関西の私立4大学(関西、関西学院、同志社、立命館)が21日、新入生を対象にウェブ上で実施している「薬物に関する意識調査」の2025年度の集計結果を公表した。薬物使用に拒否・反対の回答が大半を占めたが、「1回なら」「他人に迷惑をかけないなら」使用を許容する回答が7・6%、入手可能とする回答も7・6%あった。行政や警察も含めて薬物乱用防止策を企画立案する際の参考、社会への警鐘になることが期待される。
4大学が09年度から続けている調査で、17回目の今回は、計2万7895人を対象に4、5月に実施。2万4023人が回答(回答率86・1%)した。
「薬物乱用問題に危機感や不安を感じているか」の設問では「非常に」が32・8%、「ある程度」が35・6%で計68・4%に上った。前回は薬物乱用問題への「関心」を尋ね、「非常に」が5・5%、「ある程度」が30・7%で計36・2%。設問・選択肢が少し異なるが、4大学では「危機感や不安は高まっている」と分析した。
「(有機溶剤、脱法ハーブ、大麻グミなどを含む)薬物を使うことをどう考えるか」では、「どのような理由でも絶対に使うべきではないし許されない」が91・3%(前回比2・2ポイント増)を占めたが、「1回なら心身に害がないので使ってもかまわない」が1・0%(同同じ)、「他人に迷惑をかけなければ使うかどうかは個人の自由」が6・6%(同1・5ポイント減)で、許容する回答も一定数あった。
「薬物の使用や購入を誘われたり、勧められたりすることが過去にあったか」では、「ない」が94・1%(同1・1ポイント増)を占めたが、「購入を勧められた」が0・5%(同同じ)、「使用を誘われた」が0・9%(同0・2ポイント減)、「無理やり使わされた」が0・2%(同同じ)あった。
「周囲に薬物を所持したり、使用している(いた)人がいるか」は、「いない」が89・4%(同0・6ポイント増)、「いる(いた)」が3・3%(同0・1ポイント増)。「いる(いた)」との回答の薬物は大麻が51・3%(同0・8ポイント増)だった。
「薬物入手が可能か」では、「不可能」が80・2%(同41・0ポイント増)と大幅に増え、「かなり難しい」が12・2%(同11・0ポイント減)、「難しいが手に入る」が5・8%(同20・0ポイント減)、「手に入る」が1・8%(同10・0ポイント減)。「難しいが」も含めて「手に入る」と回答した理由(複数選択可)は「SNSやインターネットなどで探せば見つけられると思う」が77・4%(同3・2ポイント減)、「SNSやインターネットなどで販売されているのを見かけた」が14・8%(同5・3ポイント増)、「友人・知人が入手方法を知っていると聞いた」が13・4%(同5・7ポイント増)、「繁華街などで販売されているのを見聞きした」が18・3%(同0・8ポイント減)だった。
4大学では「この結果を基に乱用防止策を企画・立案し、引き続き教育・啓発活動を展開していく」としている。【太田裕之】