昔、東進ハイスクールの林修先生が「もう時効なんで言えるんですけど」と前置きした上でされていた興味深い話。 林修先生がまだ数学の先生だった頃、ある日の授業の予習をしていないことを、その授業の直前に気がついたそうです。その日は東大の過去問を解説する回でした。 林修先生は授業に対して徹底した準備をして臨みます。しかしその日の授業の準備はもう間に合いません。生徒に申し訳ないからと、その日の授業は休みにしようと塾に電話をしようとしたそうです。 しかしここで「今自分が1番やるべきことは、授業に穴をあけないこと」と思い直し、その日は授業の準備を殆どせずに、授業に臨むことになりました。 いよいよ授業が始まり、生徒は林修先生の解説を聞く準備ができています。解説するはずだった問題は殆ど初見の問題。そこで林修先生は、あーでもない、こーでもないと試行錯誤をしながら、何とか問題を解ききり、解説を行い、授業を乗り切ったそうです。 準備をしなかった反省をした反面、生徒からの反応は意外なものでした。ああいう授業が分かりやすい、またやってくださいよとお願いされたそうです。ゴチャゴチャとした授業は生徒の評判が良かったのです。 林修先生は単に準備をしなかっただけなのですが、この話の中には数学を勉強する上での重要なエッセンスが詰まっているように思いました。 数学が苦手な生徒はなぜ手を動かさないのか、なぜ図を書かないのか、その答えの1つは「模範解答のような式が問題文からいきなり出てくる」という勘違いから起こっているように思うからです。 解答解説の式に対して、数学ができる人はこういう式が問題文から思い浮かぶんだ、だから自分もこういう式をいきなり思いつかないといけないんだ、という誤解です。 実際には解答解説のような式を書くにせよ、その式を出すための図や表、また別の解法の試行錯誤などが土台となって、計算式を書き始めます。そして本来の数学の力は、答案には書かなかったゴチャゴチャにあったりします。 林修先生の授業は、数学の問題が解ける人のリアルな動きを再現したわけです。その結果、模範解答には書かれないゴチャゴチャした部分が生徒に刺さり、生徒から分かりやすい授業と写ったのではないかと考えています。
2025-10-20 18:57:13みんなの反応
@hakudohY @BH79Ca4YNT6112 【東海高校】 林修先生の出身高校 医学部進学日本一の すうがくの強い 日本屈指の名門校
2025-10-21 08:05:39@BH79Ca4YNT6112 東大目指すクラスだからこそでしょうね。 中学生に同じことしたら「頼りない先生」とレッテルを貼られてしまいます…
2025-10-20 23:40:18@kaigo_mama3ns @BH79Ca4YNT6112 それ解るわ 進学校だったので 授業はこれくらいは当然解るだろ発想の授業 特に理系はそれが顕著だったな
2025-10-21 11:35:14@BH79Ca4YNT6112 できる人の「できている姿」よりも、 できる人が「できるようになる過程」を見たい。 その方がずっと興味深いし、美しい。
2025-10-21 06:42:35@BH79Ca4YNT6112 そう小中学の教科書とか、今は知らんが昔はペラペラで綺麗過ぎた。何も説明してなく、「教科書の答えが書いてある本」や参考書を買わなければ自習もできんかった。 """自然法則だから事実として受け入れろ""" と書かれてればまた話は別だが。なんだったのだろう?あの教科書という本は?
2025-10-21 11:27:39プロセスが大事
@BH79Ca4YNT6112 私が高校入って数学についていけなくなった理由がまさにここに解説の式を見ても、そこまでのプロセスがわかんなくて困っていた思い出
先生は数学のできる人だからわからない人の困りごとがわかんないのですよ…
@BH79Ca4YNT6112 模索の仕方って本当に大事ですよね… (模索の仕方がわからない人の意見) pic.x.com/MfwV91wt4D
2025-10-21 00:06:11@kaigo_mama3ns @BH79Ca4YNT6112 私が高一の時の数学の赤鬼と呼ばれた先生は、例えば数列では八百屋の店先の台の上に果物が縦に何列横に何列並んでいてと言うところから数列の使い方の話をしてくれていました。 なので公式ではなくどうやって解くかを最初に教えてくれたので、公式を忘れてもなんとか答えに辿り着くことができました。
2025-10-21 14:46:40@BH79Ca4YNT6112 絵を描く人が 綺麗な絵をバン!と出したら一度 その絵の完成度に感動するけど、 絵の下描きから始める動画を観ると、 線や塗りに 絵師の方の繊細さ丁寧さも感じながら 出来上がっていく絵に より感動出来ますもんね… ズレてたら怖いけど 同じであってくれ(笑)
2025-10-21 08:21:44@BH79Ca4YNT6112 ほんとにこれ! 高校の物理の先生が、サラサラサラーっと答え書いていくけど、 思考の過程の説明さっぱりしてくれなくて意味わからなかった‥ わからない人の気持ちがわからないんだなと思ったけど 違う先生なら物理もう少しなんとかなったかもなーと今でも思う
2025-10-21 07:34:52@BH79Ca4YNT6112 これは我が意を得たり。 小学生の頃は、解説を読んでも「何故そこに補助線を引けるのか」が分からなかった。中学生になると、ある程度見当をつけながら、垂線を下ろす、中線を引く、二等分線を引く、平行線を引くといった手持ちのパターンを試してみて、初めて正解筋に辿り着けると理解した。
2025-10-20 22:37:41@BH79Ca4YNT6112 いい話です。高校の時の数学の先生は、意外と計算間違いが多かったのですが(生徒も大抵間違いに気づいてニヤニヤ)、3年間受けた授業中、途中で自分で間違いに気づかないことが1度もなかったんです。どうやって間違いに気づくか、どうやって直すかが、授業というライブの醍醐味でした。
2025-10-21 01:39:12頭の中の試行錯誤が大事
@BH79Ca4YNT6112 自分が数学の点数最後まで上がらんかったからこそこの話めちゃくちゃ理解出来る。数学って閃きじゃないんよな結局。どうしても試行錯誤っていう段階を踏まなければならない。
2025-10-21 05:20:40@BH79Ca4YNT6112 数学だけじゃねーんだよこれ 英語の長文も試験時間想定してライブ感覚でその場で読み解く授業されたことあるんだけど、めちゃくちゃわかりやすかった。 試行錯誤のあとがわかる、読むスジがわかる。
2025-10-20 23:08:13@BH79Ca4YNT6112 わかります
「試行錯誤の過程や迷い」
これがわかる数学の本が欲しいです...
手を動かすことの大事さを強調してくれるような数学書は増えてきましたね〜
『手を動かしてまなぶ 集合と位相』
#数学 #読書
amzn.to/4777Krq pic.x.com/JZKRSKp3Zo

興味深いけど、一般化できる話ではなさそう。試行錯誤の過程を見せるだけで面白くなる、林先生の話芸あってのこと。
親の友人で後に官僚なった人の高校時代の話として。数学の勉強を教える際に一つの問題に解法を5、6個提示して「どれが分かりやすい?その解法で教えてあげるね」とさらりと言い放った話がありましてな・・・