マージャンの鬼と釣り名人の本領発揮だ! きょう23日に開催される「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で、ソフトバンクは大学NO・1スラッガー創価大・立石正広内野手(4年)の1位指名が最有力となった。5球団の競合が確実な情勢で、城島健司CBO(チーフベースボールオフィサー=49)がくじ引き役の大役を担う。ソフトバンクがくじを引くのは一番最後だが、かつて実家が雀荘を経営していた城島CBOが「海底(ハイテイ)」で大物を釣り上げる。
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大のマージャン好きで知られる城島CBOは、大役に向けてユーモアたっぷりに意気込んだ。
「抽選? マージャン屋の息子に生まれた力が発揮できる時がきたかな」
かつて長崎・佐世保市の実家は雀荘を経営。城島CBOも自然と牌を握っては、雀卓で真剣勝負を繰り広げてきた。小久保監督は日本シリーズに専念するためドラフト会議を欠席する。そこで1位指名が重複した場合、城島CBOがくじ引き役を務めることになった。マージャンで発揮してきた強運を運命のドラフト会議でも発揮する。
1位指名は2年連続非公表としたが、永井智浩編成育成本部長兼スカウト部部長(50)は競合を覚悟して指名する方針を明言した。大学NO・1スラッガーの創価大・立石の指名が最有力で、すでに広島が1位指名を公表。5球団の競合が確実視される。立石について永井本部長は「打撃もそうですしセカンドを守れる。足も速いし全ての部分で高いレベル」と評価した。
今秋のドラフトは競合抽選の場合、パ王者のソフトバンクは最後の残りくじになる。永井本部長は「どっちにしても海底(ハイテイ)ですね。城島CBOの海底。期待しています」とにやり。「海底」とはマージャンで局の最後に牌を引くこと。現役時代に幾多の場面で勝負強さを発揮し、マージャンの鬼でもある城島CBOが、残り福で立石を“ツモる”。
城島CBOは自身がプロ入りした94年ドラフトで、駒大に合格しながらダイエーが強行指名して入団に至った。「僕がそうだったように神様しか知らない。神のみぞ知る」。釣り名人でもある城島CBOが、大物を釣り上げる。【只松憲】
◆残り物に福 抽選で最後に引いたくじが当たった主なケースは、89年野茂英雄(新日鉄堺)→8球団目の近鉄仰木監督、92年松井秀喜(星稜)→4球団目の巨人長嶋監督、同年伊藤智仁(三菱自動車京都)→3球団目のヤクルト野村監督などがある。07年高校生ドラフトの中田翔(大阪桐蔭)→4球団目の日本ハム藤井球団社長、10年大石達也(早大)→6球団目の西武渡辺監督も最後のくじ引きで当てた。