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論述編はこちら)
試験の概要
テイスティングの試験は日本酒の香りや味わい、特定名称、焼酎の種類を当てる試験です。
例年、
日本酒が4種類、焼酎が2種類出題されます。
お酒の提供は冷や(=常温)で、試験時間は30分です。
日本酒については4種類すべて具体的な香りや味わい、特定名称を解答します。
それぞれの項目について、下のテイスティング用語選択用紙から選択します。
(画像をクリックすると拡大されます)

また、香り、味わい、特定名称以外に、酵母や酒米などを問われる設問があります。
設問の内容は下の通りで、毎年方向性は変わりません。
・セルレニン耐性酵母を使用しているものを○種類選べ
・生酛系酒母(生酛・山廃)のものを○種類選べ
・アルコール添加されているものを○種類選べ
・山田錦/五百万石を使用しているものを○種類選べ
焼酎に関しては原材料の種類(芋/麦/米/黒糖/泡盛)、蒸留方法(常圧/減圧)、アルコール度数を問われます。
具体的な香りや味わいは問われません。
アレルギーの観点からそば焼酎は出題されないと言われています。
出題される日本酒について
過去に出題された日本酒の情報を見ていきましょう。
ソムリエ協会のホームページで確認できるものは最新の年度のみなので、2020年以前のものは間違っている部分があるかもしれません。
また、具体的な銘柄については推測の域を出ないので、参考程度でお願いします。
(過去の出題)
アル添:アルコール添加されたもの
セル耐:セルレニン耐性酵母を用いたもの
生酛:生酛系酒母(生酛・山廃)のもの

これを見ると大まかに出題される日本酒の傾向が分かります。
ざっくり分けて4種類!
①セルレニン耐性酵母、純米大吟醸
②アルコール添加、本醸造 or 吟醸
③生酛系酒母(生酛・山廃)、純米酒
④上記に当てはまらないその他の純米酒・純米吟醸酒
(以降、それぞれのお酒を①~④の数字で書きます)
①セルレニン耐性酵母、②アルコール添加、③生酛系酒母は毎年設問で問われるため、必ず1つは出題されていることが分かります。
年によって①が2つになったり、①と②が1つにまとまっていたりと多少のバラツキはありますが、
①、②、③のお酒に関しては練習して判別できる必要がありそうです。
(自分は香りと見た目で8割方判別できるようにしていました)
④に関しては酒米がバラバラで傾向を掴みにくいです。
セルレニン耐性酵母ではないという点から、古くからあり、なおかつ最もメジャーな7号酵母の純米酒などで練習しておけば良いでしょうか。
酒米に関しては①のセルレニン耐性は山田錦、②のアルコール添加は五百万石が多めです。
また、銘柄はメジャーで典型的な味わいのものが選ばれる傾向がありそうです。
地酒屋さんで見かけるような要冷蔵のプレミアが付いているお酒ではなく、スーパーや百貨店などで見かけて身近に買えるお酒ですね。
具体的な味で言うと、生酛系酒母ならどっしりとコクのあるタイプ、アルコール添加&五百万石なら淡麗辛口なもの、等。
モダン生酛のような非典型的な味わいのものばかり出題されたら難しすぎて正解できないですしね。
数の確保や保存の問題、冷やでの提供になることも関係ありそうです。
生酒は出題されないらしいですし。
◎追記:2022年度は①のセルレニン耐性酵母枠が特別純米だったり非山田錦だったりと、若干やらしい変更がありました。酒米に関する設問が山田錦ではなく五百万石だったのは優しさでしょうか。
◎さらに追記:2023年度は、酒米に関する設問が五百万石や山田錦ではなく、雄町を問う問題でした。
雄町の味なんかわからん。テイスティングの方向性さえ間違えなければ受かりそうではありますが…。
セルレニン耐性と生酛については解答が発表されていないため推測です。
配点について

こちらの表は直近5年分のテイスティング試験の配点です。
上では設問をベースに日本酒の種類を分類しました。
しかし配点をみると、設問よりも香りや味わいの配点が圧倒的に多いことが分かります。
勿論、セルレニン耐性酵母であるかどうか、生酛系酒母であるかどうか等はテイスティングコメントとも直結しますので大外ししてはいけませんが、例えば2021年度の特別本醸造・五百万石と純米吟醸・五百万石のように、味が似通っているお酒が同時に出題された場合には、設問の間違いは致命的ではありません。(実際自分も間違えました…)
きれいに①~④が出題されるとも限らないので、設問ベースの分類にばかり気を取られるのではなく、ある程度自分の感覚を磨くことも必要そうです。
テイスティングコメントについて
さて、すぐ上に自分の感覚を~と書いておいてなんですが、これはあくまで試験ですので、自分の感覚だけに頼らず、相手(ソムリエ協会)が望む答えを解答することも重要です。
テイスティングシートに載っている香りを全て嗅いだことがある人は少ないと思いますし、仮に嗅いだことがあったとしても、自分の感覚が出題者の感覚と同じかどうかを確認することもできません。
なので、テイスティングコメント(特に香り)については、それらしい解答をある程度事前に決めていくのが良いと思います。
感覚云々以前に、試験中に真面目に1つ1つ香りをとってたら時間が足りないですからね。
(私自身は自分の感覚 2割、テンプレ解答 8割ぐらいのイメージで本番に臨みました)
そこで参考にしたものがこちらの2つ。
・公式の模範解答(2018年度のものしか見当たらず)
・No.1ソムリエが語る、新しい日本酒の味わい方
上の公式の模範解答については言うまでもありませんね。
出題された具体的な銘柄はわからないまでも、どういうお酒でどういうワードが正解になるかが分かります。
下は日本ソムリエ協会会長の著書です。
流し読みするだけでなんとなくコメントの方向性が掴めます。
本気でやるのであれば本に載っている日本酒を買って、自分の感覚と照らし合わせると良いでしょう。
(自分は時間がなくてそこまでやりませんでした…)
時期になると中古価格が高騰するので、早めに購入するか電子書籍版を購入しましょう。
あとは独学で合格された方の個人ブログも結構参考にしました。
検索すると色々出てきます。
テンプレ解答例
上の資料を参考にしたうえでのテンプレ解答例を順に挙げていきます。
なお、各項目の解答数は年により異なるため、必ず試験開始時に確認してください!
①セルレニン耐性酵母
②アルコール添加
③生酛系酵母
④その他純米酒・純米吟醸酒
各項目の解説
~外観~
清澄度は、にごり酒が出題されない限り"透明感のある"一択。
濃淡は、淡い順に②<①=④≦③のイメージ。
色調は、2つ選べるのであれば③以外はクリスタル+α。③はイエロー, ゴールド。
1つしか選べないのであれば選択。正答には多少幅があるのでどちらを選んでもおそらく正解。
悩んだらマイルドなほうを選びましょう。
~香り~
まず大前提として、
カプロン酸エチル系の吟醸香:黄色いリンゴ、白桃、ライチ
酢酸イソアミル系の吟醸香:グレープフルーツ、洋ナシ、バナナ、メロン
①はカプエチ系の果実を中心に。酢イソ系もおそらくほぼ正解。
②青竹は必須。その他酢イソ系の果実、穀物系。
③熟成系、穀物系、乳製品系を中心に。果実系はなしでOK。
④はジャンルがバラバラで絞りにくいが、セルレニン耐性酵母ではない=カプロン酸エチルはそこまで多くないと考え、酢酸イソアミル系の果実を中心に選択。
選ぶものに悩んだら穀物系(=炊きたての米、つきたての餅、上新粉、白玉団子)、あるいは石灰を選ぶのが無難。
穀物系は左から順に精米歩合の数値が下がっていくイメージ。
①,②,④は果実系、③,④は乳製品(ヨーグルト、サワークリームなど)でもOK。
セルレニン耐性+アル添が出題されたら①をベースに青竹を追加。
※上記の①~④でカバー出来ず、なおかつ今後出題されそうなものとしては、
・④の熟成酒
・貴醸酒
あたりでしょうか。
熟成酒は程度にもよりますが丁子、アーモンド、カラメル、醤油、ヨード香あたり。
貴醸酒は上の熟成系のワードに加えて、果実系、蜂蜜あたりを選ぶと良さそう。
~第一印象~
~甘味~
~酸味~
~苦味~
これらの項目はテイスティングシートの選択肢の数字が大きくなるにつれて、その味わいが強くなるイメージで。
香りと比べて出題されるお酒によるブレが大きいことと、選ぶのにそう時間がかかる項目ではないため、ある程度の方向性は決めつつも最終的にはいざ飲んでみて決定、で良いと思います。
こちらも外観同様、悩んだらマイルドなほうを選択。
(解答例にはテンプレ的な味わいのものを載せています)
~バランス~
ここは一概にテイスティングシートの数字が大きくなるにつれて強い、とはいえない印象。
正答には幅がありそうなので、ザックリでいいでしょう。
~余韻~
短い方から②<①=④<③で。
~特定名称~
2018年度の模範解答を見ると分かりますが、特定名称はかなり正解に幅があります。
下位の特定名称は基本的に正解になるよう。
(確かに言葉の定義からすると当たり前の話で、"純米酒"という単語の定義は"純米吟醸酒"の定義も内包しているんですよね。今後もそのままかはわかりませんが。)
なので、①純米酒、②本醸造酒、③純米酒、④純米酒でOK。
ちなみに自分は①に関しては確実にセルレニン耐性と判別できる自信があったので、本番ではすこし攻めて純米吟醸と回答しています。
酒米について
大七の皆伝が五百万石と知った時点でお米当てゲームは諦めました。無理ゲー。
なのでここは割り切ってベタな酒米のイメージ通りに、濃いめでボディがしっかりしたものは山田錦、すっきりめのものは五百万石と判断することに。
山田錦を問われれば濃いものから順に、五百万石を問われればすっきりしたものから順に選べば良いでしょう。
また、過去問の傾向から、①のセルレニン耐性はほぼ山田錦と考えて良いでしょう。
焼酎について
酒米に引き続き無理でした。
一通り原材料別で揃えて飲んだのですが、最後まで自分の中でこれぞという結論は出ず。
普段ほぼ飲まないのでブラインドだと原料すら当てられない有様…
一応の傾向として、
芋:華やか
麦:藁のような香ばしい香り
米(減圧):吟醸香
黒糖:黒糖の甘やかな香り
泡盛:すこしこもったような香ばしさ、森や茸
ぐらいで捉えていました。結果1種類しか当たらず…
いっそどちらも麦、あるいはどちらも米、などと決め打ちで回答して、1問正解ならOKと考えるのもありかもしれません。
度数については何も考えず、メジャーな25度を選択すると良いでしょう。
(過去の出題)
実際にテイスティングの練習に使った銘柄
実際に自分が練習に使った銘柄を挙げておきます。
各銘柄のリンク先にはテイスティングコメントも載せてありますので、ぜひ参考にしてください。
本番ではお酒は冷や(常温)で提供されるため、基本は
冷やで練習するのをお勧めします。
また、グラスに関しても本番同様、
国際規格のテイスティンググラスを使用しましょう。
器によって香りや味の感じ方は変わるため、なるべく本番に近い状態で練習することは非常に重要です。
(amazonや楽天で1脚600円ぐらいで買えます)
◎セルレニン耐性酵母
・
亀泉 純米吟醸 原酒
・
赤武 純米吟醸
◎アルコール添加
・
八海山 特別本醸造
・
久保田 千寿 吟醸
・
越乃寒梅 吟醸酒 別撰
・出羽桜 桜花 吟醸
◎生酛系酒母
・
菊姫 鶴乃里 2019
・
天狗舞 山廃 純米大吟醸
・
大七 純米生酛 山田錦 2015
◎その他の純米酒
・
〆張鶴 純 純米吟醸酒
・
真澄 茅色
・
北光正宗 特別純米 2019BY
◎芋常圧
・黒霧島 (GI認定されている薩摩のものにしたほうが良かったかも)
◎麦常圧
・天の川 (2021年の麦常圧はこれだったのでは?と思うぐらい近い味)
◎米減圧
・鳥飼 (2020年の米減圧は鳥飼という噂)
◎泡盛常圧
・瑞泉 青龍 3年古酒
◎黒糖常圧
・朝日
最後に
テイスティング対策で何より大事なこと。
それは普段日本酒を飲む際に、香りや味わいを意識することです。
なにも毎回毎回テイスティングシートを準備して飲む…とまでする必要はありません。
なんとなくフルーティだな~とか、甘味が強いな~とか。
それで十分。
そしてその記憶をあとから見返せるようにツイッターやインスタに投稿でもしていたら完璧。
それだけでもかなり味や香りに対する感受性が高まるはずです。
(セルレニン耐性酵母や山廃生酛を見分けるだけなら本当にこれで十分)
つまり、普段から日本酒を飲むことがそのまま試験対策につながるということですね。
日本酒ライフをエンジョイしていきましょう!
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