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SAKE DIPLOMA 二次試験対策 ~論述編~

SAKE DIPLOMA試験対策シリーズ。
今回は二次試験の論述編です。
論述試験は日本酒と焼酎に関連したテーマの小論文になります。
早速いきましょう!
(テイスティング編はこちら)


過去の出題テーマ

○2017年
「山廃・生酛の現状と将来の展望について述べよ」
○2018年
「セルレニン耐性酵母について説明し、あなたの意見を述べよ」
○2019年
「美山錦について述べよ」
「村米制度について述べよ」
○2020年
「生産地・奈良県について述べよ」
「球磨焼酎と相性が良い料理を地理的特性を踏まえて述べよ」
○2021年
「本格泡盛と料理との相性について述べよ」
「扁平精米について述べよ」
「貴醸酒の今後の展望について述べよ」
○2022年
「3番の日本酒(山廃純米酒・山田錦)に合う料理とその理由を述べよ」
「岡山で栽培されている雄町について述べよ」
「黒糖焼酎について述べよ」
○2023年
「GI球磨について説明せよ」
「近年の清酒において、特定名称を名乗らないことのメリットとデメリットについて述べよ」
「テイスティング試験で供出された2番目の日本酒に合わせて、お勧めする料理と飲み方、その理由を述べよ」
◯2024年
「泡盛について、料理やペアリングを除く、仕込みの特徴、歴史的背景、花酒も含めて説明せよ」
「スパークリング日本酒について、各製法および、今後の展望も踏まえて述べよ」
「テイスティング試験で供出された「五百万石のアルコール添加」の日本酒に合わせて、お勧めする料理と飲み方について説明せよ」

過去問を見ると、出題テーマはシンプルなものが多く、難易度はそう高くないことがわかります。
一次試験をクリアーしていれば、どの問題もなんとなく解答できるのではないでしょうか。
傾向として、味や料理との相性に絡めやすい問題、酒米関連、地域性(特にGI)を問う問題が出やすい印象です。
(ただし、2021年度は「扁平精米について」というガッツリ技術的な問題が出ました…飲んでてよかった大七)

ちなみに、2022年と2023年の「〇番の日本酒~」という問題は、テイスティング試験で実際に出題された日本酒について問う問題です。
お酒のジャンルを明示せず実際にテイスティングをして回答させる、という2021年以前にはなかった形式であり、ソムリエ協会が試行錯誤しているのが伝わってきますね。
今後、テイスティングが論述試験より前にスケジュールされている場合は、この出題形式もありうることを心の片隅に留めておいたほうが良さそうです。
試験会場ではテイスティングのお酒は論述問題にも絡むから残しておくように、とのアナウンスがあったそうです。


解答のポイント

論述試験における一番のネックは試験時間が20分と短いことです。
問題数は年度により異なりますが、直近の3年は20分で3問、計600文字を書かなければなりません。
(2017年・2018年は1問、2019年・2020年は2問)
正直言って真面目に文章を推敲する時間はなく、文章を書きながら最終的にどう纏めるかを考える必要があります。
そのため、キーワードだけでも覚えておいて、テーマ毎に書く内容をある程度決めておくのが良いでしょう。

具体的な文章の書き方について、一般的な小論文のテクニックにはなりますが、自分が解答をする際に気をつけたことを挙げます。

① 問題文中のキーワードの定義から書き始める
2017年度の問題なら生酛について、2018年度の問題ならセルレニン耐性酵母について。
ちゃんと知っていますよ、ということをアピールしつつ、話のベースを作ります。
ここで全体の1-2割。

② 思いつくキーワードから話を膨らませる
ここはフリートーク。文字数稼ぎです。可能なかぎり③の内容に近づけられるとbetter。
全体の5-7割。

③ 問われていることに対する答えをまとめる
フリートークしっぱなしで内容が散らかっていてはいけないので、きっちりと結論を書きましょう。
2017年度であれば将来の展望について、2018年度であれば自分の意見を。
2019年度の美山錦の問題や、2021年度の扁平精米の問題は結論も何もないので、フリートークのままで終わって良いでしょう。
全体の1-2割。

④ 文字数は最低8割、できれば9割を目指す!
問われている内容とズレたことしか書けなかったとしても、うまく結論につなげれば点数に繋がる可能性は十分あります。少なくとも減点されることはないと思いますので、書き得ですね!


模範解答例

最後に、過去問と自作問題の模範解答を載せておきます。
基本教本の内容をまとめただけなのでよほど変なことは書いてないと思います。
ぜひ参考にしてみてください!

過去問

・2017年度
「山廃・生酛の現状と将来の展望について述べよ」

山廃・生酛は醸造用乳酸を添加せずに乳酸菌を増殖させる酵母培養法である。速醸系酵母と比べ、様々な微生物が関与するため、技術や手間暇を要する。一般に濃醇かつ味わい深い酒を生むとされる。現在の酒母のシェアは速醸系が約90%、山廃が約9%、生酛が約1%といわれ、生酛系酵母の割合は決して多くないが、その特徴のある味わいを求めて、生酛系酵母に取り組む蔵が目立ってきており、今後増加していくと考えられる。(190文字)

・2018年度
「セルレニン耐性酵母について説明し、あなたの意見を述べよ」

セルレニン耐性酵母は、従来の酵母と比較してカプロン酸エチルの生成量が多いことを特徴とした酵母である。代表的なものとして「アルプス酵母」が挙げられる。1990年代中期に全国に急速に広まった。カプロン酸エチルは吟醸香の成分の1つで、熟れたリンゴ様の香りをもつ。そのためセルレニン耐性酵母を使用した日本酒はフルーティな香りを持つことが多く、普段日本酒を飲まない消費者が日本酒を手に取るきっかけとなる可能性がある。(200文字)

・2019年度
「美山錦について200字以内で述べよ」

美山錦は1978年に長野県農事試験場にて「たかね錦」の種籾にガンマ線を照射して生み出された突然変異種である。醸造用玄米の中では「山田錦」「五百万石」に次ぐ生産量である。大粒で心白発現率が良い。美山錦は耐冷性があるため主に東日本へと広がり、長野県の他、山形、秋田、福島、宮城などが主な産地となった。「出羽燦々」「越の雫」「秋の精」の親株になっている。(171文字)

「村米制度について200字以内で述べよ」
村米制度とは、山田錦の故郷である兵庫県において、特定の酒造家と特定の集落(村よりも小さい単位)が直接契約し酒米を栽培する制度である。一部は現在も継続されている。農家は酒造家が好む酒米を生産するために品質向上の努力を重ね、集落内はもちろん、集落間での競争を生んだ。そうして、土壌や地形をはじめとするテロワールから栽培適地が見極められ、集落ごとの格付けも行われた。(180文字)

・2020年度
「生産地・奈良県について述べよ」

奈良県は日本酒発祥の地であり、日本酒にまつわる古跡が数多く残っている。奈良時代には造酒司があり、当時の酒造りの中心であった。室町時代には菩提山正暦寺にて酒造りの研究が行われ、菩提酛が開発された。菩提酛とはそやし水と呼ばれる乳酸酸性水を使用し、酒母を作る製法である。明治になって速醸酛に取って代わられてしまったが、現代になり菩提酛が再現された。酒造好適米の中では「露葉風」の生産量が多い。(194文字)

「球磨焼酎と相性が良い料理を地理的特性を踏まえて述べよ」
球磨焼酎は米麹及び球磨川の伏流水である地下水を用い、球磨郡または人吉市で製造された単式蒸留の米焼酎である。「球磨」は地理的表示に指定されている。熊本県の特産である赤身の馬刺しの風味と、それに添えられた甘口醤油に、米由来の香りやフーゼル油の香りがある常圧蒸留の焼酎が合う。また熊本県の天草地方はコハダの産地である。コハダの握り寿司などの爽やかな酸味や香りは、減圧蒸留の球磨焼酎と相性が良い。(194文字)

・2021年度
「本格泡盛と料理との相性について述べよ」

泡盛は、黒麹菌を用いた米麹と水飲みを原料として一度に仕込む全麹仕込みを特徴とする、沖縄県の伝統的な焼酎である。タイ米を用いて造られる泡盛には4VGという成分がある。新酒では4VGは丁子のようなスパイス香として感じ、山羊汁の動物的な香りや、ラフテー、ソーキなどと合う。古酒ではバニラ様の香りとなり、島豆腐を発酵・熟成された豆腐ようのナッツやカマンベールチーズのような香りとよく合う。(186文字)

「扁平精米について述べよ」
扁平精米とは、どの部分も米の表面から等しい厚さに削り取る精米方法である。等厚精米とも呼ばれる。他の精米方法と比較し、タンパク質などの不要成分の除去効率が高いことが特徴である。扁平度合を高めた「超扁平精米」を開発した蔵もある。一方、扁平精米では原型精米と比較し3倍の時間がかかると言われており、精米スケジュールや電気代など費用の調整が必要となる。また、砕米の発生率や胚芽の残存率の高さなどの課題もある。(200文字)

「貴醸酒の今後の展望について述べよ」
貴醸酒は、留添の仕込みの時に、汲水の水を減らし、その分に相当する量の日本酒を添加し発酵させることで造られる日本酒である。付加価値の高い日本酒を開発する目的で造られた。日本酒度がマイナス40ほどと非常に甘味が強く、リンゴ酸を主体とした爽やかな酸味があることが特徴である。フォアグラのテリーヌなど洋食との相性が良い。普段日本酒を飲まない層にも受け入れられる可能性があり、今後発展していくと思われる。(196文字)

・2022年度
「3番の日本酒(山廃純米酒・山田錦)と合う料理とその理由を述べよ」

(出題されたお酒の具体的な味が分からないため、一般論を述べる形の解答にしています)
山廃は醸造用乳酸を添加せずに乳酸菌を増殖させる酵母培養法である。ヨーグルトやサワークリームなどの乳製品の香りが特徴的で、濃醇かつ味わい深い酒を生むとされ、鮭の幽庵焼きや甘鯛の若狭焼、鯵の干物などの旨味がしっかりした料理とよく合う。熟成されているものであれば、茸、スパイス、ナッツなどの香りがあり、煮穴子の握り、うなぎの蒲焼、真鯛の兜煮、もつ煮など、より風味の強い料理との相性が良い。(191文字)

「岡山で栽培されている雄町について述べよ」
雄町は酒造好適米の中で最も歴史のある品種である。1866年に選出され、当初は二本草と名付けられたが、育成地である「雄町」の地名で呼ばれるようになった。雄町は収穫量が低く戦時中に生産量が激減したが、岡山県の蔵元の働きかけにより生産量が回復した。岡山県は日照時間が長く、晩生品種である雄町の栽培に向き、9割以上が岡山県で生産されている。赤磐郡部で作られたものは質が高く、「赤磐雄町」とブランド名になっている。(199文字)

「黒糖焼酎について述べよ」
黒糖焼酎は黒糖を主原料とした焼酎で、奄美群島でのみで造られる焼酎である。奄美群島ではサトウキビの栽培が盛んで、黒糖は貴重な経済物資だったが、第二次世界大戦後に黒糖が出荷できなくなり、黒糖から作った焼酎を造るようになった。黒糖に由来する甘い香り、かすかな酸やココナッツのような香りが特徴である。うなぎの蒲焼やブリの照焼など、濃口醤油、味醂、砂糖を用いる料理との相性が良い。(185文字)

・2023年度
「GI球磨について説明せよ」
「近年の清酒において、特定名称を名乗らないことのメリットとデメリットについて述べよ」
「テイスティング試験で供出された2番目の日本酒に合わせて、お勧めする料理と飲み方、その理由を述べよ」
公式が解答例を出してくれたので割愛

・2024年
「泡盛について、料理やペアリングを除く、仕込みの特徴、歴史的背景、花酒も含めて説明せよ」
「スパークリング日本酒について、各製法および、今後の展望も踏まえて述べよ」
「テイスティング試験で供出された「五百万石のアルコール添加」の日本酒に合わせて、お勧めする料理と飲み方について説明せよ」
公式が解答例を出してくれたので割愛、スパークリング日本酒については自作問題に類題あり)


自作問題

・酒米関連
「酒造に適した米はどのようなものか」

国立醸造試験所の研究により「酒造好適米」の概念が確立した。その要件として、①精米中に砕けにくいこと②米粒が大きいこと③心白があること④タンパク質が少ないこと⑤軟質米であることなどが挙げられる。酒造好適米は都道府県ごとに栽培が奨励されている品種が決まっている。酒造好適米の生産量が多い都道府県は、兵庫県、新潟県、長野県、岡山県、秋田県、富山県、広島県、福井県、山形県、北海道などである。(192文字)

「山田錦について」
1923年、兵庫県立農事試験場にて、山田穂と短稈渡船の交配により誕生し、1936年に命名された。山田錦の生産量は酒造好適米の中で1番多い。良質の麹が作りやすく、高精米にも向き、奥行きのある豊潤な味わいの酒を生み出しやすいため、造り手に人気がある。晩生品種である。全国総生産量の70%を兵庫県が占めるものの、西日本を中心に2府31県で栽培されている。村米制度などにより普及した歴史がある。(184文字)

「五百万石について」
1938年に新潟県農事試験場で菊水と新200号との交配により生み出された。寒冷地向けに開発された早生品種で、大粒で心白がある。やや硬く溶けにくい米質が特徴の一つであり、その結果、端麗で爽やかな味わいとなる傾向がある。酒造好適米の品種の中で、2番目に生産量が多い。全国総生産量の50%程度を新潟が占め、その他富山、福井、石川などの北陸地方でも生産されている。(168文字)

「雄町について」
現在栽培されている酒造好適米の中で最も歴史のある品種である。山田錦や五百万石など、雄町誕生後に開発された品種には雄町を先祖とするものが多い。晩生品種である。1866年に選出された。当初は二本草と名付けられたが、育成地である「雄町」の地名で呼ばれるようになった。雄町は収穫量が低く戦時中に生産量が激減したが、岡山県の蔵元の働きかけにより、現在生産量が回復している。主要産地は岡山県である。(190文字)

・日本酒全般
(味わいやペアリングと関係しそうなところを重点的に)
「日本酒と料理の相性について」
日本酒と和食の相性は、醤油などの濃い味わいや塩味を日本酒で和らげる、あるいは濃い味わいで酒がすすむ、という考えが一般的である。一方でワインと料理の相性においては、お互いの味わいを引き立たせる、いわゆる「マリアージュ」が重視されることが多い。2013年には「和食」がユネスコ無形文化遺産に登録され、日本酒の海外輸出量が増加しており、今後の日本酒の発展のためには「マリアージュ」の観点も持つ必要がある。(196文字)

「冷酒について」
日本酒はある程度まで冷やすことで、感覚的な甘味度合いが下がり、リンゴ酸などの酸味をよりフレッシュに感じるようになる。そのため大吟醸酒や吟醸酒、生酒タイプに有効である。しかし、氷温に近づくにつれてアルコールの粘着性が高まり、甘味度合いが増す。また、芳香性は温度が低くなるほど希薄となるため、冷やし過ぎも禁物である。吟醸酒タイプでは8-12℃、生酒タイプでは6-8℃を目安とする。(182文字)

「熱燗について」
日本酒は温度を上げると甘味度合いが上がり、雑味とも捉えられうる苦味がマスキングされる。味わいをよりふくよかでまろやかにしながら、旨味や苦味、酸味とのバランスのよさを目的とした場合には45℃前後が理想温度である。アミノ酸量が少なく苦味がマイルドな酒であれば、もう少し低い40℃前後が適温である。42~45℃を超えると、温度が上がるほど甘味度合いが弱くなり、同時に苦味が強くなり始めるため、バランスに注意する。(197文字)

「吟醸酒について」
吟醸酒という概念が確立したのは1927年である。「吟醸とは改めて言うまでもなく「吟味し醸造する」ということで、とりもなおさず、原料を精選し、最善の努力と技工の極みによって醸造せられた清酒が吟醸酒である」としている。明治時代に醸造家三浦仙三郎が開発した長期低温仕込みが基礎になっている。酢酸イソアミルやカプロン酸エチルなどの成分を多く含み、吟醸香と呼ばれる華やかな香りをもつことが特徴である。(192文字)

「セルレニン耐性酵母と料理との相性ついて」
セルレニン耐性酵母は、従来の酵母と比較してカプロン酸エチルの生成量が多いことを特徴とした酵母である。カプロン酸エチルは吟醸香の成分の1つで、リンゴ様の香りをもつ。その他の香りと複合的に感じることで他の果実香としても感じられ、セルレニン耐性酵母で醸された日本酒は華やかでフルーティなものが多い。フレッシュチーズを用いたカプレーゼや生ハムメロン、スモークサーモン、サーモンのタルタルなどと相性が良い。(198文字)

「火入れと生酒について」
火入れは、味わいを損ねないよう60-65℃程度の温度で一定時間、酒を加熱することである。酒に残った酵母の働きを止め、酒を「火落ち」と呼ばれる乳酸菌汚染に導く「火落ち菌」を死滅させるために行われる。「蛇管式」「プレート式」「パストライザーウォーマー」などの火入れ方法がある。近年、流通環境の発達により、火入れを一切行わない生酒が流通するようになり、搾りたての華やかな香味を消費者が楽しめるようになった。(196文字)

「熟成古酒について」
熟成酒とは、貯蔵方法を工夫し意図的に長い期間貯蔵することで、新酒にはない味わいを持った日本酒である。5年以上貯蔵した日本酒は秘蔵酒と呼ばれることがある。日本酒を長期間貯蔵すると、メイラード反応におり少しずつ色調が山吹色や琥珀色に変化する。香りはカラメルやはちみつ、木の実やスパイスなど複雑な香りに変化する。味は口当たりが滑らかになるが、苦味成分が増加し、コクやボリューム感が広がるようになる。(196文字)

「貴醸酒について」
付加価値の高い日本酒を開発する目的で、旧国税庁醸造試験所によって開発された。留添の仕込みのときに、汲み水の水を減らし、その分に相当する量の日本酒を添加し発酵させる方法である。味わいの特徴として、日本酒度がマイナス40ほどと非常に甘い。また、酸の組成はリンゴ酸が多く、さっぱりとした酸味がある。1年以上の熟成を経ると品質が良くなることが多い。(169文字)

「スパークリング日本酒について」
スパークリング日本酒の製法は主に、①活性清酒(火入れをしていないにごり酒)、②上槽後、瓶内やタンク内で発酵を継続させ、炭酸ガスを溶け込ませたもの、③炭酸ガスを吹き込み瓶詰めされたもの、の3つである。②についてはスパークリングワインの製法になぞらえて「瓶内二次発酵」と称されることが多い。近年、フルーティで低アルコールタイプ、特に甘酸っぱく口当たりの良い品質設計のものが人気となっている。(193文字)

「アルコール添加の効果について」
アルコール添加は江戸時代から行われてきた技術である。適度なアルコール添加は、香りが高く、スッキリとした味になるとされている。また、日本酒の香味を劣化させる火落ち菌の増殖を防止する効果がある。一般的には上槽の3日前から前日、あるいは直前に実施されることが多い。特定名称酒に使用できる醸造アルコールの重量は白米重量の10%以下に制限されている。添加のタイミングや量は杜氏の技の一つである。(190文字)

「杜氏について」
杜氏とは日本酒における醸造責任者で、酒造りのトップ技術者のことを言う。杜氏の下には副リーダーである「頭」、麹造りの責任者「麹屋」、酒母造りの責任者「酛屋」、蒸米担当の「釜屋」、醪の搾り担当の「船頭」などの蔵人がおり、杜氏はそれぞれをまとめるチームリーダである。杜氏には全国に様々な流派があり、兵庫県の丹波杜氏、岩手県の南部杜氏、新潟県の越後杜氏を3大杜氏と呼ぶ。(179文字)

「灘と伏見の水について説明せよ」
灘の水が酒造りに向いていることは江戸時代の後期から知られ、宮水と呼ばれていた。宮水は硬水であり、醸造に有用なカリウム、リン、カリウム、クロールなどを豊富に含んでいる一方で鉄分が極めて少ないことが特徴である。灘の酒は酸がきいてキレがよく、辛口酒が多いことから男酒とも呼ばれた。伏見の水は御神水と呼ばれ、灘の宮水よりも柔らかい中硬水である。伏見の酒なめらかできめ細かいことから、女酒とも呼ばれる。(196文字)

・都道府県関連
「山形県について」

山形県は吟醸王国とも呼ばれ、酒造生産量における吟醸酒の比率が高く、酒質の評価も高い。また、山形県では古くから酒米の研究が盛んである。明治中期には米の3大品種の一つと呼ばれる「亀の尾」を生み出した。その他にも「出羽燦々」「雪女神」「酒未来」など、新開発の酒米は枚挙にいとまがない。2016年には地理的表示「山形」が都道府県単位で初めて指定された。酒米は自給自足タイプ。(179文字)

「青森県について」
青森県は白神山地の湧き水など、上質な清水が豊富な地であり、その美しい水を思わせるクリアな酒質の酒も多い。明治期には純粋酵母醸法や四季醸造が始まった。独自の酵母や酒造好適米の開発にも力を入れている。酵母は花酵母、吟酵母、醇酵母、芳酵母の4種類からなる「まほろば花酵母」シリーズ、酒米は純米酒向きの「花吹雪」、吟醸酒向きの「花想い」などがある。酒米は自給自足タイプ。(181文字)

「宮城県について」
宮城県は「みやぎ・純米酒の県」を宣言している県である。1986年に宮城県産ササニシキ100%の純米酒造りを通して、いい酒、うまい酒造りに務めると発表した。2007年には活動の継続報告として、「これからもみやぎ・純米酒の県」を宣言している。その活動は見事に実を結び、宮城県の特定名称酒比率は約96%と全国1位である。宮城のオリジナル品種には「蔵の華」がある。酒米は自給自足タイプ。(178文字)

「秋田県について」
秋田県は全国でも1,2位を争う日本酒消費量を誇り、生産量も全国5位である。「美酒王国」を名乗っている。「秋田酒こまち」を始めとする酒米を開発している。また、県立の醸造試験場を持ち、秋田県開発の「秋田流花酵母AK-1」がきょうかい1501号酵母として頒布されるなど、酵母や麹の開発も進んだ酒造技術先進県である。県内の蔵元から6号酵母が分離された歴史もある。酒米は自給自足タイプ。(180文字)

「福島県について」
福島県の酒は近年めざましく酒質が向上し、全国新酒鑑評会での金賞受賞数が2012年から2017年まで6年連続で日本一である。福島の酒造りの中心は会津であり、16世紀に始まった。明治後期には、嘉儀金一郎が「山廃仕込み」を考案し、同地域の酒蔵において試験醸造を行い、山廃造りを確立した。オリジナル酵母である「うつくしま夢酵母」や、酒造好適米「夢の香」など、開発も盛んである。酒米は移入依存タイプ。(188文字)

「栃木県について」
栃木県には利根川、那珂川、久慈川などの一級河川がある。それらの伏流水の水量は豊富で、適度なミネラル分を含み、酒造りに向いた酒質である。近年、酒蔵技術向上を目的とした下野杜氏制度が発足し、技術交流や首都圏でのイベント等、精力的に活動している。栃木県独自の酒米として、掛米に好適な「とちぎ酒14」、高度精白が可能な大吟醸酒向けの「夢ささら」がある。酒米移入タイプ。(179文字)

「長野県について」
長野県は飛騨山脈、木曽山脈、赤石山脈を擁し、湧き水が極めて豊かである。その名水で育てる酒米の品質は高く、長野県で開発された「美山錦」は他県でも評価が高い。また、酒蔵技術も高い。1946年に諏訪の酒蔵から分離された「きょうかい7号酵母」は、爽やかな吟醸香と品の良い味わいがあり、全国新酒鑑評会において数年間上位を独占した。近年、香り高い「アルプス酵母」を開発し、新酒鑑評会を席巻した。(188文字)

「新潟県について」
淡麗辛口の酒質を打ち出し、平成の吟醸酒ブームの立役者となったのが新潟県である。新潟県が開発した「五百万石」はスッキリとした軽い味わいに仕上がりやすいことが特徴であり、淡麗辛口酒誕生のきっかけとなった。一方、近年は淡麗辛口だけではなく、飲みごたえのある純米酒や、インパクトのある無濾過生原酒などの味わいも増えてきている。日本酒生産量は全国第3位。酒米は自給自足タイプ。 (183文字)

「富山県について」
富山県は標高3000m級の山々に囲まれ、良質な雪解け水が豊富である。河川の斜度が急で、雪解け水の土岩中有滞在時間が短いため、軟水が特徴である。水の良さが良質な米を生み、南砺産「五百万石」はブランド酒米となっている。また、水や米に加えて冬場の寒気もあり、酒造りには好環境である。独自の酒米として、吟醸酒向けに開発された「雄山錦」がある。酒米は移出超過タイプ。海の幸が豊富で、魚介と合うタイプの酒が多い。(196文字)

「石川県について」
石川県は太閤秀吉が花見で飲んだという「加賀の菊酒」を造ったとされる、古くからの酒どころである。江戸時代後期には能登杜氏が誕生し、現代では三大杜氏に続く杜氏流派として認識されている。金沢で分離された「金沢酵母」は、きれいな酸味と滑らかな口当たりが特徴で、きょうかい14号酵母として頒布されている。山廃造りに力を入れている酒蔵が多く、しっかりした酸味や旨味のある酒質にも定評がある。酒米輸入依存タイプ。(198文字)

「静岡県について」
静岡県の酒の特徴は、酢酸イソアミル系の香りと低い酸、きれいで滑らかな吟醸酒である。県開発酵母の先駆けである静岡酵母と軟水による吟醸仕込みからくる味わいである。1986年には全国新酒鑑評会で金賞受賞数が全国1位となり、吟醸王国静岡と呼ばれた。酒米では「誉富士」を開発した。県内ほとんどの酒蔵で「誉富士」の酒造りを行っており、静岡統一ブランドとして力を入れている。酒米自給自足タイプ。(187文字)

「愛知県について」
酒造りの歴史は古く、古事記、日本書紀に熱田で酒が造られた記録が残っている。織田信長の時代に酒造りが発展。気候の良い知多半島が主な酒蔵地だった。知多半島は海運もよく、愛知の酒は江戸で飲まれるようになり、「鬼ころし」の愛称で親しまれた。知多半島は醸造半島とも呼ばれた。明治時代、江田鎌次郎が常滑の酒蔵と協力し速醸酛を開発した。純米酒に向く「若水」、吟醸酒に向く「夢吟香」などの酒米がある。酒米移入タイプ。(200文字)

「京都府について」
京都は歴史的に長い期間、全国最大の酒消費地であり、酒造りも盛んだった。9世紀には「造酒司」という酒造を司る役目が設けられた。15世紀には洛中に350軒の造り酒屋があった。明治以降、醸造技術と流通の革新により、伏見の酒は飛躍的に生産量を伸ばし、現在も日本酒生産量2位である。京都で開発された酒米に「祝」がある。軟水の仕込み水が多く、口当たりがよく柔らかい酒質が特徴で、女酒とも呼ばれる。酒米移入依存タイプ。(199文字)

「兵庫県について」
酒米の王と呼ばれる「山田錦」の発祥地であり、日本一の日本酒生産量を誇る県である。寒造り、生酛造りなど、近年の革新的酒造技術の開発をリードしてきた実績もある。19世紀には灘の宮水が見つかり酒造りは隆盛、「灘の男酒」と呼ばれた。きょうかい1号酵母が分離されたのも灘の酒蔵からである。硬水を用いた生酛造りに代表されるように、飲みごたえのある旨辛口の酒質が特徴的である。酒米自給移出タイプ。(194文字)

「岡山県について」
江戸時代末期、岸本甚造により「雄町」が発見された地が岡山県である。「晴れの国」とも呼ばれ、日照時間が長く温暖な気候である。晩生品種である雄町の栽培に向いおり、雄町の生産量の9割を岡山県が占めている。中でも赤磐郡部で作られる雄町は「赤磐雄町」と呼ばれブランド化している。岡山県の水系は灘の宮水同様硬度が高いものが多く、灘の酒造技術が酒造りの基礎となっている。酒米は「移出超過タイプ」。(191文字)

「広島県について」
広島県が日本酒醸造の近代史に及ぼした影響は大きい。明治期には天才醸造家・三浦仙三郎が、広島の軟水に合う健全で酵素力の強い麹造り、低音長期醪による醸造法を確立し、この技術が吟醸造りのベースとなった。大正時代にはきょうかい3,4,5号酵母が広島県の酒蔵から採取された。その他、高温糖化酛を開発したのも広島の酒蔵である。また、広島県には酒類総合研究所がある。独自の酒米には「八反」「八反錦1号」「千本錦」がある。(199文字)

「山口県について」
山口県は10年以上、清酒生産量が連続増加している国内唯一の県である。特定名称酒の生産比率が2位と高い。また、全国的には酒蔵は減少傾向にある一方、山口県は近年製造を再開した酒蔵が複数あり、酒造りに勢いがある。また、「やまぐち桜酵母」「やまぐち山廃酵母」「山口9H酵母」「山口9E酵母」などのオリジナル酵母や、新品種である「西都の雫」など、技術開発も行われている。「酒米移入タイプ」。(187文字)

「高知県について」
高知県は古くから酒の国であり、土佐日記には「童まで酔っ払って」との記載があるほどである。皿鉢料理を囲んで酒宴を楽しむ文化があり、特産であるカツオのたたきなどに合うような、キレの良いドライな辛口酒が多い。近年、高知県で開発された高カプロン酸エチル生成酵母であるCEL酵母を用いた甘口酒も人気を博している。県が開発した酒米には「吟の夢」「風鳴子」「土佐麗」などがある。「酒米移入タイプ」。(190文字)

「福岡県について」
九州は焼酎文化圏であるが、福岡は日本酒の生産量も多く、焼酎と日本酒の二刀流の県である。清酒免許場数は全国4位である。西南戦争を契機に日本酒作りが盛んとなった。米作りも行われ、糸島産「山田錦」はブランド米になっている。県独自の酒米に「夢一献」「吟のさと」がある。リンゴ酸高生産酵母の「ふくおか夢酵母」というオリジナル酵母があり、爽快感や後味のさっぱりした風味が特徴。「酒米自給自足タイプ」。(194文字)

・焼酎関連
「芋焼酎について」

甘藷を主原料にした焼酎で、伝統的には鹿児島県、宮崎県、伊豆諸島で作られてきた。麹は米で作られることが多いが、近年、麹も甘藷で作った製品もある。製麹には白麹菌を用いることが多い。代表的な甘藷の品種はコガネセンガンで、甘みとコクのある甘藷焼酎らしい香味となる。常圧蒸留による薩摩焼酎はフーゼル油由来の風味があり、豚骨の煮込みや豚肉のしゃぶしゃぶなど、穀物を食べて育つ豚肉の風味とよく合う。(192文字)

「麦焼酎について」
大麦を主原料とした焼酎で、長崎県壱岐島や大分県で生産されている。麹の原料には壱岐島では米を、大分では麦を使用する。壱岐はむぎ焼酎発祥の地とされ、麦を常食する習慣があったため、年貢から除外されていた大麦を用いて江戸時代後半から自家用の焼酎が作られていたと考えられている。麦特有の香ばしい香りが、味噌仕立ての鶏鍋や鳥の唐揚げなどとよく合う。また、貝が持つヨード香を上品に引き立て、焼き牡蠣などとも合う。(199文字)

「泡盛について」
沖縄県の伝統的な焼酎で、黒麹菌を用いた米麹と水のみを原料として、全麹仕込みで作られる。原料米は主にタイ米が使用される。マツタケ様ともいわれる特有の香りを持つ。古酒を珍重する文化があり、戦前の沖縄県には100年を超えるような古酒が家庭で代々受け継がれ、大切なもてなしに使われていた。古酒には熟成した旨味をもつ豆腐ようが合う。また山羊汁やラフテー、エーグァのマース煮などは新酒とよく合う。(190文字)

「そば焼酎について」
そば焼酎はそばの実を主原料とした焼酎で、1973年に宮崎県高千穂地方で開発された。麹は米や麦が使われることが多いが、そばを用いたそば100%のそば焼酎も造られている。そばの実は殻を除いて粒状の挽き割りにし、蒸して用いる。蕎麦の香りを活かしつつ、飲みやすい酒質にするため、減圧蒸留されることが多い。(142文字, 教本に料理との相性に関する記載なし)


長くなりましたが、以上になります!
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
テイスティングと比べて配点の比率は高くないという噂もあるので、リラックスして試験に臨んでいただければと思います。


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コメント

非常に助かりました。

2022年度sake diploma受験予定の者です。
2日後が2次試験という時にこのブログを見つけることができ、非常に嬉しく思います。
詳細かつ多岐にわたるテーマの自作解答例を公開して頂き、誠にありがとうございます。
こちらを参考に、合格を目指して勉強を進めていこうと思います。

改めて、誠にありがとうございます。

Re: 非常に助かりました。

>こくがんさん

コメントありがとうございます!
少しでも参考になったのであれば記事を書いた甲斐がありました。
合格できるようお祈りしております!

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えすにっく

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名古屋の酒飲み
JSA認定SAKE DIPLOMA(2021年取得)
ワインエキスパート(2024年取得)
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