なりたい自分になれる支援
今後、田中さんは、児童養護施設の職員に向けた情報発信や子どもたちのキャリア支援もやっていきたいと考えている。そして、子どもたちのためには、大人の働き方も変わらなければならないと訴える。子どもにしわ寄せがいくのは、大人に余裕がないから。大人の働き方を変えるだけで、パパ、ママたちは子どもに向き合える時間が増えるという。そして、その働き方は、施設の職員にも当てはまる。
「施設の職員さんが何か困った時に答えを見つけられる情報発信の場があれば、子どもたちがなりたい自分になるための支援につながるでしょうし、職員さんたち自身もなりたい自分になれるのではないでしょうか」と田中さんは言う。
また、田中さんは、今の日本は自分から声をあげられる子にしか意見表明の場が与えられていないとも指摘する。誰もが田中さんのように発信力があるわけではないし、うまく自分を表現できる人はむしろ少数派だ。
「みんなひとりひとり感じていることや考えはありますが、その表明の仕方が分からない。結局、自分がどんな人間なのか、どんな考え方を取り入れていきたいか、どんな自分になりたいのかという意見が形成されないと話したり表現したりできないと私は思っています。ですから、この意見形成の支援として、キャリア支援やどういう風に生きたいのかということを考えられるよう、コーチングみたいなことを子どもたちに提供していきたいと考えています」
田中さんの話には、児童養護施設のことに限らず、これからの日本を変えていくためのヒントが詰まっていた。たくましく生きる彼女から発信される言葉に耳を傾け、負の連鎖をなくし、全ての子どもたちが安心して暮らしていける社会にするために何が必要なのかを私たちひとりひとりが、真剣に考えていかなければならないと感じた。
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