日本初!海の上に建造された巨大洋上風力発電の威容
海沿いに立ち並ぶ風車も壮観だけど、もっとすごいのはこの洋上風力発電。
秋田港・能代港のものは2023年1月に稼働しはじめた、商業ベースでは日本初となる洋上風力発電なのである。
なぜ、わざわざ海の上につくるのか。
自然の力に頼るため陸上にはもう適地が少ないこと、洋上の方が風が強く安定していること、より大きな風車を作れること、万が一の際に人的被害リスクが少ないこと(陸上では落下による悲しい事故も起きている)などが、理由としてあげられている。
洋上風力発電といえば、2021年に秋田県沖および千葉県沖の3海域における洋上風力発電事業を落札した会社が最近撤退を表明したことで大きなニュースになったが、あれはこの秋田港のものとは別である。
はしょった説明になるが、日本では2010年代にまず水深の浅い港湾区域内での洋上風力発電が検討された。そこで生まれたのが、ここ秋田港と能代港のものだ。
その後、さらに沖合い(一般海域)にも風力発電所をつくれるよう、2019年に「再エネ海域利用法」が施行。浮体式という、海に浮かべる方式の洋上風力発電も実用化が目指されている。
2030年〜2040年にかけて、海の上に次々と風車が立つ……はずなのだが、現実にはそう簡単でもない。
風だけでは、うまく回らない事情がいろいろあるらしい。
帰りの飛行機からも見えた風車の隊列
旅も終わり、羽田へ向かう帰りの飛行機からは、日本海側の景色がはっきりと見えた。
眼下に広がるのはやはり風車、風車、風車。
さすが日本ベスト3の一角だけある。100近い風車を見た気がする。
上空から見る風車は、ちんまい風車(かざぐるま)みたいだ。
風力発電って、ざっくり言うと手回し充電式ラジオの超巨大版なんだと思う。
あのウィーンと回すときの腕の疲労を思い出すと、風車たちはとんでもない仕事をしている。



