小泉進次郎防衛相は22日の就任会見で、靖国神社参拝について「国のために命を落とした方々に対し、尊崇の念、感謝の思いを持ち、不戦を誓うことは、どの国にとっても当然ではないか」と語った。任期中の参拝は「適切に判断したい」と述べるにとどめた。一方、共同通信の記者は「A級戦犯合祀」「歴代天皇は参拝していない」などと小泉氏の政治的思想をチェックするかのように質問を重ねていた。
終戦の日は必ず
小泉氏は平成21年の初当選以来、農林水産相など閣僚の任期中も含め、終戦の日に靖国参拝している。事前に記者団から「靖国参拝するのかしないのか」などと問われても「適切に判断したい」と語っている。
この日、共同の記者は靖国参拝に関連し6回に分けて、小泉氏に考え方を尋ねていた。
小泉氏は「A級戦犯合祀」について問われ、「靖国神社のあり方はさまざまな議論の積み重ねがある。そういうことも踏まえて最終的に参拝するかしないか判断したい」と繰り返した。
安倍談話「述べられている通り」
これに対し、記者が「A級戦犯の合祀に問題ないから参拝していたのか」と尋ねる場面もあったが、小泉氏は「国のために命を賭した方々に対する思いを忘れない」と述べるにとどめた。東京裁判(極東国際軍事裁判)について「認めているのかいないのか」と問われると、安倍晋三首相(当時)の戦後70年談話を挙げ、「述べられている通り」と返した。
70年談話は先の大戦について「何の罪もない人々に、計り知れない損害と苦痛を、我が国が与えた事実。歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです」と振り返り、「私たちは、自らの行き詰まりを力によって打開しようとした過去を、この胸に刻み続けます」と不戦の誓いを新たにしている。(奥原慎平)
小泉氏 靖国参拝「国のため命を落とした方に、尊敬と感謝の念を捧げる」