宮城県知事選でユーチューブ動画氾濫 Xで「虚報」と一緒に拡散中
宮城県知事選(26日投開票)を巡り、動画投稿サイト「ユーチューブ」には告示から2週間で計169件の関連動画が投稿され、再生回数が22日時点で累計950万回に上っている。多くは参政党が事実上支援する無所属新人に関する内容で、X(旧ツイッター)と連動して拡散し続けている。 ■投稿動画、特定候補に偏り ユーザーローカル社の交流サイト(SNS)分析ツール「ソーシャルインサイト」を使って河北新報が調べた。告示日の9日から20日までに投稿されたユーチューブ動画のうち、「宮城県知事選」「宮城知事選」「宮城 知事選」のキーワードを含む動画を抽出した。 22日時点でショート動画を含む計169件のうち、政見放送や報道機関の配信を除く動画は135件。無所属新人で自民党元参院議員の和田政宗氏(51)を好意的に取り上げた関連動画は、本人投稿を除いて97件確認された。 再生回数の多い主な動画タイトルは「宮城県知事選投票率がエグい―参政党神谷代表―和田政宗―現職村井知事―外国人問題」(122万778回)、「和田政宗の応援演説で参政党の梅村みずほが応援演説!宮城が大変なことになっていると話題に!」(72万4239回)など。 再生回数の上位30件のうち20件は1分程度のショート動画で、国政を中心に政治系の話題を取り上げているチャネルからの発信が目立つ。構成は他の動画やSNSの情報、テレビニュースの静止画などの切り貼りでテロップを付け、ナレーションは機械音声を使っている。 6選を目指す無所属現職の村井嘉浩氏(65)と、いずれも無所属新人で、元県議の遊佐美由紀氏(62)、自営業の金山屯氏(85)、元同県角田市職員の伊藤修人氏(33)の関連動画は、陣営や報道機関などが投稿した公式動画に限られた。 ■「宮城県知事選」に言及したXユーザーの政党フォロー傾向は… こうしたユーチューブ上の動画は、Xを介して拡散している。ソーシャルインサイトで河北新報が収集した「宮城県知事選」と記載のある9~22日のX投稿計3万7131件を分析すると、ユーチューブの動画リンクを盛り込んだ投稿は3444件あった。投稿の中には「宮城県はメガソーラー大歓迎」といった虚報も数多く書き込まれていた。 抽出したX投稿者がフォローしている政党公式Xアカウントは表の通り。全体の43・9%が「フォローなし」で、政党別では参政フォロワーが26・6%で最多だった。日本保守党フォロワー10・4%、自民フォロワー5・7%、立憲民主党フォロワー3・1%と続いた。
河北新報