透き通るような世界観にいちゃいけないタイプのクリーチャーに成ったけど今日も元気に擬態する   作:食卓の英雄

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待て、評価数の増え方がおかしい。
もう落ち着いた頃だから言っても少し増えて色がつき始めるくらいだと思ってたのにたった1日でめっちゃ増えたんだが。
加えて言うと当時のお気に入り数がほぼ動いてなかったから、お気に入り登録はしてたが、これまで☆10評価してなかった。或いはお気に入り登録はしていないが☆10評価したって人達になるよね。
なんか、こう、ありがとうございます!

あとアンケートですが、まさかこの時点で1500近く集まるとは……。プレッシャーがすごいぜ…。


第33話 信用と信頼と漢気と

 

 カイザーが市街地を攻撃し、辛うじて撃退させたその翌日。

 恐らく、今日には対策委員会が攫われた小鳥遊ホシノを助けに行くことだろう。第3分隊は最後まで付き合うみたいだし、万が一でも文句をつけられない様に彼女達をクビにしておいた。

 

 勿論一時的にね? これが終わったら戻すよ?

 

 とまあ、これで第3分隊…いや、元第3分隊はフリーの生徒。やりたいことをやるだけの無秩序な退学生な訳だ。武装に関しても勝手に持ち去られただけだと言い張ってやろう。

 そんなもので納得する者はいないだろうが、それでもこうして建前上だけでも整えてやってるんだ。カイザーも似たようなことはしてるから突っ込んできたら幹部メンバー2、3人は道連れにしてやるくらいは出来る。

 

 まあしかし、カイザーPMCの武力はかなりのものだ。いくら一人ひとりは分隊員や対策委員会に及ばないとしても、膨大な兵力と兵器の運用が可能だ。

 

 確か中隊規模が複数に、北方には対デカグラマトン大隊まで配備されていた筈。軍用ヘリや戦車、ゴリアテやパワーローダーまである。

 

 ………後者の面子架空兵器過ぎないか?

 

 さて、それらをどう切り抜けるのか見ものと言うか何というか。契約で俺はこれ以上この件に出向くことは出来ないし、後の戦力をどうやって引き込むのやら。

 

 シャーレの権限で招集することも可能だけど、人柄的にありえなさそうなんだよな。

 

 まあ、いい。こういう時、悪は滅びるって相場が決まってるんだ。

 

 さて、話は変わるけど、俺は今、ゲヘナ学園に来ています。

 

 その理由は普通に給食部に預けている部下達への監査とか配備関係やら雇用諸々、実際の感想に改善点、その他環境の聞き取りとかが目的だ。いわゆる、現場視察かな。

 

 人数は増えたものの忙しいことに変わりはなく、また問題児たちのせいで余計な仕事は増えているものの、これまでよりずっと楽になり、味にも凝ることが出来ているとフウカ嬢には感謝された。

 

 まあ、その割には疲れた顔してたけどね。曰く

 

「確かにものすごく助かっているのは事実だけど、普通に考えたらこの規模の人数と流通を動かすのってすごいお金使うわよね? ………怖い!! こんな短期間でここまで出来る人がこれを踏み倒してまでしてほしい協力って何なの!?」

 

 とのこと。

 それに加えて最近は返済のための金を稼ぐためにバイトまでしているみたいだ。

 やっぱり真面目だなと思う。けどその反面、そこまで忙しさが変わってないのは本末転倒ではなかろうか。うちの会社に来たら事実上踏み倒していいのに。

 

「だからそれが怖いんですって!!?」

 

 解せぬ。

 

 と、若干雇用主の過労が目立った気もするが、あれはバイト疲れなので俺の責任ではない。ないったらないのだ。

 

 今ではうちの部下が食料品会社の方に直接コンタクトが取れるから献立の作成もじっくり議論できている様だし、急遽変更という事態もほぼなくなっている。

 

 ほぼ、というのは稀にやってくる美食研究会によってフウカ嬢が拉致されてしまうことがあったりして、統制が取れなくなってしまう時があるのだ。

 応戦のつもりはあるらしいが、やはり調理場で戦うと食品を駄目にする可能性があるため中々難しいとのこと。

 

 そして評判はそこそこくらい。

 

 善良なゲヘナ生や味に不満のあった組からはかなり好評になった一方で、厄介な不良からは味が良いことはいいものの、ならばもっとこの料理も作れ!とか私の好きな味付けじゃない。とか色々と問題は残っているみたいだ。

 料理に関することならまだいいが、あらゆることに難癖をつけるクレーマーもいるので、そこはもうこちらではどうしようもない。

 

 とはいえ、給食部=マズイ。という図式は今や適用されなくなっている、というのが現状だ。

 

 まだまだトラブルはあるだろうし、改善点もある。だからこそ、より一層気をつけて頑張って欲しいものだ。

 

 そんな訳で現場視察も終わり、帰ろうとしたタイミングで、ジュリ嬢に引き留められる。

 

「みなさんに聞いたのですが、リアンさんは料理もとてもお上手だとか…。その、それでなんですけど、私はもっと料理が上手になりたいんです。……その、今日来るって知ったので、料理を作ったんです。もしよければ、味を見てくださいませんか?」

 

 と言われたので、特に差し迫った用事があるわけでもないので承諾する。何より態々作ってくれたのだ。無下にも出来ない。

 若干パンちゃんとかいう不安要素が頭をよぎるものの、こっそりスタッフに聞いてみたらレシピ通りに作ることを全員から何度も言われ、そちらで練習中だそう。なら多分安心かな。

 

 準備が出来るまで、外で銀鏡イオリの足を舐める先生を遠目に見ながら待つことにする。

 いやしかし、イオリはあれでどうするつもりだったのやら。風紀委員長に会う理由として、超法規的組織の主であるシャーレの先生に土下座させて足を舐めさせる。

 張本人が頼み事を聞く理由として上げるならともかく、一部下でしかなく、その判断も仰いでないにも関わらずやらせるのはどうかと思う。

 本人はそのつもりはないだろうけど、それで会うことを拒否されたら、土下座させられ、足を舐めるという屈辱的な行為を行わせたにも関わらずそれを条件として提示した側が反故にする。つまりは言葉に信頼性が無くなるということになってしまうんだけど。

 

 先生がそんな人物ではないと知っているが、以前の襲撃のことから見ても、そこまでの関わりはないだろう。仮にも連邦生徒会が新たに設置した組織の権力者相手に、そのようなことを風紀委員会がしたとなれば最悪外交問題。自分だけでなく風紀委員会や学校にまで話が広がってしまう恐れもある。

 

 ………能力と立場から、多分次代の風紀委員長は彼女なんだろうが、空崎ヒナ委員長と比べるとあまりに直情的で短絡的だ。

 

 正直、組織の長よりも切り込み隊長、つまりは今のポジションが適任なんだろうけど、学校である以上世代交代はある。強さまでとは言わないものの、せめてもう少し考えを巡らせられれば………。

 

 やってきた空崎ヒナが足舐めに声にならない声を上げたその時、ジュリが厨房から現れた。

 

 とびきりの笑顔のままお盆にのってやってきたそれは、何故か腐葉土のような臭いとツンとした刺激臭が生じる蛞蝓の糞みたいな色あいの物体で―――。

 

「……一応、念の為聞いておく。……それは?」

「あ、そ、そうですよね。料理名は確認してから出さないとですよね…。お分かりとは思いますが、パエリアです!」

「パエリア…パエリアね。……パエリアか……」

 

 全っっ然お分かりじゃないが???

 

 何か温度はそこまでじゃないのにコポコポしてるし米らしきものが泳いでるんだが?

 

「ミャー」

 

 鳴いた!今これ鳴いたぞ!?

 

 クソ…!舐めてた…!パンちゃんを思い出した時点で理由をつけて断るべきだった……!

 

 他の面子も異臭に気がついたのか、直ぐに駆け寄ってきてはあまりの光景に言葉を失う。

 

 それも当然だ。フウカにとっては取引先のお偉いさんであり、また怖いとまで言う相手であり、雇われスタッフにとっては親会社の社長であり恩人が、テロじみた料理を出されているのだ。

 

 最早気が気ではない。直接ジュリに伝えるのは憚れるも、もし食べてしまったらということもあって緊張が走る。

 

「あ、あの…遊星オーナー…。わ、わ、私、私がま、まず試食を…」

 

 そして一人、勇敢な子が身代わりになろうと前に出る。が、目は今も音を立てるパエリア?に向けられ、口は引きつり震えている。

 

「……いや、問題ない」

 

 そして、そんな光景を見せられては、リアンも覚悟を決める他ない。

 

「……では、実食させていただく」

「はい、どうぞ」

 

 スプーンを手にとって、ゆっくりと米を掬う。

 色合いは最悪。何故か緑の汁が満ち、悍ましいほどの寒気が止まらない。

 

 じっくりと見ても、やはりパエリアにはとても見えない。

 が、ニコニコと期待するような目でこちらを見るジュリが促す。

 

「……っ!」

 

 一思いに、グイッと匙を口に運ぶ。

 

「「「「!!!」」」」

 

 それを見て、時が止まったかのように場の空気が固まる。

 口に含んだそれを、咀嚼して飲み込むまでの工程を、呼吸すら忘れてじっと見入る。

 

 そして、リアンがそっと匙を戻す。その反応に、この場にいる全ての人間が注目していた。

 

「………フウ」

「あの、オーナー……? 大丈夫ですか……?」

 

 まるで何事もなかったかのように居直るリアンに、思わず声を掛ける社員。

 しかしてその答えは直ぐに帰ってきた。

 

 

「ごばっ」

 

 

「あっ」

「ガッ…!? ごふ…っ、カッ、ハァッ!?? ぐぎっ…!げぇ、ぁ……!!」

 

 無表情のまま、パエリアらしきものを口から吐き出し、痙攣しながら目と口からクリアブルーの液体がごぼごぼとこぼれ落ちていく。

 

「うわぁぁぁぁあああ!!??」

「オーナァァァァッ!!?」

「なんでいったんだオーナー!?」

「いいから拭くものと水を持ってきて!!今すぐ!!」

 

 ドタバタと慌てふためきながら、リアンのために動き出す一同。めまぐるしく行き交う状況にジュリは目を白黒させ、その惨状にフウカは(눈_눈)(例の顔)で遠くを見て動かなくなってしまった。

 

「な、何でこうなっちゃうんですか〜!?」

 

 今日も給食部は平和である。

 

 

 

 

 

 

 アビドス砂漠からPMCの元へ攻め入るアビドス対策委員会達。

 少数で本拠に突撃する形になるので、重要なのは速度と殲滅力だ。

 故に幅を取る装甲車などは置いてきて、歩兵のみでの電撃作戦。

 

 カイザーPMCの群れを突破していくその姿に、迅速に制圧しようと兵力を集中させようと指示を飛ばすカイザー理事。招集する兵の中には、ビナーに対抗するために編成された対デカグラマトン大隊までもが含まれており、仮にそれを纏めてぶつけられてしまえば、いかに強者の多いアビドス、優秀な指揮官である先生であっても苦しい戦いとなることに変わりはない。

 

 しかしここで彼にとって予想外の勢力が現れる。

 

「……はぁ」

『カイザーPMCの増援を発見。一個大隊の規模です。委員長』

「分かった、準備して」

「どうして私もここにいるんだ……」

(イオリはともかく何故私まで…)

「まだ風紀委員の仕事も残ってるし、手早く片付けよう」

 

 ―――ゲヘナ風紀委員会。

 

 その幹部メンバーが(アコは通信だが)援軍として現れたのだ。

 

 これも助けるために足舐めを即断する先生の人柄故である。ゲヘナ最強が率いる戦闘集団。その幹部のみと思えばその戦力の丈も理解できるだろう。

 ここでカイザーPMCは思い知ることになる。最高戦力級の生徒の力と、悉く予想外を繰り出してくる先生の力を。

 

 いかに大隊といえど、空崎ヒナにとっては雑兵の群れ。アリが一生かかっても象の皮膚を貫けないように、そもそもの戦力の差が凄まじいのであった。

 

 そして、結んだ縁は収束する。

 

『あれは……』

「支援砲撃…?」

「……L118、トリニティの牽引式榴弾砲です!一体どうして……」

『あ、あぅ……わ、私です……』

「あっ!ヒフ―――」

『ち、違います!私はヒフミではなくファウストです!』

 

 以前ブラックマーケットで共に銀行強盗を行った仲であるヒフミ―――改め覆面水着団のファウストが、()()としてカイザーPMCに狙いをつけて崩していく。

 

 それらを突破し、ホシノの閉じ込められた座標近くまで辿り着いた一行の目の前に、今動かせる全兵力を引き連れたカイザーPMC理事が現れた。

 

 ホシノの下まであと一歩というタイミングで、無視できない戦力。

 

 実験がすでに始まっているかもしれないという単語から、時は一刻を争う。にも関わらず、こんな所で足止めなどされてはいられない。

 勢いに任せて突破しようにも、包囲網はすでに敷かれており、ここを乗り越えるしかない。

 

 皆が覚悟を決めた瞬間、その敵陣の各所で爆発が起こる。

 

「また爆発!?こ、今度は何ですか?」

 

「じゃ〜ん!やっほ〜☆」

「……」

「お、お邪魔します!」

 

「べ、便利屋の皆さん!?」

 

「……ふん、こっそり助太刀しようと思ったのに、そう上手くはいかなかったわね」

 

 現れたのは便利屋68。

 今は少しでも時間が惜しい彼女たちにとって、その手助けはまさに一筋の光明だった。

 

「あ、あんたたち……!」

「このタイミングに登場、ということは……!」

「……なるほど、そういうことだね」

「…まさか、そういうことか!」

「この流れって、もしかして…」

「……本当に?」

 

 そしてまあ、物語であればこの後の流れがある意味決まっているようなものである。

 

「……ん?何、この期待に満ちた目線は?」

「社長、なんか嫌な予感がするから、まずは状況を整理してから……」

「……。ふふっ、勘だけは鈍ってないようね、対策委員会。私たちがここに来た理由なんて、決まってるでしょう?」

 

 そしてまあ、カッコいいから、ハードボイルドに見えるから、という理由で行動を決めたりするアルには最早一つの言葉しか思い当たらず―――

 

「―――ここは私たちに任せて、先に行きなさい!」

 

 あらゆる創作物において多用される有名な流れ、王道展開のソレである……!それは便利屋として、アウトローとしての矜持と覚悟を示すためのもので………。

 

(言っちゃったああぁぁぁーー!!!!)

 

 そんなことはなかった。

 

 ただ場の雰囲気に流されて言っちゃっただけらしい。

 因みに便利屋68としてはアルが言った通り、バレなければこっそり助太刀し、対策委員会と共に少しずつ削る想定だったことを伝えておく。

 

「うっわー…それは惚れちゃうよ、アルちゃん……」

「さ、流石です!一生ついていきます!アル様!!」

 

 この台詞には便利屋も惚れ直したらしい。土壇場で輝く女、これが陸八魔アルである。

 

「……もうっ。べ、別にお礼は言わないからねっ!!……で、でも、全部終わったら……その時は一緒に、ラーメンでも食べに行くわよ、便利屋!!」

「はい!このご恩は必ず!」

「ん、ありがとう」

 

 対策委員会と先生は、口々に感謝の言葉を述べながら先を急ぐ。が、突然分隊長だった一人が声を上げる。

 

「……よし、私達は残って便利屋と共にカイザーの相手をする!! 特技班は先生の護衛を引き続き行い対策委員会の負担を減らせ!」

「おおっ!」

「…分かった!」

「えっ…!?」

「何であんたらも…!?」

「あの数を便利屋だけに任せるつもりか? 数は多いほうがいい。…我々は元々アビドスの問題とは無関係だ。助けに行ったとき、小鳥遊ホシノも、安心できるのは後輩だろう?」

 

 それは、まあ、分からなくもない。アビドスというごく少数で支え合ってきたからこその絆もあるし。

 何より、シロコとノノミはその問題の根深さから、ホシノの不信感などを知っている。

 

 そこで、反論するのが特技班だ。

 

「そ、それなら私達も同じじゃないですかね…?」

「そうだよな。仲間はずれにさせるつもりかよ元分隊長」

「聞こえなかったのか?お前達は先生の護衛という役割がある。先生を守る負担を対策委員会から取り除くから行く価値はある。………というか、周囲を囲まれた状態で雑兵相手の乱戦では、お前達の真価は発揮し辛いだろう。だから私達が残るのが最善だ。そうだろ?」

 

 それは理解していたのか、誰も口を開けない。

 

「分かっただろう。……別に勝てない相手じゃない。便利屋がやらなければ私達がやるつもりだった。むしろ強力な戦力が増えて私の想定よりも楽に終わりそうだしな。……よし、これ以上は時間を無駄にする。早く先輩を助けてやってあげるといい」

 

 反応を待たずして、分隊長は分隊を引き連れて引き返す。

 彼女率いる分隊は、便利屋に撹乱されながらもこちらを狙う兵士を真っ先に仕留め、カイザーPMCの群れの中へと砂煙を立てながら突入していった。

 

「……あなた達は…」

「便利屋、私達もここに残って相手をすることになった。戦力として期待させてもらうぞ」

「あはは、良かったねアルちゃん。こっちにも救援だよ!」

「そっ、そうね…! 一度敵として戦ったから、実力は分かってるつもりよ。こちらも期待しているわ」

「ああ、よろしく頼む陸八魔社長。……ところで、ここの指揮は誰が?」

「え?……え、ええ。ウチのカヨコ課長だけど…」

「分かった。すまないが全体指揮自体は任せる。前線指揮は私が行ってもいいか?心得はある」

 

 そんな風に、カイザーに暴れまわる便利屋と元第3分隊。

 彼女達に背後を任せた対策委員会は、後ろ髪を引かれる思いで走り去る。

 

「ね、ねえ!あいつら大丈夫なの!?」

「便利屋の皆さんもいるので大丈夫だとは思いますが……ちょっと、借りが大きくなっちゃいますね」

「……でも、やっぱりいきなり別の集団が加わったら、逆に混乱するかも」

「あ、多分そっちは大丈夫だと思うよ」

 

 それぞれの役割を果たすための集団として纏まった二つ。それも戦い方や元々の役割が全く異なる二隊が乱戦の中、別方向から打ち合わせもせず共闘しては、却って危険になる場合もある。

 

 これは傭兵バイトや治安部隊、その他学校自治区でも稀に見られたものだ。それも、人数もその役目も異なるとなれば、実力を発揮できないことはある。

 それを危惧したシロコに、盾の少女の妹(雑談してたら聞いた)が即座に否定する。

 

「……あー、これ言っていいのかな。辞めてたらむしろ情報漏洩とかで……」

「多分大丈夫じゃないか?あたしら…っていうか元々やらかした奴らを態々受け入れる人だし、こいつらに伝えても悪いことはないだろ」

「…じゃあいっかな。…U.B.C.S.(ウチ)って、今は数が少なくて分隊3つの1小隊しかないんだけど、やっぱり初めての隊になるから、そこの分隊長とか副分隊長をやるってなると、しっかり動ける人になるんだよね」

「ん、確かに慣れてた風だった」

「そう。やっぱり組織行動だから、部下とかの運用に慣れてる人が集まってるんだよね。……まあ、みんな学校を退学した奴らだったりするから、傭兵バイトのリーダーやってたり、不良集団をまとめててリーダーシップがある人だったりするんだけど、その中でも第3分隊は特別だよ?」

 

 

 

―――…

 

 

 

「南西の集団を崩すぞ!4人付いてこい!副分隊長と残りは便利屋の撃ち漏らしと死角を守れ!出るぞ!」

「うひゃー、助かるー!」

「ば、爆弾仕掛けます!」

「位置共有宜しくね!」

 

「うぁっ、クソ、何だこいつら!」

「こっちが嫌な場所ばっかり狙いやがって…!」

 

 便利屋と協力した元第3分隊は、その戦力を見て即座にその支援と相手方の流れを崩すことに専念した。

 兵力の穴を埋めるための流れを即座に見抜き、配置される前に叩き潰す。薄い場所は少数で抜け、厄介な兵の背後を取って挟撃。

 

 ハンター小隊の理念に相応しい指揮だが、比較的新しい組織の部隊にも関わらず、その判断は早い。

 

「…ねえ。動きも指揮も明らかに慣れてるんだけど、あの隊長って、元々は何やってたの?」

 

 カヨコが、その動きを見て残った副分隊長に思わず尋ねる。

 

「うん…?前の学校でってこと?」

「うん。言いたくないならいいけど」

 

 それに少し逡巡しつつも、吹っ切れた様に問に答えた。

 

「……あんまり言わないでよ? 元SRTで小隊長やってたんだよね」

「SRT…!! あの連邦生徒会長直属だった……!? それが何で、ブラックマーケットに……」

「廃校になってから、もういいやーって流れてきて、オーナーが人集めてるって知って入ったのが私達だからね。あ、私は副小隊長やってました。……まあ、あんまりパッとしてなかった隊だけどね〜」

 

 機械で出来た猛禽類の嘴の様なマスクをつけている彼女達は、かつてイーグル小隊として活動していたSRT生であった。

 

 廃校後、ヴァルキューレでは自分たちの行う作戦は活かせないと思い、隊員を連れて無法者の町ブラックマーケットへ。

 この中ならば、住人が増えた所で気にもしないだろう、ということで移り、先ずは住居と金を揃えようとしたタイミングで丁度リアンが門戸を開いており、居心地もいいのでそのまま居着いた形である。尚リアンはSRT生であること等知らずに採用していた。

 

 尚、パッとしないとは言っているがその得意分野が直接の制圧などではなく、相手の妨害や急所を作ることに向いている為、小隊だけでは有り難さが分かりづらかっただけだったりするのである。





然りげ無く明かされた元SRTのイーグル小隊小隊長&副小隊長。今は元気に分隊長と副分隊長やってました。因みに3年生です。

対策委員会編終了まで後1話……!もしくは2話くらい?です

先生の台詞にゲーム本編のように「“”」はいる?

  • 先生と一目で分かるからあった方がいい
  • 別にゲームテキストでもないのでなくていい
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