【レポ】映画『ひゃくえむ。』ティーチイン上映会~"ロトスコープ"を語る~
岩井澤監督「野崎くんがやるトガシがトガシだから」
生の役者の芝居が下地となって声の演技へ繋がることをバトンリレーみたいな感じと言っていた監督。映画『ひゃくえむ。』の醍醐味とも言えるロトスコープについて。
#ひゃくえむ観戦
2025.10.23(木)18:30~
渋谷シネクイント スクリーン1
上映後(20:25頃)に開催。ティーチイン上映第二弾。
登壇(敬称略)
岩井澤健治監督
野崎亨類(トガシ役ロトスコープアクター)
村井崇記(小宮役ロトスコープアクター)
寺田悠輔プロデューサー
司会:川崎さん(ポニーキャニオンの方)
※メモ書きをもとに私の受け取った形、私の解釈で記してありますので全てを鵜呑みにせず。(レポなんてそんなもん)(明らか違う!があればご指摘いただけたら)
↓
ティーチインが始まったら寺田Pが回してくれました。
●舞台挨拶が初めての野崎さん
トガシの声を担当した松坂桃李さんとお会いする機会があり、舞台挨拶初めてなんです…!と伝えたところ「頑張ってね!盛り上げてね!」と激励の言葉をもらったそう。松坂さんに言われたから頑張らなきゃ!と肩に力が入っていて会場の空気が和んだ気がする。
●村井さん「今日は渋谷を熱い夜にしましょう」
(素のおふたりを生で見るのは初めて。野崎さん[トガシ役]が少しワタワタしてる感じで村井さん[小宮役]はどっしりしていたのが、作中のふたり特に小学生編は逆で面白いなと思った。)
●撮影が行われたのは2023年の夏。真夏。
●ロトスコープアクターのオーディションで選ばれたふたり。
●オーディションについての話を振られた野崎さんが自分に振られたと思わず「え!?僕!?監督からじゃないんですか!?」とあたふたしていたら、村井さんが「ハイ整理して整理して~つないでるから大丈夫」と、茶化しとフォローの中間くらいの温度感を出してきて仲良いんだな……と勝手に思いました。
●オーディションについて~野崎さん~
アニメや漫画は好きな方だけど『ひゃくえむ。』は知らなかった。オーディションには作品を知らない状態で参加。トガシ以外にも小宮財津海棠樺木のメインキャラクターは全部演じた。全部の役をやらされたので、「僕まだ(制作側から見てどのキャラっぽいか)定まってないんだ」。手応えはなくオヤオヤ~……と思っていたがトガシ役で合格。それから原作を読んだ。『ひゃくえむ。』はただのスポーツ漫画じゃなくて、魚豊先生の哲学的な文章が多く「何の本だ!?」とわからなかった。冒険をしていたら宝箱を見つけたみたいで震え上がった。そこから僕なりに役を落とし込んでいった。
(原作読んだときの衝撃わかり過ぎて当時の感情を思い出した。いうて今年の4月なんですけど。『チ。-地球の運動について-』が面白かったので魚豊先生の他の作品も読みました。もちろん『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』も。個人的に『ひゃくえむ。』が本当に本当に面白過ぎて「ひゃくえむ。面白過ぎ」botになってました。ただこの面白さは自分で見つけてこその面白さなので、自分で浴びにいって欲しいと思い具体的な面白さは言えず、過去ツイを検索すると「ひゃくえむ。面白過ぎる」としか言えてない。『ひゃくえむ。』面白過ぎます。)
ニュアンスの話故に野崎さんの中でお客さんの反応が薄いと思ったのか「これで大丈夫ですか!?」とまた大きな声を出していて、村井さんに「不安にならないで!あとの方がプレッシャーなるから」と言われていた。仲良~。
野崎「松坂さんから頼まれてるから!」
●オーディションについて~村井さん~
そもそも陸上をやっていた村井さん。(プロフィールの特技には走り高跳びと短距離走、中3のときの成績が載ってます)(村井さんの経歴を知っているお客さんのうなずきに恥ずかしがっていました)。原作を読んでオーディションへ。100m走という陸上の花形競技がアニメになるワクワクがあり、一生懸命やろうと挑んだ。村井さんはほぼ小宮しか演じなかった。高校で再会するシーンで1回だけトガシを演じた。本当は財津をやりたかった。「極上の10秒」を言いたかった。
●オーディションについて~岩井澤監督~
岩井澤「オーディションのポイント…………」
野崎「ききたい……!」←まったりした岩井澤監督の言動に逐一反応していた野崎さん
・日常パートはもちろんお芝居のうまい方にお願いしたい。
・アニメにするから、原作からイメージするキャラクターを一緒に作り上げてくれる人。
→役作りのアイデアを2人からもらうこともあった
→生の役者のみんなと一緒にキャラクターを作っていくところが、ロトスコープで作る意味
・動ける人
→雨の長回しシーンは日常パートじゃないけど2人に陸上経験者(朝原宣治さんなど)と一緒にやってもらった
→スタブロからスタートするシーンは結構走らせた(走らされた2人)
村井さんは衣装合わせのときに小宮役としてあとは何を準備すればいいか監督に聞いたところ、「もうちょっと筋肉つけてください」と返されたそう。
村井「結構肩幅あるけどまだいる!?」
パンプアップに励むも撮影に間に合わなかったシーンが少しある。
なお岩井澤監督は覚えていない様子。
雨の長回しシーンで寺田Pと会ったときには「デカくなりました!?仕上がってますね」と言われた。
村井さんは普段から走っている(←太りたくないから)のもあってめちゃくちゃ走れていた。
トガシが肉離れになってしまうシーンでは、本当に陸上をやっている社会人の方々にモブ役をやって(走って)もらった。その中に村井さんもいる。社会人陸上と負けず劣らずの村井さんに走りに岩井澤監督「速くない!?」と驚き。この撮影のときは雨が降っていた。
野崎さんはキャラデザ総作監の小嶋さんに「亨類マッチョ過ぎ!!」と言われたそう。←どんな状況で言われたのか気になり過ぎる
野崎「え、僕デカいですか……?」(公式プロフィール178cm)
(うなずく客席)
村井「なにこの筋肉トーク?!」
●印象的なシーン~野崎さん~
ひとつはパンフレットに書いてあるので読んでください。←うま過ぎる
それ以外だと公園のシーン。泣き止んだあとのカット、映画では台詞なしだけど原作ではかなりの文量がある。トガシとして最後の撮影だった。
●印象的なシーン~村井さん~
陸上のスタート時の顔の歪みを綺麗に整えずリアルに描いているところ。そこからの最後の笑顔。
●お客さんからの質疑応答
1人目の質問者さんを探すとき
野崎「あの、監督みたいな……」
村井「緑の服の人?」
野崎「みどり?」
村井「緑だよアレ。俺と一緒だもん」
仲良^~
Q,1 おふたりからトガシ/小宮ならこうなのでは、といった演技の提案などはした?
~野崎さん~
監督から”トガシはこうして”などの指示はなく、撮影初日に「野崎くんがやるトガシがトガシだから」と言われた。なお監督はうろ覚えの様子。
野崎「(その感じ)覚えてないですよね?」
村井「野崎変換が入っているのかも」
野崎「入ってへんから」
魚豊先生の原作の言葉に引っ張ってもらった。
~村井さん~
陸上のスタート時のあいさつ1人1人にも物語がある。陸上部時代の村井さん自身は手を挙げていたけど、小宮は何もしないはずだからそれだけ確認した。「頭下げるだけでいいですよね?」「それでお願いします」
文脈忘れてしまったんですけど監督が村井さんの小宮像を褒めてたんだっけな(?)、そのとき野崎さんが自分は?みたいな言動をされてて村井さんに「欲しがんなよ」と言われていました。
Q,2 自分に甘えてしまう、自分に厳しくするにはどうしたら?
~村井さん~
7割許してあげる。集中できるときにしっかりやる。1日1本夜に映画を見るってのをやってる。できなかったからって死ぬわけじゃない。
~野崎さん~
言えるような立場ではないけど、甘えてしまう自分も認める、愛してあげてください。真夏の撮影ですっごく走ってしんどかったけど、体育大出身だから自分を追い込むことに苦は感じない。ネガティブな方だけど大切な人たちの顔を思い浮かべると頑張れる。
Q,3 キャラクターの解釈について
~村井さん~
Q, 小宮が洗った顔を拭くシーン、スポーツ選手らしからぬ優しい手つきだったのは何故?
A, 乙女チックに拭いちゃった。かわいいでしょ。丁寧にやろうと思っていたのと、アニメにするから顔を隠したくなかった。また、小宮は生粋のスポーツマンではなく、一般的なところから高校で強豪校に入学する、そのギャップが出せたらと。何もない真っ白なキャンバスに色が付いて記録……!記録……!になっていく小宮。その純粋さと記録に取り憑かれていく高校~社会人のグラデーション。
~野崎さん~
Q, トガシの目線の違い。なにか区別している?
A, ロトスコープでは映像作品というよりも舞台のように演じて欲しいと言われていた。ただ、身振り手振りを大きくするだけではなく、トガシがそのときどうなるか。トガシの動揺で動きはどうなるのか。天才だけど人なんだよ、ということが伝われば。
Q,4 ロトスコープ撮影は動きの他に音の部分、台詞はどうしていたのか?
~岩井澤監督~
台詞も含めて演じてもらった。アニメになることを想定するよりも、トガシになりきる、小宮になりきる、でやってもらった。この芝居が下地にある。そこからアフレコに繋がる、バトンリレーみたいな感じ。
●おふたりから最後にメッセージ~村井さん~
映画の世界、役者の世界ではこのようなイベントのチケットが即完するのは珍しい。今日を経て『ひゃくえむ。』がまた新たな視点で見てもらえたら。何回でも見て欲しい。SNS僕たち結構見てますんで、今後も『ひゃくえむ。』を愛してください。
●おふたりから最後にメッセージ~野崎さん~
言いたいことは村井さんが全部言ってくれたんですけど、
(横でピースする村井さん)
愛される作品になると思って作っていた。間違いなく役者として成長した、自分にとって核となる作品の1つ。みなさんにとっても人生で核となる作品になれたら。もっともっと愛してもらえたら……!
さいごに写真撮影タイムがあって終了。今後もあるかわかりませんが目線の指示なしカウント5秒の痺れる現場でした。
今回、ロトスコープアクターのおふたりから直接お話を聞く貴重な機会に恵まれて本当に嬉しかったです。本編では高校・社会人の2回しか関わりのないふたりだけど、演じられたおふたりはとても仲睦まじく撮影時のエピソードをもっと聞きたくなりました。文字でのインタビューも沢山読みたいです!また、映画オリジナルキャラクターの尾道や森川がどのように作られていったのかも気になります。映画『ひゃくえむ。』まだまだ見どころがあって何回でも熱く楽しく見ることができます。ぜひこのようなイベントが上映とともに今後も続いてくれたら嬉しいです。今回MCに徹していた寺田Pからもお話聞いてみたいですし。
ティーチイン上映の開催ありがとうございました。