万博海外パビリオンの工事費未払い「10億円超」、解決遠く…解体工事でも懸念
13日に閉幕した大阪・関西万博では、海外パビリオンを巡る工事費の未払い問題がなお解決していない。11か国の工事に携わった下請け業者が未払いを訴え、総額は10億円以上に上る。今後の解体工事への影響も懸念される。(猪原章、大槻浩之) 【写真】正座でお辞儀するミャクミャク像、手がけた29歳
■「不眠不休で」
「不眠不休で開幕に間に合わせた。大きな被害を受けながら、いまだに出口が見えない」。マルタ館の工事を担った京都市内の建設会社社長の男性(40)は9月30日、国会内で記者会見を開き、窮状を訴えた。
男性は6月、元請けの外資系イベント会社「GLイベンツジャパン」(東京)を相手取り、約1億2000万円の支払いを求め東京地裁に提訴。未払いを訴える下請け業者らでつくる「被害者の会」にも入った。
訴状によると、今年2月にGL社と契約し、開幕2日前の4月11日頃までに完成させた。工期は2か月だった。しかし、GL社からは「工事が遅れた」などとして、請負代金の一部と追加工事費が支払われていないとしている。
GL社はマルタのほか、ドイツ館とセルビア館の下請け業者からも訴訟を起こされている。関係者によると、一部で和解の動きも出ているが、GL社は「係争中のため回答を差し控える」としている。
日本国際博覧会協会(万博協会)によると、9月までに11か国のパビリオンの下請け業者から未払いの相談があった。大半は元請けが外資系企業で、元請けと下請けや、下請け同士でトラブルが起きている。「被害者の会」の集計では、支払いに影響が出ている業者は30社以上あり、未払い額は十数億円。全面解決のめどは立っていない。
■工期短く
未払い問題の背景にあるのは、工期の短さだ。
前回のドバイ万博(2021年10月~22年3月末)はコロナ禍で1年延期された。閉幕後に次の万博の準備に取りかかる参加国にとって猶予は3年しかなく、施工業者探しが遅れた上、資材費の高騰や人手不足も重なった。国内館は多くが23年中に着工したが、海外館の建設が本格化したのは24年以降だった。
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