透き通るような世界観にいちゃいけないタイプのクリーチャーに成ったけど今日も元気に擬態する 作:食卓の英雄
……ん?ハーメルンの評価ゲージで色がつく順番は【青から緑】、【緑から黄色】【黄色からオレンジ】ときて【赤】。
モンハンの切れ味の逆じゃん!!(どうでもいい発見)
今回ほんの少しだけ時系列が進みます。
序に今回格好いいとこ見せちゃうかもなー、なー!
何だかんだと贈り物に喜び空気も緩んできた。リアンはスカジャンに喜ぶネルに、まだあると言って、とあるものを持ち出す。
「……サて、怪我をさせた詫びとして、医療費全額負担は当然として。……愛銃を破壊した詫びが、こちラだ」
取り出したるは最初から目についていたジュラルミンケース。中から取り出されたのは、今現在ネルが愛用しているツイン・ドラゴンと
基本となる銃身は黒だが、グリップは真っ赤で中央の半透明の素材までメーターが続いている。ネルのツイン・ドラゴンの様な金色のラインが真紅のボディにきらりと輝いている。側面には龍の代わりに先鋭化したクリアピンクの兎のような紋様。
それが二丁、収められていた。
「…それの銘は
「…へぇ、分かってんじゃねぇか」
聞く限りではイロモノ銃。だが、その機構は戦闘に偏ったもの。そしてそれを、このダブルオーが愛用する武器で扱えないはずがないだろうと、目の前のこいつは言っているのだ。
一度自分の距離で敗北した相手に言われては、出来ませんだなんて腑抜けたことは言えやしない。……尤も、そんな弱気などとは無縁なのだが。
「…いいぜ。気に入った。
獰猛な笑みを隠さず、ツンデレなのか良くわからないセリフを吐きながら、ネルはその二丁を手に取った。
その後、ちょっとした世間話や疑問などを交わしつつ、頃合いを見てリアンは真面目な声で語り始める。
「……さて、これで渡すものは渡したが…少し、個人的な要望を済ませてもイイか?アスナに少し問いたいことがあるんだが…」
「何々?私にようなの?ケーキ食べ終わった方が良い?」
口の端にクリームをつけながら返答するアスナのことを少し微笑ましそうに見る。ここで中断するという選択肢が出ないあたり真正のものだろう。何かワンコに見えてきたな…。
「……いや、食べながらで構わない。この画面に写っている株だが……アスナ。君ならばこの内どれをどの程度買う?」
そう言って、端末に表示されたのはキヴォトスにて居を構える数多の株式会社の株だった。
「…何だアレ?」
「株…ですよね?」
「…株って、何か増えたり減ったりして、稼げたり大失敗するって、言われてるあの?」
どんな用事かと気になった三人も覗くが、そういうのは今一分からないため、とりあえず株を買おうとしている。としか判断出来なかった。
「えー、私なら…。うーん、何かいい感じのがこことここと〜…、あ、なんかこれは駄目かな?あ、ここも。これは……どっちだろ。うーんと、……もう、あんまりない、かな?」
「……そうカ」
「んー、良くわかんないけどイイの?」
「…イヤ、十分。……ああ、それとあれ以降不調はないかな」
真剣な顔で媒体に寄せていた顔をふと持ち上げ、興味津々に覗き込むアスナへと尋ねる。最初はまるでわからなかったようだったが、直ぐに思い至りにぱっと笑顔を浮かべる。
「うん!全然問題ないよ!病院もリーダーに連れていってもらって診てもらったけど、早めだったからよかったってさ」
「…ソれは何ヨリ。……ああ、君の分の医療費も負担してオクよ」
そして話が一段落すると見るや、蚊帳の外だった三人が会話に参入する。
「終わったか? 何で株の話でウチに来てんだよ。そういうのはもっと
「……というか、今アスナ先輩の医療費も負担ってことだったけど、いくら何でも、他人にかける程の金額じゃない気が……」
「ええ、確かに。……その、こちらでの出費を賄うために株へ手を出す…ということでは…ないですよね?」
いくら迷惑をかけた側とはいえ、流石に至れり尽くせりで逆に怖くなったらしい。とはいっても、これはリアンの思う被害とキヴォトスにおいて荒事慣れしているC&Cの意見の相違が招いたものだが、それには軽く首を振る。
「……それとハ関係ないから安心しロ。個人的ニ手を出せる程度ノものだ。…それに、いくつか会社を建てたカらな。そのあたりの情報と企業間の流れを見たかッたのもある」
「あたしには良くわかんねぇけど……。……ん?会社を建てた?」
「……。ああ、少し前にな。……子会社、というベキか、並行して色々な事業に手を付けてはいるが、代表トシてはそこのオーナーだな」
そう言って、一応携帯している名刺を机の上に差し出す。
そのことに、少なからず驚いたような顔を見せるC&Cの面々。……いや、正直こっちでの社長の立ち位置がどの程度かわからんのだけどね。学校が国家のトップみたいな所だし。
「『人材更生及び教育人材紹介会社RE:flector』……。反射鏡、ですか?」
「……結局何をやっているところ何だ?…あ、ですか?」
うん、まあ分からないよね。勝手に色々並べただけだし、こんなの普通利益にならないし面倒臭くて事業とも言えないものになる。だから前例がないが、無理やりつけるとしたらこうなる…ということになる。因みにこの人材紹介はウチの子会社も含まれているので割と安心。外部に行きたい、ほしいなら互いのニーズと条件を見て送り出すつもりだけど。
「……これは私の意見でしかナいが、キヴォトスでは学生という身分を剥奪された者への当たりガ厳しすぎる。……無論、相応の理由、相応の罰であることは理解してイルが、不幸な事故で道を閉ざされた者も、理不尽な環境により追い出されタ者も居た。……そんな者は、大半が連邦生徒会の庇護から外れたブラックマーケットでその日暮らシを迫られてイる。……稀に、時の運に恵まれ企業ツきになる者もいるが、それモ極一部、その条件も並の社員とは比べるべくもない。………分かるダろう?どんな理由でアレ、一度落ちてしまえば本人の意志では這い上がれ無い環境で搾取され続ける。泥沼に落ちた鳥の様にな。……自分の意志で落ちた者、覚悟している者であればその意志を尊重したイが、そんな者にも拠リ所は必要ダロウ? ………オレとしては、立ち上がる意思のあるもの、真っ当な暮らしを求める者には機を与えるべきだと思っている」
つい打ち明けてしまったが、思うところがあるのか渋い顔の三人。この中にアスナは含まれていない。
「……ナラば、自分の力で立たせるまでだ。立場がなく仕事を取れないのならば相応のポストを。無知ゆえに選択肢がないならばその知識を。無所属で蔑ろにされるなら後ろ盾を。努力するものに与えヨウ」
「光当たらぬ影に
「……我ながら、中々イカシた名前だロう?」
こともなさげに言い切ったリアンに、四者様々な思いや考えが浮かぶが、何よりも最初に浮かんだのは、納得。
ああ、成る程。強いだけ、聡いだけの者は稀にいるが、こういう馬鹿な真似を本気でやれるやつが何かを為すのだろうと、理屈ではなく心で理解できた。
果たしてその見通しの悪い道がどこまで進むのかは分からないが、こいつがいるのなら、悪いようにはならないだろう。
将来に悩むか、或いは今を楽しむことに懸命な学生ではその覚悟のほどは推し量れなかったが、もしも。仮に自分たちがどうしようもなくなったら、こんな考えのやつについていきたくなるんだろうな、と。そう無意識に思うのであった。
「…………そんなやつが、ここで時間潰してていいのかよ?」
「…何、オレ一人いない程度で回らなくナル組織など、造った覚えはナイからな*1」
心配はいらない。
そう何の疑問も抱いていないかのように振る舞う姿には、確かな信頼と自信が感じられた。
※ちょうどこの話をしている時、調理練習をしている班はバーナーのガスが切れたため火炎放射器で炙ろうとしている。炭になった。
「……とはいえ、流石に役目も終エたのに居座ルのもナ。そろそろ帰るトしよう」
軽く立ち上がると、アカネが率先して部屋の扉を開く。まるでメイドみたいだ*2。
そうして荷物を持ち去ろうとしたその時、リアンは思い出したように振り返る。
「…あア、そうだ。ナイとは思うが、どうしてモ助けガ必要なら、この回線に繋ゲ。可能なら、優先シて一回のみタダで駆けつけよう」
紙切れに番号を書いてネルに渡す。
それをまじまじと見つめたネルは、ハッと不敵な笑みを浮かべてそれを目の前で破り捨てた。
「
「……成程。少し、見誤ッていタ」
驚いたような、感心したように呟くと、今度こそ扉を潜って去っていく。
「………リーダー、本当に良かったのか? 何も破かなくても…」
「あ?いいんだよ。つかこのまんまじゃ借りっぱなしで面子がたたねぇだろ」
「えー…また蟹持ってきてくれたかもしれないのにー」
「…そう、ですね。色々と不思議な所があるので少々勿体なく思う気持ちも…」
部員達の惜しむような声を一気に浴びせられ、自分でもちょっと勿体なく感じ始めてきたネルは、それを振り切るように赤い顔で「うるせー!!」と叫ぶのであった。
―――…
「…おや、待ッていたノカ」
「は、はい。
「成る程。じゃあ帰りも頼むよ」
すぐ納得し、身を翻そうとするリアンに、もじもじと躊躇うように言葉を続けた。
「………あのっ!」
「ん?」
「…折角、ミレニアムに来たんですから、色々と見て回りませんか? 校舎とか、部活とか…。その、もし、時間があれば…です、けど……」
最初に想像以上の声が出たのか、それ以降は尻すぼみになっていく。彼女は自分の引き留めるような言い方に、断られたらどうしよう、迷惑にならないかな、などといった考えが浮かぶが、その不安を吹き飛ばすようにリアンは快諾した。
「そう、ダな。最新技術の源流、次内部に入レる機会が来るかはわからない…か。……好意に甘エよう。…引き続き、案内をよろしく頼厶よ」
「……はっ、はいっ!」
嬉しそうに返事をした彼女は、リアンを引き連れてミレニアムサイエンススクールを案内するのであった。
この日。やけに気の弾んだ生徒と、見慣れない高身長の女性が学園の中で散見された様である。
余談だが、エンジニア部のレールガンは構造を見せて貰うだけに留めておいた。……技術漏洩に当たらないかって?………正直、あんなもの実用性がないのでエンジニア部の面々も当然のように設計図を見せてくれた。上半期の予算全てをぶっこんだ結果がこの
―――…
帰りの電車に揺られながら、リアンはこれまでのことを振り返っていた。
窓から指す光は朱く、日は落ちかけている。
C&Cの反応、案内してくれたあの子との何気ない会話。見て回った部活の活動。本格的に見たのは初めてだが、これはいい学校だな。と思い直した。
しかし、少しの懸念もある。
それは、アスナに尋ねた株の隆盛。
何も、己の所持していた株が落ちるのを気にしているわけではない。むしろ、あのとき需要が上がりそうなものは即購入している。
それではなく、むしろ落ち目になると思われた会社。
それらは食料品関係、服飾店、コンビニに卸しているメーカーなど、一見何の関係性も無さそうに見えた。
だが、それらの主力商品や展開、店舗の位置を確認すると、どれも各自治区での生徒相手に商売をしているものが多かった。
しかも、ある企業、あるジャンル、ある土地のみで、などではない。それだけではここまで落ちはしない。会社の不祥事かと疑ったが、それにしては範囲が広い。
つまり、それには企業の展開やスキャンダルはあまり関与していないと考えるのが普通だ。
(……ってなると、自治区に関係する何かが起こる?それぞれの地区の失敗じゃなく、全体…。つまりは、連邦生徒会で何かが起こる、或いは既に起こっている…? 学生向けの他商品と比べ、銃火器やPMC関係は高騰…。治安の悪化か? 連邦生徒会の失脚、或いはそれまでの活動を覆す何かによって管理が追いつかなくなるということか…? 駄目だな。想定できるケースが複数あるし、何より向こうの情報がない。一先ず、これからは自治区の反応を見つつ、これからの動きと指針を指示しないとな…)
頭を捻りながら、それ以上考えても仕方ないと割り切ったリアンは、何かが起こっても対処できるよう、準備を整えるのであった。
――――その日は、連邦生徒会において、超人たる会長の失踪が確認された日であった。
RE:flector
作者の感性だと中々いいと思った。flector部分をAoharuと迷ったが、やってることは青春に戻すのではなくマトモに暮らせるようにする、なのでちょっと違うと思い、シャーレがペトリ皿ならば、同じ顕微鏡で扱うものとして、影をなくす反射鏡がいいな。と思った。
今日の作品
『R&R』
ラピッド&ラビット。兎のような俊敏性と高速の連続射撃からきた。モチーフは仮面ライダービルド ラビットラビットフォーム。グリップがハザードトリガーのような模様になっているが、本家のような機構はない。オーバーフローすると最大1.5倍まで連射速度を上げることができるが、反動と消耗がすごい。並の生徒が扱えば危険だが、ネルならば問題はない。
因みにT&Tはない。
『スカジャン』
地味にこちらも本人が造ったもの。中でも青鷹龍と五龍には一際手を加えており、金の刺繍は黄金の糸。銀色はリアンの触覚を丁寧に梳いたもの。硬度、柔軟性、軽さに優れ、戦闘時に邪魔になり辛く、盾としても扱える。
ここからは作者の考察だけど、何の変哲もない銃器であっても、使用者が愛着を持って使い続ければ何らかの力、或いは神秘がつくと考えている。ミカの固有武器は元々普通のトリニティ産の銃らしいし。
ネルが愛用し続ければ、いつの日か感情の高ぶりに応じて身体能力を上げることが可能になる………かもしれない
対策委員会編が終わったら幕間を書こうと思います。選ばれなかったものは作中や前書き、後書きでサラッと乗せます。因みに全部を選ぶと本編が遅れますがちゃんと読めます
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