子宮頸(けい)がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの定期接種を巡り、国と自治体が女子生徒らに接種を呼びかける中で、接種に疑義を唱える講師の市民集会を自治体が後援し、波紋を広げている。神奈川県海老名市では地元医師会が「行政が集会の後ろ盾となったことでワクチンは危ないというメッセージが伝わり、接種を控える動きが出始めた」と抗議し、同市教育委員会が21日に後援取り消しを決定。伊勢原市でも同様の事態があり、今月半ばに後援を取り消した。(阿部博行)
海老名市の集会は市民団体と地元企業が共催して「HPVワクチン研修会」の名称で11月23日に開催する。民間団体「薬害オンブズパースン会議」の副代表と、国と製薬会社に損害賠償を求めた「HPVワクチン薬害九州訴訟」の原告団代表が講師を務める。2人ともワクチンの安全性に疑義を唱え、国の接種勧奨に反対の立場を取ってきた。
市教委は今月8日に小中学校の保護者向けのLINEで「海老名市教育委員会で後援しております『子宮頸がんワクチン研修会』についてご案内をいたします」として集会のチラシと参加申し込み用のURLを配信。これ以降、市内の小児科医に「HPVワクチンは危ないんじゃないか」「子どもは接種したが大丈夫ですか」「接種を控えたい」といった声が寄せられているという。
◆担当課に相談せず
海老名市教委によると、集会の主催者は後援を受けた実績のある市民団体で「ワクチン接種について広く知識を得て自分で考えて判断する勉強会」との趣旨で後援を申請。担当者は書類審査で講師がどういう立場の人か把握せず、予防接種を担当する市保健福祉部こども育成課にも相談せずに今月2日に後援を承認していた。
市教委は承認審査に甘さがあり、後援に関する要綱に定めた「教育行政の中立性が損なわれないもの」「後援を行...
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