透き通るような世界観にいちゃいけないタイプのクリーチャーに成ったけど今日も元気に擬態する 作:食卓の英雄
-追記-
何か一応勘違いとかになりそうなんでタグにそういうの追加しときますね
病院内をウロウロしてたら誰かが入ってきたことが分かったでござる。なんか、普通に入口から入ってきたっぽいけど、大丈夫かなこれ。
窓からこっそり覗いてみると、道路の隅には1台のジープが停められ、明らかに前の世界と同じ人間用であることが伺える。
よし、少なくとも俺みたいなのではないってことだな。それに、車の中に雑誌とかあるし、普通に文明的な相手であることは確かだ。
でも、わざわざ深夜に廃墟の廃病院に? 肝試しとかならいいんだけど、ひょっとしたら後ろ暗い組織の溜り場だったりして…。
何か怖いし、こっそり覗くことにした。バレないように、外側の壁を通って先回り。いやー、このクソきもボディも役に立つね。スパイダーマン気分。
音を立てないように侵入して、侵入……。出来ない!
そりゃそっか。この巨体で音を立てずにまともに通れる場所なんて正面玄関くらいだ。ので、勿体無いけど一回下まで降りる。
やべ、ケツがソファ倒した。あ、後ろ脚の棘が刺さって綿が……。ええい!邪魔邪魔!こんなもん全部寄せときゃスペースの完成じゃい! よし、これで心スッキリだ。
そうして、熱源探知で場所を割り出す。ふむふむ、人数は3人。体格は150〜160cmくらいとやや小柄。この感じからして女の人みたいだ。
話し声が聞こえるし、肝試しかな。ならちょうどいいかもしれない。聞きたいことが聞けるかも。
そう思い、彼女達を視界に捉え―――銃持ってるんですけどォォ!!?
直ぐに頭を引っ込めて隠れる。いや、確かに銃社会かもしれないとは言ったけどさ、まさか女子高生がガチガチに武装してるとか思わないって普通。ヤバくね。万が一こっちでも俺が化け物扱いだったら
「あの〜、すいませ〜ん。聞きたいことがあるんですけど〜」
「話しかけんじゃねえバケモンが!! テメェには鉛玉がお似合いだぜ!」ダダダダダダ!
「ぬわーーっっ!!」
なんてことに成りかねん。それは嫌だ。本人である俺から見ても普通に気持ち悪いし警戒心煽るもん。それにキモい虫とかなら絶滅してもいいと考える女子高生だ(偏見)。マジで弁論の余地なく撃たれるかもしれない。
どういう訳か死ぬ気はしないけど、下手に敵対するのは避けたい。……どうにかして、人間っぽくない部分を見せないまま対話出来ないかな…。
って、ヤバ。もう4階から降りてくる。飽きたっぽい? って、思ったより近い。早く隠れないと……。
あ、ここの階段抜けてるし裏側に張り付いとけばやりすごせそう。いいね。虫っぽい。
いい感じに張り付いたその時、階段を降りてくる音が響いた。うんうん、うまく隠れられてる。
コンクリートが削れてるって、さっき脚が当たったのかも。まずい。余計な警戒心を与えてしまった。
幸いその時は気の所為だと好意的に解釈してもらえたけど、今度は何かきっかけがあれば出会い頭に銃をブッパされるかも…。
うん、遠くからこっそり見る感じで…。
そうやって、暫く後ろをついていくと、ピタッと動きがとまってしまった。迷ってるのかな。かと思えば、早足で階段を降り始めた。
あー、あるよね。何かちょっとした物音で不安になって逃げたくなるの。俺も夜のトイレとかそんな感じのあった。
って、あれ。一階に来たけどエントランスの方に行ってない…? あ、ソファ戻してなかった。いや、違うんよ。決して邪魔したいとかじゃなくて、むしろ邪魔だったっていうか…。
あの子達は…いた。裏口の方に行ってるのか。どうしよう。折角話が通じそうな人がいるわけだし、次いつ情報収集の機会があるかも分からない。かといってこのまま出ていっても……。
そんな風に考えていたのがよくなかったのだろう。
あ、先頭の子が振り返っちゃって……。目と目が合う。
ア、ドモ。
そのまま硬直。
やばい。どうしよう。他の二人も気づいたし、完全に不意過ぎて何すりゃいいんだ…!? と、とりあえず安心させるために声でもかけて……。
声出ねぇ!ってか喋りにく!? 口が、下顎がバカパカしてるせいでうまく舌回せない。喋れないわけじゃなさそうだけど、こんなんなら最初っから喋る練習しとけばよかった…!
無言での睨み合い(勘違い)が続いていると、不意に向こうの一人が手を振ってきた。
俺はここだと思った。声が出せないまでも、向こうからアクションを示してきたのだ。つまり、相手には即座に敵対する意志はなく、こちらに敵意がないかの確認をしているということ。
これが最後のチャンスだ。俺は長い指をいい感じに隠して、手を振り返すことにした。
壁からやるのは少しむずかったけど、お陰で敵意がないことは伝わったらしい。よし、あわよくば落ち着いて話でも…。
え、何その反応。さっき安心してたじゃん。ちょ、ちょっと、じりじり下がってるんだけど。
不味い、このままじゃ何の収穫もないまま逃げられてしまう。
ちょっと待った!とばかりに腕を前に出して……。あ、腕出しちゃった。
「「「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ―――!!!!?」」」
ああ……。行ってしまった。
本当にただ怖がらせて逃げられただけだ…。しかも姿見られてるからきっと通報とかされるんだ…。早めにここを離れないといけない。
一般学生っぽいあの三人でもアサルトライフルとか持ってるんだから、本格的な組織とかがあればミサイルとかレールガンとかクラスター爆弾とか持ってるんだ…。
……まあ、もういいや。過ぎたことは仕方がない。致命的な損害が起こったわけでもなし、この経験を次に活かせばいい。
って、スマホ置きっぱなしじゃないか。ロックもかかってないし……これは、不用心だねぇ…?
―――――…
あの少女が置いていったスマホから、様々な情報が入手できた。
ここは数千もの学園が集合した学園都市キヴォトスという場所であること。そこで暮らす一般的な人物――アンドロイドとか、獣人とか、さっきの『生徒』とか――のこと。そして技術水準や文化も手当たり次第に検索できた。いやー、文明の利器様々ですな。
まあ、色々専門的な単語もあったから全部理解したとは言えないけど、まあ十分だろう。
そしてここからが問題なのだけど、あの時俺が考えた銃社会というのはあながち間違いでもなかったということだ。
ここキヴォトスで暮らす住人は個人差はあれど多少の銃撃では命の危険は少ないらしく、ガチの喧嘩はおろか、些細な言い争いからでも銃撃戦に発展することもあるらしい。
あながち、といったのは俺の想像よりも酷かった、という点だった。
で、俺みたいなのはそんな奇想天外な世界でも想像上でしかいないらしい。くそが。
でも俺だって文明的な生活はしたい。こんな廃墟で暮らすなんてまっぴらごめんだ。
なので、学習することにした。
まず己の能力の把握。体の動かし方は理解しているとはいえ、使いこなせている訳では無い。
場所を移動して、二ヶ月くらい自身のスペックについての確認を行った。お陰で今は廃病院の時とは違って無意識に脚を引っ掛ける…みたいなドジはそんなにしなくなった。
あとは銃社会だから、銃撃への慣れとかも練習した。具体的には落ちてた銃を自分に撃って部位ごとに耐久力を確かめたり、どのくらい動けるかとか。
いやー、この世界のスマホ便利だわ。ちょっと調べるだけで銃の取り扱い出てくるんだもん。しかも中等部の生徒用ガイド。いやー、日本だったらありえないね。
あとは銃付きのドローンみたいなので自分を狙わせて、掴み取った銃弾を数えるとか。(迫真の「3!」)
そして、新たに開拓した技能もある。4つくらい。
まず1つ。なんか翅生えて飛べた。何か背中ムズムズしてきて、くしゃみしたら背中を突き破るように「ずりゅりゅりゅりゅっ」って出てきた。凄いバッタっぽい4枚翅で、3次元的な運動もござれだ。
2つ、口元から何か出た。ガスと液体が発射できるらしい。
ガスは最初白いだけで何の効果もなかったけど、どうやら摂取した成分をガスにして放出できるっぽい。いぇーい、我バサルモス〜。いつか熱線出したい。
微量でも蓄積して強い効果も与えられるっぽいから、今度睡眠薬でもがぶ飲みしてみるつもりだ。
そして発射できる液体は漫画でよく見る溶解液だった。実験台になったモルモット君には実にすまないと思っている。責任を取って遺体はきちんと平らげました。
そして3つ、透明化できた。なんかレーダーとかにも写らないっぽい。空飛べて、ガスとか溶解液を吐き、レーダーにも写らない精度の透明化ができる。いよいよ生物兵器染みてきたな…。
ん? この手のでよく見る力加減問題はどこかって?
いや、それは何か完璧なんよね。じゃなきゃスマホ操作とか出来ないって。
まあ、軽く言ってるけど本当に真面目で必死だった。何せ生死に関わることだからね。きつかった。
でもステルスして空を飛んだのは気持ちよかった。スーパーマンに憧れる理由もわかるよ。
まだ4つ目を言ってないって? ふふふ、これが二ヶ月の修行期間一番の成果だ。
なんと俺、生徒に擬態できました。4m50cmの奴が何言ってんだと思うかもだけど、何か、ベキベキゴキャゴキャミチミチッ!って感じで収納されてった。その癖体が重いとかないし。質量保存の法則どうなってんだろうね。
いや、それでも完全な擬態は出来なかったけども。元々収納とか出来ない口はそのままだし、胸から下は骨丸だし。
でも補える点は補える。口元はしっかり閉じるよう意識すれば一見普通だし、口元を覆うマスクが服屋にあったので拝借しておいた。
体を縮めたことで骨も収納されたから、その分付属してる脚も密度高くなったんだよね。だから閉じとけば骨を隠すようになる。触感は誤魔化せないけど、服着てればバレないし、そういうデザインの防弾チョッキって言えば見えなくもない。完璧。
その他の服からはみ出す部分は人間そのものだし、脚は靴で隠せる。太腿は…太いけど許容範囲内。
身長は210.3cmと大柄だけどこっちもまあ珍しい程度。「ぱふぁ…」ってした口と骨と脚さえ見られなければセーフ。そしてそんな場所をわざわざ見るような奴はいない。
そして、一番悩んだのが何気にここだ。普通の人間ならそれでも良かったけど、ここの生徒にはヘイローなるものがある。天使の輪みたいなやつ。それがない人間型生物ってキヴォトスにいないらしいんだよね。
外見は変形すればなんとかなったけど、何かヘイローって触れないらしいんだよね。流石にファンタジーな物質は無理。
だから仕方なく頭上の触覚から特殊な成分を散布させ、そう見える様にした。これで眠ったら消えるっていう点も真似できる。
あと迷ったのが、生徒には角生えてたり翼生えてたりケモミミ生えてる子もいたんだよね。
あの時見た子達は普通の人型だったんだけど、そういうのもありらしい。んで、デザインに迷ったけど、折角擬態するなら拘ってみたい。そう思った俺はケモミミは構成成分的に無理なので角と翼をつけちゃいました。
角は脚を螺旋状に捻ってゼロスラッガーみたいな感じに付けた。いざという時は千切って武器にする予定だ。
そんで、翼は背中から生やした翅に甲殻纏わせて色彩豊かなカッコいい羽になった。ライゼクスっぽいかもしれない。
俺はバサルモスでバイオのクリーチャーでウルトラマンでライゼクスだった…!?
何か4分の3をC〇PC〇Mが占めちゃってるな。まあいっか。ここC〇PC〇Mないし。スチューデントファイターとかモラルハザードとかパロディみたいなのはあったけど。
「ア、アー…本日天気晴朗なレども波高シ」
「アめンボ赤いナ、あいうエお」
「我々ハ宇宙人だ」
「……んんっ、よし、まだ慣らすのに時間はかかるけど、人と話せる程度は大丈夫でショ。多分」
たまに口元モゴモゴしてる時に亀裂見えるかもしれないけど、そんなときのためにマスクがある。うん、完璧だな。
それに住む場所も生活方法も既にプランは立てている。
どうにも、学校に通ってなかったり、退学になった生徒はそれぞれ色々仕事して暮らしているらしい。特にブラックマーケットと呼ばれる場所なんかはそういった生徒も多いのだとか。
んで、そういった生徒は大抵そんなに過去を追求されない。依頼相手もブラックマーケットでの仕事のためこっちの経歴なんか気にもしない。
荒事や重労働もよくあるらしいけど、検証で分かった限り、俺は結構丈夫だし、睡眠時間もほぼ必要ない。疲労しても最悪片方の脳だけ眠らせて体自身に通ってる神経の方に切り替えればいいし、効率の悪さは時間でカバーできる。
取り敢えずはブラックマーケットで日銭を稼いで、貯金してから色々買い揃えていけばいい。
よし、そうと決まれば物資を集めて上京じゃー!
廃墟に残されている比較的きれいな服を着替え分も持って行こう。あと、仕事が出来ないこととか買いたい物があったときの為に金になりそうな物資も集めて…。乗り捨ててある戦車の装甲とか売れないかな?取り敢えず2mくらい剥いでいこう。
あと銃。折角銃社会だし持っときたい。持ってて当たり前の世界ならおかしくないし、むしろ持ってないとカモと思われてカツアゲとかに会うかもしれない。負ける気はないけどわざわざ絡まれたくはないから持っていこう。あとカッコいいし。
……俺銃の種類とか分かんないから全部wiki(っぽいもの)調べだけどいっか。
早速銃発見!何か歪んでるけど売れるかもしれないから回収! お、荒〇行動で見たことある銃だ! 取り敢えずジャンル関係なく色々持っていく。
袋がパンパンになった辺りで、早速メモっといた地図を目安に歩いて行こう。
ちなみにスマホは電源が尽きた時に粉々に粉砕して地面に埋めておいた。指紋とか見つかると俺=廃病院のバケモンになっちゃうからね。ごめんねあの時の少女。次あった時に金があったら弁償するから。
よーし、目指せブラックマーケット。
あ、そうそう、今の名前は『遊星リアン』。一人で考えたにしてはいい名前でしょ。
「まずはあっち。出発進行だな」
こうして、俺の擬態生活は始まりの鐘を鳴らしたのであった。いぇーい。
主人公は透明化と溶解液と飛行能力と光学迷彩と擬態を覚えた!
『遊星リアン』
名前の由来はSFホラーでおなじみの『遊星からの物体X』と『エイリアン』。
遊星リアン→YUUS『EI RIAN』
エイリアンの綴りはAlienだろって?はい。
あとこれは意図していなかったけど、リアンには絆とかいう意味があるらしいです。作者が意図してないことを主人公が意図してる筈がないじゃないですか。
身長:210.3cm
体重:100kgは超えてる
肌は血の気のない青白いもの。真っ白というわけではない。
白い触覚でエリカみたいな髪型。胸は中身が詰まってる(擬態的な意味で)のでデカい。ケツも同様。ただ背も高いのでアンバランスな感じはしない。順当にデカい。
服で隠れている腹は空洞で骨と骨から生える虫の脚に覆われている。鎧みたい。
脚は擬態できていないが、靴を履くので目にはつかないと言い張っている。
口は普通に喋る分にはパカパカしないように訓練した。デカい固形物を食べる時はちょっと亀裂入りそうになる。マスクはサオリみたいな感じのタイプのやつ。
目の色は黒。
あくまで顔が人類に近いだけで本質そのものは人外な為や表情筋が存在しないため(要領は異なるが動かせはする。普通のホモ・サピエンスにもわかりやすく言えば、表情筋を腕の筋肉を動かす感覚で操っている感じ)無表情に見える。
角は幾つにも折り重なった虫の脚が固まったもの。いざとなれば外して、一部を展開、接合してゼロスラッガーみたいに形態変形もする。主人公の趣味
翼は虫の翅に甲殻を纏わせて光を反射するようになった。形状は某狩りゲーの電竜の翼をイメージ。やや茶褐色で半透明。
ヘイロー(偽)の色はドス黒い蒼。
紋様は拘ったせいで遊星からの物体Xのタイトルにいる奴の顔みたいになってる。
《2024/01/08追加》
リアンのイメージ図です。作者はド素人。絵を描くのなんて中学生ぶりくらいかつ鉛筆で自由帳に手書き&直撮りなので上手くないです。ただ顔とかの特徴自体は分かると思うので置きます。
絵心のある方が清書してくださればそちらを使うという手もありますが(ちらっ)
マスクはいい感じのデザインが思い浮かばなかったのでトノサマバッタの顎をイメージしました。
【挿絵表示】
対策委員会編が終わったら幕間を書こうと思います。選ばれなかったものは作中や前書き、後書きでサラッと乗せます。因みに全部を選ぶと本編が遅れますがちゃんと読めます
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C&Cリベンジ!
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ツルギとのデート回
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カニー・クッターと近所のヌシ
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全部!