「悪い太陽光」は規制 石原環境相が就任会見、パネル敷設による自然破壊、土砂崩れを懸念

就任会見に臨む、石原宏高環境相=22日午後、東京都千代田区
就任会見に臨む、石原宏高環境相=22日午後、東京都千代田区

石原宏高環境相は22日、就任会見を開き「人の命と環境を守り、持続可能な未来を作る。職員と力をあわせていく」などと抱負を述べた。気候変動対策や環境破壊につながる太陽光パネル開発の抑制、各地で相次ぐクマの獣害などに取り組むした。

石原氏は、元東京都知事で旧環境庁長官も務めた慎太郎氏の三男。兄の伸晃氏も環境相を務めた。石原氏は環境副大臣や衆院環境委員長を歴任し、今回、自ら環境相を希望したという。

石原氏は会見で、八丈島(東京)を今月襲った台風に触れ「今まで見たことのない災害が起きていることを、肌で感じる」と述べ、気候変動の低減に取り組む決意を明らかにした。

一方、高市政権では物価高対策として、ガソリン税の暫定税率の廃止に取り組むが、脱炭素化に逆行するとの指摘もある。石原氏は「今、大切なのは国民負担を減らすこと。短期的に二酸化炭素の排出量が増えるからと、反対するのは短絡的」と述べ、中長期的な視野で脱炭素化を進め、環境政策と両立を図る考えを示した。

再生可能エネルギーをめぐっては太陽光パネルの敷設が景観や環境に与える悪影響が問題視されている。高市氏は総裁選で関連補助金の見直しを進める方針を打ち出しており、石原氏も「自然破壊、土砂崩れにつながる『悪い太陽光』は広がらないようにしていく必要がある」と同調した。

太陽光パネルのリサイクル義務化法案については、費用負担をめぐる

法制的な観点から提出が見送られている。石原氏は「大切な法案。できたら在任中にやりたいが、リサイクルが進む中身が大切」と実効性の確保が必要だと強調した。

今年度はクマによる獣害が相次ぎ、22日までに全国で9人の死者が出ている。前任の環境相の浅尾慶一郎氏は、ハンターの自治体雇用を後押しする方針を表明しており、石原氏は「意向を受け継いで、具体策を検討したい」と述べた。

青山環境副大臣 再生可能エネルギー「負の部分」を問題視

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