透き通るような世界観にいちゃいけないタイプのクリーチャーに成ったけど今日も元気に擬態する   作:食卓の英雄

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あぁ…つ、ついに評価10がもう少しで色が変わって9も真っ赤になりかけです。よ、ようやくこの時が……。……でも、こんな人外要素がおまけな人外ものが好きだなんて……現実は苦しいんですよね、辛いんですよね……?
うわぁん!いっそのこと、そうなってしまうなら…どうか、評価バーの色をつけて、感想まで書いてください……。

あ、それとリアンの言葉が流暢になってると思いますが、戦闘時以外やストレス発散後、長時間早口で喋ったりしない限りは普通に話せるくらいまでレベルが上がりました…。難しいはずなのに、常に精進するなんて、すごいですね…。


第17話 そうだ、ミレニアムに行こう

 

 謎の機械。端末を通して意思疎通が出来たので、本人に倣ってゲブラ・アクゼリュスと呼ぼう。うーん、生命の樹のゲブラに対応する邪悪の樹のアクゼリュスの名が同時にあるのか…。余計によくわかんなくなってきたな…。

 

 まあ、何か力を示したいやら下につきたいだの言ってたので、向こうの港で働いてもらってるけど。あれかな。自分を打ち負かした相手に従うタイプのやつかな。色変わったのはそれか?

 

 まあ、従うというので有り難く使わせてもらうが。速度と冷凍光線が海産物には役立つこと役立つこと。本当にいい拾い物だった。

 あれからは、何日もかけて一つずつやるべきことを熟していった。

 既に7階までの施工が完了した地下施設の増築を進めながら、希望者を集めて食料品関係や施設の知識や使い方、手順なんかを指導、徹底教育した*1。まだまだ荒削りだが、多少は回るようになるまで来ている。これなら契約のゴタゴタが片付き次第活動を始めても良さそうだ*2

 

 漁業の方は改修した漁船を運び、それぞれの獲物やポイント、特徴や保管方法などを言っておいた。凍土と聞きかなり渋られ一部の娘達は嫌がっていたが、ちょっとくらいなら貰っていいよと言えば結構な数の子が応募してきたので割と集まった。まあ、完全自動の定置網だったりするから実は人手がいる作業はあんまりない(キヴォトス人基準)し、ゲブラのサポートも手厚いから万が一は起こらないとは思うけど。……蟹漁船に異様に熱意を持ってる子もいたなぁ。熱意に負けて船長に任命したけど、あの子のことは今後心の中でカニ道楽ちゃんと呼ぶことにしよう。

 

 あぶれた娘たちにも機会は与えたい。だけどそれはまた追々だ。今の所事業に手は足りてるし、出来ないこと、やりたくないことをやらされてもここ(キヴォトス)の子だからそんなに続かないだろうし*3

 

 そんなこんなで色々任せられるようになったから、今俺はこうして外出することも出来ている。

 

 どこに行ってるかだって? 今回の外出先は…ミレニアム自治区。用があるのはその本山。ミレニアムサイエンススクールだ。

 歴史が浅いにも関わらず、古くからあるトリニティ、ゲヘナと並んで3大校と目される学園にして、技術開発などに力を向けているいわば学者や開発、技術屋気質の生徒が多く集まる学校だ。「最先端」「最新鋭」と呼称されるものの多くはミレニアムで開発されたもので、キヴォトスに広く普及している活躍目覚ましい学校でもある。

 

 ……正直、3大校の中で最も重要であると思うのは俺だけだろうか。いや、だってそりゃゲヘナもトリニティもデカいし影響力はあるけど、実際に利益として還元しているのはミレニアムな訳で。…極端な話、ゲヘナトリニティ両校が廃校した所で、直接的な被害は土地のゴタゴタや残党の受け入れ先などの問題はあるだろうが、それはミレニアムも同じ。むしろミレニアムがキヴォトス全土に広める形として残る技術の形ほど後世に響くものではないかと思うのだ。言わんけどね、怒られるから。

 

 あ、あと人柄も他に比べてマシ。ゲヘナは刹那主義のヒャッハー。トリニティは良心的なお嬢様もいるが、選民思想や女学校の悪いところが煮詰まった要素が水面下で繰り広げられているのに対し、ミレニアムでの被害は技術を狙う外部のスパイや好奇心が行き過ぎた生徒の実験によるものだったりするわけで…。

 

 心理的に1番楽。ってか普通に科学で見張られてる分治安がいい。

 

 いやぁ、たまにはこうして乗り物を使うのもいいかな。やっぱ科学都市よ。外見は都会ってイメージが似合うけど、この都市間を走るレールだってミレニアムの技術力の賜物だ。

 

 乗員も大人しく座ったり雑談をしている。…たまにこっちを見て何事かヒソヒソ言っているが、悪口というわけではないため知らないフリだ。そう、これが普通なんだ。不安なことなど何も――――

 

「おうおうおうおう!テメェ等動くな!!この車両は俺達がジャックしぎゃっ!?」「なっ、なんだてめ゙っ!?」「こっちはまだ話してるとぢゅっ」「ぐはっ!!」「まっ、待てぶっ!?」

 

――――何も無かった。いいね?

 

 登場した瞬間リアンの奇襲により瞬で鎮圧されたハイジャック犯たちは拘束され、その見事な手際に乗客たちからの称賛や拍手が聞こえてくる。

 

 どうやら即座に鎮圧されたことで、ヴァルキューレに引き渡すため最も近い駅に停車することになるそうだ。………面倒だな。出来れば早く行きたいんだけど……。

 

 そうして、犯人たちを見張りながら次の駅で降りて、鎮圧した俺が直々にヴァルキューレ生に引き渡す。……あ、やっぱり市民が勝手に鎮圧したのに咎められたりはしないのね。流石キヴォトス。

 

 さて、どうするか。損害がないとはいえ爆弾が仕掛けられていないとも限らない。それらの検査のため一時的に運転見合わせ状態。

 出発を待つなら最低でも15分…。出来れば荷物は揺らしたくないから待つけどさ…。この距離からなら走ったほうが速いのに。

 

「あっ」

「…?」

 

 そんな風に若干萎えながら再発を待っていると、知っている声がした。

 

「君は、いつぞやの…」

「は、はい。以前助けていただいた…」

 

 そこに居たのは、以前の薬物騒動*4にてオークショニアに捕まっていたミレニアムの生徒だった。どうもC&Cは彼女が行方不明になったことがきっかけで依頼が来て捜査に乗り出していたらしく、麻薬の中毒症状も比較的軽微だった。

 

「あの、えっと…。今回もお仕事で来られたんですか?」

「…いや、今回はプライベートだ。ちょっとした要件ついでにな。……君の方は、あれから異常はないか?」

「…。っ……!お、お陰様で…」

 

 指摘すると顔を赤らめて言葉に詰まる彼女。あー、しまった。アレ(キス)を思い出させてしまった。話題変換話題変換…とはいっても、やった本人が言うのもな…。

 そんな風に言葉に詰まっているのを見抜かれたのか、彼女はまだ少し赤らんだ頬のままに話を切り出す。

 

「その、電車止まってますけど。何があったんでしょうね…?」

「…ああ、オレの乗ってイた車両でハイジャックが行われた。…即座に鎮圧したが、爆弾の類を仕掛けられていないか、今は検査している」

「…もしかして、鎮圧したのもリアンさんだったり…?」

「…まア、そうだが」

「す、すごいですね…」

「……荒事に慣れテいるだけだ。それに、キヴォトス(ここ)じゃ、そう珍しくもないだろうに」

「う…、まあ、そうですけど…。それでも、やっぱり私とかは動くのも、戦うのも苦手なので、尊敬できます。……なんて」

 

 言っている内に恥ずかしいことを口走っている事に気づいたのか、次第に尻すぼみになっていく。

 

 まあ、言わんとすることは分かる。明らかに運動しないタイプの理系って雰囲気がプンプンするからだ。というより、それが分かっていて何故ブラックマーケットの麻薬組織を探ろうと思ったのか。……まあ、そういう無謀なことをする時期ってあるよね。あまり突っ込んでも悪いし。言わないどこ。

 

「……やっぱり、変ですよね…」

「ン?」

「弱いのに、勝手にあんなことをして…。結局、捕まって何も出来ず、友達やC&Cの人にも迷惑をかけて…。ま、麻薬だって、リアンさんがいなければ今もきっと辛かったままだと思うと…」

「……イヤ、そのセミナーの子も一緒に探っていたと聞いている。……何も、君一人の責任ジャないだろう」

「そう言ってくれるんですね。でも、違うんです。私は、焦っていただけだったんです。……ミレニアムが実力主義…成果主義なのは知っていますよね」

「…まあ、聞き及んではいる(知らんかった…)」

「私、2年生なんですけど、何も出来なかったんですよね。……ミレニアムに入る前は、数学や理科とかが得意で、ここに入れた事が嬉しかったんです。そして、他の先輩たちみたいに画期的な技術を開発してやろうとも意気込んでいたんですが……。結果は、芳しくありませんでした。中学校までは秀才でも、天才の集まった一流の学校じゃ埋もれるんです。……私が普通にしてる間にも、色んな分野が開発されていって…。部活にも入っていなかった私は置いていかれて。一年の頃からの友達も、セミナーに入って……」

「…置いていかれる、と思ったのか」

「………はい」

 

 なるほどね。大体分かった。夢を持って入った場所で思うようにいかず、自分が伸び悩む中で友人はエリートであるセミナーに所属していると。後輩が出来、更に比較対象が出来てしまった彼女は、成果を出せないのなら、せめて行動だけでも何か人のためになることをしなければと思い、予想以上に例の件に踏み込んでしまった、と。

 この大きな失敗と、それによってどうなっていたか、ということが彼女にとって重荷になっているんだろう。実際、自身のせいだと認めている人間に、慰めの言葉を言ったところで余計に自分を責めてしまうだけだろう。だから、素直に伝えておく。

 

「……それは、君が悪い、な」

「……はぃ」

 

 その時の後悔と、もしもあのとき救出されなかったら、という思いで顔を曇らせていく。そんなことない、と言ってほしかった訳ではない。自身の功名心で藪をつついて蛇を出した。それは変わりない。とはいえ、そのまま突きつけられるのも、堪える。

 

「……謝ったのか?」

「え、それは、当然…」

「じゃあ、もういいだろう」

「え。いや、でもわたし…」

「……驕るなよ。…君たちの様な若者は間違えてこソだ。取り返しのつかない事も、自身の醜さ、力不足を実感するコトもあるだろう。……だが、もう事は終わリ、被害者も全員救助サレている。ソレ以上でも、それ以下でもナい」

「それに、言い方は悪イが、あのタイミングで君が拐われなければ、救出が遅れ……いや、他の生徒ハ既に手遅れになっていただろウ。結果論でしかナいが、ある意味…君の独断専行のお陰で間に合ったとも言エる」

「でも…」

 

 納得が言ってないという顔だ。まあ、そうだよな。言った通りこれは結果論に過ぎない。

 

「……納得は出来なイだろうが、理解はしたな。…そも、誰かに助けて貰える内は存分に甘えていいンだよ。今回上手くいかなくとも、どんなタイミングでどんな縁が舞イ込厶など、神にだって分かラナい。……いいか。酷な事をいうが、伸び悩んでも腐るな。視野を狭めるな。顔を上げろ。尊敬も卑下も、嫉妬もしていいが、決してソレを理由に諦めるな。諦める時は、自分の中で決着がついた時だけにシておけ。どうにもいかない時は人を頼れ。そうやって、酸いも甘いも噛み分けてヒトは大人になっていくモノだ」

「……大人に、ですか」

「…後世に名を残す天才でも、若い内は芽が出なかったことなど枚挙にいとまがない。…君はまだ子どもだ。諦めるまで続けなければ、終着点は見えてこないぞ」

「終着点…私の…」

 

 何かいい感じの言い回しができたな。うん。あ、でもやっぱこのまま焚きつけるだけして放置はちょっと無責任だな。

 

「……まあ、今は思うように生きルといい。目指したい場所。向いている場所。何が大事かを見極めるトキだ。……もしも、卒業しても道が見つからなかったノなら、俺の(会社)に来るといい*5……いつでも門戸ハ開いている」

「…………ぇっ」

 

 ふっ、これでどうにかならなかった時もこっちで雇うことで恨みを買うことは避けられたな。おっと、話に集中していると、もうじき電車が復旧するらしい。どうやらあのハイジャック犯達は爆弾の類は仕掛けていなかったらしい。………何故決まった道しかいかない列車を携帯火器のみでジャックしようとしたのかは謎だ。

 

「…あっ、で、電車来ましたね! 私はミレニアム本校舎前行きに乗るので、失礼します! あっ、あと、親身になって頂いてありがとうございましたっ!」

 

 そう言って、そそくさと逃げるように乗車していく彼女。何度も頭をこちらに下げてその姿は遠のいていった……。

 

 

『――この電車は、ミレニアムMライン内回り。ミレニアム本校舎駅方面行きです』

 

 

「…………」

「…………」

「……目的地、同じだったんですね……」

「……アア、うん」

 

 一分もしない内にまた出会うことになった。うん、さっきの世間話の時に言っとけばよかったね。

 

*1
わざわざマニュアルまで作った。評判は良さげ。聞いたことはすぐ答えてくれるのでわからなくても安心安全

*2
午前の部のバイトリーダーちゃんは何とか店長としての知識を身に着けた

*3
失礼に思うかもだが割と事実

*4
第4話から第9話

*5
割とガチめ。ドロップアウト組は肉体労働系が多く、専門技術を修めている人は貴重




今日の一作

『マメバッタ&エクスレッグぬいぐるみ』

デフォルメされた大(高さ1m)小(高さ0.2m)の黒いバッタのぬいぐるみ。手縫いだが、手触りや品質は市販品と比べて遜色ない。とあるメイドへの詫びの品。


(◠ڼ◠)
       “大人の感想を書き出す”

       “大人の評価を付与する”

うわぁん……もう、完全に催促ですね…。でも、ありがたく読ませていただきます、先生!

対策委員会編が終わったら幕間を書こうと思います。選ばれなかったものは作中や前書き、後書きでサラッと乗せます。因みに全部を選ぶと本編が遅れますがちゃんと読めます

  • C&Cリベンジ!
  • ツルギとのデート回
  • カニー・クッターと近所のヌシ
  • 全部!
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