翼を得た少女は自由の意味を探す   作:ココア@レネ

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やっぱりトリニティが一番ドスケベだと思うんですよ。
シミコのあれを見て、シミコを出そうと思ったのですが、一年生なので出番はまだまだ先になりそうです。

あくまでも参考にですが、アンケートを設置しましたので、回答を頂けると幸いです。


第21話:ヒフミとデート? 

『これで、何もかも終わりか……――だが、私もタダ終わるつもりは無い……』

 

 ――夢……またあのモニターの男の声が聞こえ、目が覚める。

 

 ゲヘナとは違い爆破で目が覚めるなんてことは、トリニティでは起きなかったか。

 

 ゲヘナの時よりも高額なホテルに泊まったおかげか、引かれている布団はとてもフカフカで、起きるのが憚られる。

 

 昨日の夜、寝る前にナギサさんの書いた本を読み終えたが、最後の方にイラストでトリニティで使える所作が書かれていた。

 

 カーテシーや挨拶の仕方。相手を立てるための動きや、逆にしてはいけないこと。

 

 役に立たなさそうなものもあったけど、実にためになった。

 

 あまりお嬢様的なものは嫌いだが、戦いや話し合いは相手を騙した方が勝つ。

 

 自分を偽るのとは違うけど、今の私に大切のは敵を作らない立ち回りをすることだ。

 

 昨日の最後に風紀委員会と一悶着あったが、あれはゲヘナの日常なので、多分許してくれるだろう。

 

 運転してきた人には少し悪いことをしたと思うけど、あれは仕方ない犠牲だった。

 

 さて、今日の予定は私用の服を作ることと、ヒフミさんによるトリニティ総合学園の案内だ。

 

 ふとスマホを見ると、ヒフミさんからモモトークが届いていた。

 

『おはようございます。トリニティの朝は如何ですか? 準備が出来たら向かうので、連絡を下さい』

 

 あのペロロのスタンプと一緒に届いた文を呼んでから、一時間後に待ち合わせをしようと送る。

 

 今日泊っているホテルはヒフミさんが紹介してくれた場所であり、なんと割引きもしてもらっている。

 

 流石トリニティ、太っ腹である。

 

 いつも通り頑張って翼を洗うが、翼用と書かれたシャンプーとリンスーが置いてあったので使わせてもらう。

 

 羽は触ると柔らかいのだが、どうして銃弾を防ぐ事が出来るのだろうか?

 

 自分の身体の事ながら不思議だ。

 

 洗った後は備え付けられていた翼用のドライヤーを使おうとしたのだが、私の翼が大きすぎるため、一気に乾かす事が出来なかった。

 

 お金に余裕が出来たら、私の翼を洗ったり乾かしたりする機械を作って貰うのもありだろうか?

 

 やはり身支度に一時間近く掛かり、ゼロカスタムを装着してホテルから出る。

 

 ゲヘナの街並みは暗色系の落ち着いた雰囲気の街だったが、トリニティは白を基調とした品のある街並みをしている。

 

 私の色合いでは、街に溶け込んでしまいそうだ。

 

 …………いや、ゼロカスタムを翼に装着している以上、溶け込むなんて事は無いのだけど。

 

 待ち合わせはトリニティ総合学園から街に向かって行く途中にある、大きな噴水のある広場にしてあるので、道に迷うことはない。

 

 そして、おそらくはヒフミさんを探すのも…………ああ、少し距離があるけど、直ぐに見つかった。

 

 ヒフミさんが背負っているバッグは、とても見つけやすいので助かる。

 

 まあヒフミさんからしたら、私の方が見つけやすいのかもしれないけど。

 

 

 

 

 

 

1

 

 

 

 

 

 

「ふんふふんふふ~ん」

 

 その日、ヒフミは朝からとても機嫌が良かった。

 

 起きたらペロロの時計で時間を見てからエリスにモモト-クを送り、それからお風呂で汗を流してから身支度を整える。

 

 今日は授業があるのだが、ナギサを通して学校には公休を出しており、今回はサボリではなくしっかりと休みになっている。

 

 散々学校をサボったりしているヒフミだが、勉強はしっかりとしており、今日も少し時間に余裕があるので、家を出るまでは自習をする。

 

 途中でエリスからモモトークが帰って来たヒフミは、今日の予定をおさらいする。

 

 まずはエリスからのお願いである、トリニティにある天使用の服を専門で扱っている店に行く。

 

 トリニティでは普通の服を着られない人用の服や下着を扱っている店があり、ヒフミは行った事がないが、ナギサから場所を教えてもらっており、紹介状も貰っている。

 

 ヒフミは純粋にナギサに感謝をしたが、ナギサとしては自分が会いに行けない分、出来る限り便宜を図ろうとしているのだ。

 

 相手は得体の知れない人物であり、トリニティの過去の文献の通りならば、最重要人物と呼ぶに相応しい存在だ。

 

 本当ならばトリニティを挙げて対応をする必要があるのかもしれないが、次期ティーパーティーのフィリウス分派代表に内定しているとはいえ、ナギサにそこまでの力はない。

 

 ついでに、エリスに会えるのを少し楽しみにしていたりする。

 

 一応ゲヘナにエリスが居る時に、間諜を通して見張らせていたのだが、風紀委員会に協力していたとの報告を受け、最低限の良識があるのを確認してある。

 

 監視は一日目で切り上げてしまったので、二日目に起きたカーチェイスや風紀委員会の車を壊したりしたのを、ナギサは知らない。

 

「あっ、そろそろ行かないと」

 

 いつものペロロのバッグを背負ったヒフミは部屋から出て、待ち合わせの噴水に向かった。

 

 着いてから暫く待っていると、ふと雰囲気の周辺の空気が変わった。

 

 ――エリスが現れたのだ。

 

 その変化はゲヘナの時も起きていたのだが、それ以上にエリスの存在はトリニティにとっては異端だった。

 

 光を反射するのではなく、吸い込むような白い翼と髪。

 

 その翼に取り付けられた翼と同程度の長さをした、異様という言葉が似合う、大きく長い銃。

 

 エリス本人は気付いていないのだが、ナギサの本を読んでトリニティの雰囲気に合った動きを心がけているエリスは、ゲヘナの時以上に近寄りがたい雰囲気を纏っている。

 

 そもそもエリスの見た目からして、こんな見た目の少女にちょっかいを掛けるのは、少しおつむが悪い不良や、相手が誰だろうと無名ならば問題ないと思っているゲヘナの生徒くらいだ。

 

 ヒフミは近づいてくるエリスに手を振り、それに気づいたエリスも手を振りながらエリスに近づく。

 

「おはようございます。今日は宜しくお願いしますね」

「おはようございます。任せて下さい!」

 

 元気よくヒフミは挨拶をし、早速エリスの手を引いてヒフミは歩き出す。

 

 おやっ? とエリスは思うものの、特に抵抗することなく一緒に歩く。

 

 身長はヒフミの方が十センチ以上高いのだが、ヒフミはしっかりと歩調を合わせ、エリスが歩きやすい様にしている。

 

「まずは服ですよね」

「はい。今持っているのは普通の服でして。下着の方も少し問題があります……」

「安心して下さい! ナギサさんから場所を聞いているので、直ぐにいい服が見つかるはずです!」

 

 エリスは可愛いと言うよりは美しい顔立ちをしており、絵から飛び出て来たような見た目をしている。

 

 服や化粧をしっかりとすれば、どこに出しても恥ずかしくない少女となるだろう。

 

 ただ、顔よりも先に背中の翼に気を取られてしまうのだが。

 

 エリスの身長は百四十三センチと小柄だが、翼を畳んでいる時は、翼の生え方の関係で横だけではなく高さ方向にも伸びるため、畳んでいる時は全高が二メートル以上になる。

 

「いら……いらっしゃいませー」

 

 ヒフミとエリスが店に入ると、エリスの姿を見た店員が一瞬言葉を詰まらせる。

 

 ゲヘナとは違い、エリスの見た目ではトリニティの権力者にしか見えず、翼が大きいという事は、それだけ大きな力を持っているとみられやすい。

 

 無論全員が全員同じ考えではないが、トリニティではゲヘナとは違った意味でエリスは目立ちすぎるのだ。

 

「すみません。これをお願いします」

「はい。少しお待ちください」

 

 ヒフミから紹介状を貰った店員は、やはり身分のある客なのだと考え、直ぐに店長に取り次ぐ。

 

「初めまして。ペルツ・ドレスの店長です。この度はどの様な洋服を御所望でしょうか?」

 

 店員と入れ替わりで現れた店長だが、その目には隠し切れない緊張の色があった。

 

 紹介状に書かれていた名前は、色々と名高い桐藤ナギサのものであり、くれぐれも失礼の無いようにと書かれていた。

 

 それはつまり、相手はナギサにとって大事な人か、ナギサよりも身分が上という事だ。

 

 これでエリスの見た目が多少みすぼらしかったりすれば、店長としても訳ありなのだと思えるが、どう見てもエリスの見た目は……。

 

 ついでに、人に撃って良いサイズではない銃を持っているので、恐怖も追加されている。

 

「実は見ての通り、少し特殊な翼を持っていまして、服を数種類作っていただきたいのです。それと、下着の類もセットで」

「承知しました。採寸をしたいので、その……翼に付いている物を預けて頂けますと……」

「分かりました。少々重いので、置いておく場所を教えて下さい」

「承知しました。此方にお願いします」

 

 客を働かせるのは店長として思う所があるが、商品のこと以外で言われた事に従うのは、相手次第では重要である。

 

 下手に逆らって、機嫌を悪くされて困るのは店長なのだから。

 

 勿論どうしてと疑問には思うが、エリスが銃を台の上に置いた事で氷解した。

 

 店長が銃置くように指定した場所は木製の台だったのだが、エリスがゼロカスタムを載せると、足が軋みながら敷かれている絨毯へとめり込んだ。

 

 幸いエリスがゆっくりと置いたために台が壊れるなんて事は起こらなかったが、どれだけ重いのかを知るには充分であった。

 

 ついでにヒフミも、エリスがとんでもない物を持っていると再確認した。

 

 先程ヒフミがエリスの手を持って歩き出した時も、直ぐにエリスが反応しなかった場合、ヒフミはエリスを引っ張る事が出来ず、転んでいただろう。

 

 それから店長はエリスの採寸をし、どの様な服が良いのか確認する。

 

 このペルツ・ドレスを訪れるのは基本トリニティの生徒であり、あくまでも制服の改造の範疇に納めている。

 

 私服を買いに来る者もいるが、極少数である。

 

 よって、制服を改造する方が安上がりであり、一からオーダーメイドとなるとそれなりの金額になる。

 

 特にエリスの翼は横方向と縦方向に動くため、上から布をかけてボタンで留めたり、スリットを入れて翼を出すなども難しい。

 

 採寸と同時にエリスの背中をスケッチした店長は、どうすれば良いか悩んだ。

 

 エリスが望んだのは、動きやすい汚れが目立たない服と、フォーマルウェアとして使える程度の格式のある服。

 

 それから、とにかく丈夫な服の三種類だった。

 

 どれも制服の改造ではなく、完全にオーダーメイドとして頼んできた事に驚きはあるものの、仕事である以上どうにかしなければならない。

 

「洋服が三点と下着を合わせまして、百五十万円になります」

「電子マネーでお願いします」

 

 ぽーんと高額を払う様を見て、店長はエリスがやはり凄い存在なのだと勘違いをする。

 

 エリスとしては自分で稼いだお金ではなく、どうせ無くなるあぶく銭程度の感覚なので、お金を使う事に躊躇がないのだ。

 

 最初はどうやってお金を稼ぐか悩むことがあったエリスだが、何度か不良を退治する事により、少ないながらもお金を稼いでいた。

 

 更にSNSで傭兵という職業も見つけているので、お金に困る事とは無いだろうと思っている。

 

 その結果が完全なお嬢様ムーブだったのだ。

 

 因みにヒフミはエリスが払った額に少し驚きながらも、まあエリスならばと、妙な納得をしていた。

 

「出来上がるのはどれ位になりますか?」

「早ければ一週間ほどで出来上がります。フォーマルウェアにつきましてはもう少しだけお時間を頂戴する事になるかもしえませんが、他の二着は一週間でお渡しできると思います」

 

 打ち合わせを終えて、エリスはゼロカスタムを取り付けてから店長に聞いた。

 

 服を三着作る事を考えればかなり早く、エリスとしては満足出来る納期だった。

 

 エリスはトリニティの滞在は二日から三日と考えており、それから進学する学校の受験日に合わせて行動しようと考えている。

 

 一般常識は一応あるエリスだが、知識面についてはそこらの小学生レベルしかない。

 

 なので、かなり勉強をしなければならないとエリスは考えている。

 

 何せ記憶のほとんどは失われていて、自分の知らない世界に居るのだから。

 

「あの、良ければこちらのケープをお使い下さい」

「良いのですか?」

 

 お会計も終わり、店を後にしようとするエリスを店長は呼び止める。

 

 採寸の際にエリスの背中がどうなっているかを見た店長は、流石に年頃の少女が丸見えは駄目だと思ったのだ。

 

 翼人種用の下着を買ったので着替えれば問題ないが、一旦帰るにしても流石に見えているのは……。

 

 翼によって見えない様になってはいるが、店長なりの気遣いであった。

 

「はい。サービスの一環だと思っていただければ。またのご来店をお待ちしています」

 

 高級店らしい実に品のある所作で店長は頭を下げ、エリス達は手を繋いで店を出て行く。

 

 トリニティ観光の滑り出しは、とても満足のいく結果となるのだった。

 

 

 

 

 

主人公の進学先は?

  • アビドス高等学校
  • ミレニアムサイエンススクール
  • ゲヘナ学園
  • トリニティ総合学園
  • その他(感想等にお願いします)
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