『約3.8万人から集めた出資金2000億円超』は「もうほぼない」『みんなで大家さん』元関係者が「自転車操業」の実態を明かす 出資者は「半分でもいいから返してほしい」
■今年7月末、突然分配金の支払いがストップ
しかし、今年7月末、突然分配金の支払いがストップします。 「みんなで大家さん」グループの代表は、動画で出資者に向けてこう謝罪しました。 【みんなで大家さん代表】「ご信頼をいただいた事業参加者の皆様には大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことを心から深くお詫び申し上げます」 この不動産ファンドを運営するのは、大阪市の不動産会社・都市綜権インベストファンド。出資金で「ゲートウェイ成田」の土地を購入し、それを同じグループの開発業者に貸し出して得た賃料を分配金として投資家に還元してきたと説明しています。 しかし、グループ内の開発業者からの賃料収入がストップし、分配金が滞っているといいます。
■6年前にスタートしたプロジェクトは現在もほぼ更地
プロジェクトの実態を確かめるため、取材班は千葉県成田市の建設現場に向かいました。 6年前にスタートしたプロジェクトですが、現地はほぼ更地のままで、重機が数台稼働しているものの、大規模開発の工事中には見えませんでした。 近くで営業するタクシー運転手に話を聞きました。 【タクシー運転手】「「最初に工事が始まって、造成が始まったんですけど、それからまもなく工事が止まっちゃって。工事車両も全然入っていく様子がなかったんです。 私も若干の投資をしようと思ったんです。何ができるんだろうと完成予想図をネットで全部見てたんです。いいものができるなと思ってましたけど」 行政に提出された工事の進捗状況報告書によれば、当初の開業予定は2021年でしたが、今年1月時点の進捗率はわずか2.3%。 去年6月には計画変更について出資者への説明を怠ったなどの理由で、大阪府と東京都から行政処分を受けていました。
■「分配金についてコメントする立場にない」と成田市
成田市の担当者は取材に対し、次のようにコメントしました。 【成田市の担当者コメント】「みんなで大家さんグループの申し出を受けて、あのエリアを商業施設などにするまちづくり(地区計画)を決定したのは、確かに成田市です。造成工事(開発)の許可も出しました。 しかし、我々はプロジェクトの発注者ではなく、開発主体はあくまでも民間事業者で、分配金についてコメントする立場にありません」 また、「民間事業である以上、工事の延期が続いても基本的には完成を待つのみ」とも話しました。