ブラタモリ次回は蔵王へ! 宮城・遠刈田温泉側から?山形・蔵王温泉側から? それが問題だ
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長野・上高地編が好評だったブラタモリ。次回は10/25、11/1の2週連続で「蔵王」と告知されました。予告編の画像にも映ったように奇跡の火山地形「御釜(おかま)」で知られる景勝地です。
宮城・蔵王なの?山形・蔵王なの?
さて近年のブラタモリでは、よほどの知名度があるスポット以外は、全国の視聴者に分かりやすいように都道府県名を添えることが多いです。例えば「長野・上高地」「東京・神楽坂」などです。
面白いなと思ったのは連続放送された佐野と行田。前者は「佐野」、後者は「埼玉・行田」でした。佐野(栃木県)は関東で人気の佐野ラーメン効果で「無冠」となったのでしょうか? ただしTBSドラマ『陸王』や映画『のぼうの城』効果で、全国的には行田の方が知名度は高いという見方もあります。
※初出時県名誤りを訂正しました。
さて、蔵王は旅行好きやスキーヤーなら知らない人はいませんが、全国的な知名度から県名を冠しても良かったかも知れません。ところがブラタモリの公式サイトでは「蔵王」とだけ示されました(10月13日現在)。
熊野岳、刈田岳などから成る蔵王は、宮城と山形の県境。そもそも県境のため明示できないという事情もあるのですが、今回県名が示されなかったことで、SNSでは「宮城側から行くの?それとも山形側?」といった声が聞かれました。
せっかくブラタモリが来るなら自分の県を通って欲しいですし、またブラタモリ効果を期待する麓の観光地には死活問題となってきます。
「宮城・蔵王」でブラタモリ?
「宮城・蔵王」でブラタモリなら、期待が高まるのは宮城県側の蔵王の玄関口である遠刈田(とおがった/とうがった)温泉。
宮城県側から遠刈田温泉を経て蔵王へのアクセスは主に次の通り。遠刈田温泉以降のバスは土日祝日のみで冬季は山頂までは運転しません。
・仙台駅→遠刈田温泉乗り換え→蔵王刈田山頂(路線バスで所要2時間弱)
・白石蔵王駅→(遠刈田温泉経由)→蔵王刈田山頂(路線バスで1時間半前後)
・仙台市街/白石蔵王駅→(遠刈田温泉経由)→蔵王刈田山頂(クルマで1時間前後)
遠刈田温泉は開湯400年。共同浴場が2つあり、遠刈田系こけしでも知られます。シーズンの日曜日には朝市も開催。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉で保温効果、美肌効果など。
東北地方でたまに聞くダジャレが「遠刈田は遠かった」。仙台市街からクルマで約45分かかる遠刈田温泉。果たしてタモリさんの口からこのギャグは聞けるでしょうか?
宮城県側に有利な要素としては、蔵王のシンボル「御釜」が宮城県側にあること。東北新幹線に白石蔵王駅という分かりやすい駅名があること。また蔵王温泉を擁する山形市は2023年に訪ねたばかりという点です。
「山形・蔵王」でブラタモリ?
対する蔵王温泉。山形県側から蔵王温泉を経て蔵王(御釜)へのアクセスは主に次の通り。バスは1日1~2本で冬季は山頂までは運転しません。
・山形駅→(蔵王温泉経由)→蔵王刈田山頂(路線バスで約1時間40分)
・山形市街→蔵王刈田山頂(クルマで約50分)
・【穴場ルート】かみのやま温泉駅→刈田駐車場(無料バスで約1時間)
山形県側の蔵王の玄関口は、蔵王温泉です。
開湯から何と約1900年。共同浴場が3つあり、樹氷やスキー場でも知られます。温泉街に入ると湯けむりが漂い強烈な硫黄の香り。泉質は強酸性硫黄泉です。スキーブームの終焉などで人出は減りましたが、温泉としての底力は同じ火山性の強酸性硫黄泉である草津温泉(※泉質は硫黄泉以外にもあり)に匹敵します。
山形県側に有利な要素としては、樹氷は主に山形県側から見学できること、火山性の硫黄泉は蔵王の山々や御釜に関連性が深いこと。タモリさんが好きなタイプの温泉であることです(ブラタモリ草津温泉編で「私の好きなクセのある温泉!」との発言あり)。
以上のように比較は難しいところですが、遠刈田温泉のみ取り上げる、蔵王温泉のみ取り上げる、両方取り上げる(両方取り上げない)の可能性があります。ぜひ10/25の放送までに予想して楽しんでみてください。
10/25、11/1というナゾの放送日の理由は?
さて、宮城側の遠刈田温泉と、山形側の蔵王温泉を結ぶ「蔵王エコーライン」は、途中お釜近くとを結ぶ「蔵王ハイライン」を分岐します。ところが両者は2025年は11 月4日17時から翌年の4月24日11時(予定)まで冬季通行止めとなり、御釜は雪に閉ざされます。
ブラタモリは観光地振興の役目も負うため通常は、番組を見てから現地を訪問できるような放映スケジュールが多いように感じます。しかし今回は通行止めまでごくわずかの期間。これはなぜなのでしょうか?
現段階の予告では明かされていませんが、可能性としては、お釜の景色と樹氷の両方を扱っても不自然ではないちょうど谷間の時期ということなのかも知れません。
ブラタモリの視聴者は番組を見てから現地を訪ねる方が多いのですが、今回は放映タイミングが遅めですので、早めのプランニングがおすすめです。
蔵王の紅葉は、例年なら9月下旬に山頂(御釜)方面から始まり10月中下旬に温泉街が色づきます。今年は紅葉が遅れていますので、これからプランニングすれば紅葉狩りにもちょうど良さそうです。
また御釜は霧で見えないことが多く、泊りがけで予備日を設定したうえ朝から長い時間滞在するのがおすすめです。防寒と軽登山用の靴が必要です。
※蔵王温泉とブラタモリロケ地の山寺を結ぶ臨時バスが設定されています。
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参照資料 蔵王エコーライン、蔵王入ラインの通行止め(蔵王町観光協会)
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