盤とクリスタルキーを準備。
――ミィツゥケェタァアアアアッ
「いやぁあああっ!! ハジメぇっ、急いでぇっ!」
「あ、こら、雫! 横から魔力を流し込むな――」
ゲートは開いた。元より向かうつもりだった次の見学地へ。
ただし、プチパニックを起こした雫により微妙に座標がずれたあげく、しがみつかれたハジメがクリスタルキーを落としたせいで足下に、落とし穴のようにぽっかりと開く形で。
結果、わぁあああああああっという悲鳴と共に、ハジメ達は一斉に落下転移したのだった。
――アアアッ、オネエェエサマァッ!!
――だ、誰か……助け……
――君、落ち着きなさい!!
――アドゥル様! 天之河殿が昇天しそうですっ
なんて声を耳にしつつ。
そして、
「ぎゃあああああああああっ!?」
転移先でも悲鳴が。
ついでに、
「陛下!?」
「ご無事ですか!?」
「おのれっ、くせ者――って、南雲ハジメ!? それに、ええ!? どうしてあなた方が!?」
なんて、混乱に満ちた声も。
どうやら、無事に次の目的地――帝国に到着したようである。
ただし、ガハルド皇帝の真上に落下する形で。
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