退職を希望する顧客を有償で弁護士にあっせんしたとして、警視庁は22日、弁護士法違反の疑いで、本人に代わって退職の意思を会社に伝えるサービス「退職代行モームリ」の運営会社「アルバトロス」(東京都品川区)や提携する弁護士事務所を家宅捜索した。押収した資料を分析し、刑事責任を問えるかどうか調べる。
◆運営会社アルバトロスと、弁護士事務所を家宅捜索
捜査関係者によると、アルバトロスは、モームリの顧客で、未払い給料の請求など退職する企業側との交渉が必要な人に弁護士を紹介。見返りに弁護士側から、紹介料名目で違法に、報酬を得ていた疑いがある。
弁護士法では、弁護士でない者が報酬を得る目的で、業務を第三者にあっせんしたり、法律事務を取り扱ったりする非弁行為を禁じている。
依頼者に代わって退職手続きを行う退職代行サービスは、依頼者が直接会社と交渉せずに退職できるとして近年拡大している。一方で、サービスを巡りトラブルになるケースも増えている。
モームリのホームページによると、モームリは依頼者とLINEなどでやりとりしたうえで、企業側に退職の意思を伝えるサービスで、利用料金は1万2000~2万2000円。「労働事件に強い顧問弁護士を紹介します」などとうたっている。
民間調査会社によると、アルバトロスは2022年2月に設立。従業員数は50人で、今年1月期の売り上げは約3億3000万円で2期連続の大幅な増収だった。
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◆紹介された弁護士は、会社に内容証明を1通送っただけで
「モームリ(を運営するアルバトロス)から弁護士を紹介され、料金を支払った」。愛知県の50代女性は東京新聞の取材にそう証言した。未払い給料の請求を依頼したが、解...
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