本日、DPZで石井公二さんの「友人に友人を紹介しようと思ったら友人が立川談志の格好で来た」という記事が公開されました。



こちら、私の持ちこみ企画を石井さんに書いてもらうというスタイルのコラボ記事。 

記事を読んでみると、自分のことではあるのですが、
談志のかっこうをして急に知人が現れるのってやばいなと思いました。

あまりにも異常事態すぎるし、石井さんにもこの日初対面だった三文字さんにも負担をかけまくってるし、私の中でこの時の自分はほぼ他人なんですが、当日の心の機微を思い出して書き記そうかと思います。

※ちなみに談志アイテムを集めていた時期のブログはこちら



1.前日から胃が痛む

石井さんには、三文字さんにご連絡いただき、お店もセッティングしていただき、この日の準備はおまかせでした。

「ありがたい・・・」と思いながら、「わたしも準備しなきゃ」と明日に備えて立川談志セット(メガネ、ヘアバンド、シャツ、ベスト)を用意し、きこなしや仕草などを調整していたとき・・・

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胃が確かな痛みを帯びました。

理由は二つ、不安と緊張です。

「急に何の説明もなく立川談志のかっこうで現れて、初対面の方に受け入れられる訳なくないか?」と真っ当な、そしてもっと早くに鳴るべきだった警鐘が鳴り響きました。

あと、「初めてお会いする方に、立川談志のかっこうをしているのを見られるの恥ずかしい・・・」と思いはじめたのです。


こういうこと、よくあります。


自分から「やりたい」と言い出して、周りを巻き込んだ後、急激に不安になってしまうのです。


そういえば、昔「すっぽんの甲羅で鎧を作る」をやったとき、外で撮影するために四谷くんを呼び出したあと、「外ですっぽん甲羅王のかっこうするの恥ずかしい・・・」となりました。



そういえば、お歯黒も死ぬほど恥ずかしくて、バレないかヒヤヒヤコソコソしてました。




私のお家芸(ないしは悪癖)の「言い出しっぺなのに直前にナーバスになる」が発動しました。


2.談志のかっこうをしてお店に近づく勇気がでない

当日、約束の時間がせまり、どうしていいのかわからず、めちゃくちゃ早めに家を出ました。

山手線に乗り、めちゃくちゃ面白い『未来のアラブ人』というマンガを読み込み、談志のかっこうをしなくちゃいけない近未来を忘れることに尽力しました。

最寄り駅に到着。


駅から徒歩8分くらいのところにお店があります。企画の趣旨として、私は談志のかっこうをしてお店に現れなければなりません。

ということは、どこかで着替えないといけないのです。


駅の周りはたくさん人がいます。一応確認してみたのですが、談志のかっこうをしている人はいません。お店にギリギリまで近づいて着替えるしかありません・・・

大通りから一本筋を入った住宅街でササっと着替えるか・・・とセットを取り出すと、にわかに人通りが多くなりだしました。私は「えっ、人いっぱいいる」とドキドキしてきました。「ていうか、堂々としてないと普通にあやしいかも・・・」とお縄への不安も浮上。

スマホを見ると、石井さんから「お店の前で待ってます!」という連絡が。待たせるのも申し訳ない・・・

意を決して、知らないマンションの前で、平然と立川談志へとメタモルフォーゼを決めこんだのです。



3.談志のかっこうをして会う=信頼

マンションの角を曲がって店まで20mほど。私は談志のかっこうで夜道を歩きます。

何人かとすれ違いました。とにかく下を見て、とにかく憔悴しきった表情だけは見られないように足早に歩きます。

こんなに恥ずかしいのなら、三文字さんにお会いしたら緊張で絶命するんじゃないか、そのことばかり考えていると約束したお店は間近に・・・


お店の前で待っていた石井さんと三文字さんは、私をあたたかく爆笑で迎えてくれました。


「なんかめちゃくちゃびっくりしましたけど・・・とにかくお店入りましょう唐沢さん!」
「はじめまして三文字です、よろしくおねがいします!」


よかった・・・異様さをそのまま受け入れてくださった・・・

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ここで私は赦されました。

そして、受け入れてくれた二人に大きな信頼が芽生えたのです。


店に入ると、ほかのお客さんもいて、3人中1人が明らかに立川談志を意識したコーディネートなことに疑問を抱いていそうな面持ちでした。もちろん恥ずかしくはあったのですが、2人がいるから安心でした。


言ってしまえば、私は談志のかっこうをして飯を食ってしゃべってただけなんですが、しょっぱなからぶ厚い信頼があったからか、食事会は非常に盛り上がりました。


またお2人とご飯行きたい、仲良くしたいと思いました・・・

「談志のかっこうをしたい」という気持ちだけだったのに、最後、こんなに人に対してあたたかい気持ちになれるなんて想定外でしたね・・・


以上、石井さんの記事の舞台裏でした。




そのうち、私が石井さんの企画を記事にしますのでご期待ください・・・