シチズン時計が1993年5月に日本企業として初めて電波時計を発売してから、今年で30年になる。時刻の誤差が「10万年に1秒」という電波を受信して表示する正確さが人気で、他の国内メーカーの開発も相次ぎ日本市場で腕時計の定番となった。シチズンの担当者は、同社の利益が伸び悩んでいた時期の「救世主的な存在になった」と振り返る。

 電波時計は、高精度な時刻やカレンダーの情報を含む「標準電波」を時計内蔵のアンテナで一定時間ごとに自動受信し、誤差を修正する仕組み。日本では福島県と、福岡・佐賀の県境にある2カ所の送信所が電波を発し全国をカバーしている。

 シチズンは89年、複雑な操作をせずに、正確な時刻情報を外部から自動的に取得して表示させる機能を求めて開発を開始…