家での性教育は、恥ずかしがらず、淡々と
──学校だけではなく家庭での性教育の必要性もしばしば指摘されますが、子どもとどう性の話をしていいのか戸惑う人も多そうです。
親の世代自身が、子どものときに教わった経験がないですから、どうしていいかわからないところはありますよね。でも、今は性教育についての本などもたくさん出ています。「ママ/パパが子どものときは教わらなかったから、今勉強しているんだよ、あなたは子どものときから教われてラッキーだよ」なんて話をしながら、一緒に学んでいくしかないのかなと思います。
ポイントは、答えにくい質問をされたときなども、絶対にモジモジしたり恥ずかしがったりしないことです。
──つい、笑ってごまかしてしまいそうですが……。
人は話をするとき、言葉だけで意思を伝えているわけではありません。話しているときの表情や態度や声色、すべてがメッセージになります。親が恥ずかしがりながら話していると、「あ、これは恥ずかしがる話なんだな」というメッセージを子どもに送ってしまうことになりますから、そうならないように淡々と、科学的事実を伝えているという態度を示す。
親が子どもにどう伝えるか、親の動揺や不安も十分に踏まえたアドバイスをしてくれる本として、『おうち性教育はじめます』(著者:フクチマミ、村瀬幸浩、KADOKAWA)をぜひお勧めしたいです。例えば、「お父さんとお母さんもセックスしたの?」と聞かれたら、「したよ。あなたがいるんだから当たり前」「大人になって好きな人と一緒に『赤ちゃんが欲しいな』って思ったらするんだよ」とサラリと言う。役者になったつもりで練習するというような具体的な指南まで書いてありますし、大人も、こういう風に教わりたかったなと思うことが色々書かれています。
もちろん、性教育だからといって何もかもあけすけに話す必要はありません。親にもプライバシーはあるんだよ、プライベートなことは聞くこと自体がハラスメントになることもあるからね、と伝えればいいと思います。
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