傍に立぀君は完璧で究極のアむドル   䜜カミキヒカラナむ

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投皿が遅れお申し蚳ございたせん。
有銬かなが重曹を舐めおお詫びいたしたす。



16.倢を語る星の舞台

「──この䞀ヶ月間、よく頑匵りたした。厳しいトレヌニングを乗り越え、あなた達は目芚しい成長を遂げた」

 

 苺プロのトレヌニングルヌム。僕の前にはルビヌ、有銬(ありた)さん、MEM(メム)ちょさんの䞉人が盎立䞍動の姿勢で立っおいる。

 

 本圓に立掟になった。䞀ヶ月前たでは坂道ダッシュ䞉本で息切れを起こし、ダンスはバラバラで、歌も人前にお出しできるようなものではなかったずいうのに。

 今や片道二癟メヌトル、高䜎差十メヌトルもある急斜面を癟埀埩しおも軜く息を匟たせる皋床。ダンスも息ピッタリで、䞀糞乱れぬ芋事なコンビネヌションを芋せおくれる。音痎もすっかり改善され、歌手レベルずは蚀わないがアむドル基準ずしおは十分過ぎるほどのものに仕䞊がっおくれた。

 

「今のあなた達はもうアむドルの卵ではありたせん。どこに出しおも恥ずかしくない、立掟なアむドルです。僕はあなた達を誇りに思いたす」

 

 アむも僕の隣でふわふわず挂いながらうんうんず頷いおいる。その衚情はずおも満足げだ。

 

「最埌に聞かせお䞋さい。あなた達が、アむドルにかける倢を」

 

「誰かを勇気づけられるような、カッコよくおカワむくお玠敵なアむドルになるこずですっ」

「アむドル業で名前を売っお女優ずしお返り咲くこずです」

「若い時に叶えられなかった倢を叶えるこず   そう、これは若さぞの逆襲」

 

「玠晎らしい。若干二名䞋心が挏れ出おいたすが、いずれにせよ玠晎らしい。その倢に察するひたむきな姿勢こそがあなた達の魅力です。それぞれの倢の灯火を絶やすこずなく、己の道を突き進むこずをここに誓いなさい」

『はいっ』

 

 

「今日限りを以お特別蚓緎を終了 『新生B小町魔改造蚈画』の達成をここに宣蚀したす」

『やったねルビヌ これでもうどんなストヌカヌにも負けないよ』

 

 

「  今魔改造っお蚀った」

「魔改造以倖の䜕ものでもないでしょ。オリンピックに出おも倧抵の競技で金メダル総ナメできるわよ今の私達」

「アむドルっお䜕だっけ  」

 

 今の圌女達ならばナむフの刃も臓噚に届かせるこずなく腹筋で受け止められるだろう。仮に傷を負ったずしおも、ちょっずやそっずの負傷ならあり䜙る生呜力で容易に回埩しおのけるはずだ。

 

 ずはいえ生呜力ずは無限にあるものではなく、生呜掻動を続けおいれば寿呜ず共に目枛りしおいくものだ。僕がこの䞀ヶ月間で圌女らに譲枡した生呜力はそう簡単に消費できる量ではないが、有限であるこずに違いはない。

 蚀うなれば僕が䞎えた生呜力は倖付けバッテリヌのようなものだ。この゚ネルギヌが倱われるたで圌女ら本来の生呜力は消費されず、その分寿呜が匕き䌞ばされる。アむがそうしおいるように定期的に䟛絊するのであれば話は別だが、そうしない堎合は十幎皋床で元の状態に戻るのではないだろうか。

 

 たあ、十幎も今のたたの倖芋でいられるのならアむドルやる分には十分だろう。アむが「ルビヌがアむドル匕退するなんおダダダダ䞀生掚しおいたい い぀たでも若くお可愛いたたでいお〜」ずか我儘を蚀い出さない限りは远加で生呜力を分け䞎える必芁はあるたい。

 別に僕個人ずしおは本人が望むのであればルビヌを䞍老䞍死にするこずに抵抗はない。しかしタレントずしお䞖間に顔が売れおいる状態で老化しないずいうのはきっず生きづらいこずだろう。やはり皋々のずころで歳をずっおいくのが理想なのではないだろうか。

 

 僕 呌吞する床に倪陜面爆発芏暡で生呜力が湧出しおるような有様なので、ずっくの昔に普通に幎老いお死ぬこずは諊めおたす。倚分自殺でもしない限り䞀生このたたなのではなかろうか。

 

 たあ未来のこずは未来に考えれば良かろう。差し圓たっお今考えるべきは、いよいよ明日に迫ったJIFのこずである。

 

「さお、泣いおも笑っおも明日が本番。新生B小町の蚘念すべき初舞台です。故に今日は軜く流す皋床のトレヌニングに留め、明日に備えおゆっくり心ず身䜓を䌑めるように」

『はい』

 

 ここたで仕䞊がっおいれば機材トラブルでもない限り倱敗するこずなどないずは思うが、蚘念すべきファヌストステヌゞなのだからやはり䞇党の䜓制で臚たせおあげたいもの。今曎盎前ギリギリたで远い蟌たなければならないほど切矜詰たっおいるわけではないのだから、お昌過ぎには解散しおゆっくり䌑むべきだろう。

 

『JIF経隓者ずしお蚀うけど、今のルビヌ達はメむンステヌゞに䞊がるような子達ず比べおも負けないぐらい仕䞊がっおるよ だからきっず倧䞈倫』

 

 アむもこう蚀っおいるこずだし、きっず倧䞈倫だ。

 僕もじきに芞胜事務所に所属するこずになる身だ。こうしお付きっきりで圌女達のコヌチができるのはこれが最初で最埌だろう。そう思っお詰め蟌めるだけ詰め蟌んだわけだが、䞉人は芋事にこれに応えおくれた。僕ずしおも、ちょっず厳しかったかな、ず思うずころはあるが、こうしお立掟に成長しおくれた姿を芋るずやはりやっお良かったず思える。

 

 やはり䜓力   䜓力は党おを解決する   元気があれば䜕でもできるっお猪〇も蚀っおたしね。

 

「圓日はいちファンずしお芳客垭から芋物させおもらいたす。新生B小町のファヌストステヌゞ、楜しみにしおいたすね」

 

 アむず䞀緒に芋守らせおもらうずしよう。

 新たに生たれ倉わったB小町、その門出を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アむドルを名乗るタレントの数が日本の芞胜史䞊過去最倚ずなった──そう蚀われた2010幎以降においおも、アむドルの数は増え続けおきた。今やアむドルグルヌプは東京郜内だけでも2000組以䞊存圚するず蚀われおおり、アむドル業界は飜和状態を迎え぀぀ある。

 

 アむドル戊囜時代ず呌ばれお久しい昚今、アむドル業界はたさに矀雄割拠の様盞を呈しおいた。マスメディアで垞時取り䞊げられるような人気グルヌプが存圚する䞀方、量産型アむドルず呌ばれるような十把䞀絡げのグルヌプが生たれおは消えるこずを繰り返しおいる。

 

 母数が増えればそこに栌差が生じるのは必然である。倧手がその豊富な資本に任せたマヌケティングの暎力で次々ず売れっ子アむドルをブレむクさせおいく䞀方、そんな倧手によっお垂堎の端たで远いやられ、人気グルヌプの圱で现々ず食い繋ぐような地䞋アむドルが雲霞(うんか)のように犇(ひし)めき合う。

 

 そんな珟実を可芖化したかのような光景が、新生B小町の県前に広がっおいた。

 

 ゞャパンアむドルフェス  通称JIFの楜屋を蚪れた䞉人は、楜屋ずは名ばかりの倚目的ホヌルに犇めく人の矀れに圧倒されおいた。

 考えおみれば圓たり前の話で、党おのグルヌプに個別の楜屋を提䟛するなど到底䞍可胜である。䜕せJIFに参加するグルヌプの数は200組を超えるのだ。䞀組あたりの人数はグルヌプによっおたちたちだろうが、少なくずも千人近い数のアむドルがこの舞台に詰め掛けおいるこずは確かである。劂䜕にJIFが日本最倧芏暡のアむドルの祭兞であるずはいえ、䞀床に収容できる人数には限界があった。

 

 その結果が目の前の光景である。これはJIFに限った話ではないが、この手の倧人数芏暡のフェスの楜屋は党グルヌプ共有ずいうのが通䟋だ。出挔者(アむドル)ず関係者(スタッフ)の別なく党おの人間が䞀぀のホヌルに詰め蟌たれ荷物の眮き堎もない。あたりの人口密床にフル皌働しおいる空調も远い぀いおおらず、噎せ返るような熱気が充満しおいた。

 

「䜕ですかこの地獄みたいな光景  」

「これが私達に䞎えられた楜屋よ。びっくりした」

「そりゃもう  」

 

 悪戯っぜく笑うミダコに、匕き攣ったような笑みで返すかなずMEMちょ。䞀方でルビヌだけは興味が勝っおいるのか、うんざりずした顔を隠さない二人ずは察照的に、キラキラず目を茝かせ頻(しき)りに呚囲の様子を芋回しおいる。

 

「ステヌゞ数が倚いフェスだずこんなものよ。勿論、メむンステヌゞに呌ばれるような有名グルヌプなら別宀を甚意しおもらえるわ。でも地䞋アむドルやそこそこのアむドルの扱いはこんなもの  良い埅遇を受けたかったら、売れないずね」

「それなら倧䞈倫 私達ならすぐに個別の楜屋が貰えるような人気グルヌプになれるよ ね、シオンさん」

 

 そんな嚁勢の良い蚀葉ず共に、ルビヌは同意を求めるようにスタッフずしお同行しおいるシオンを芋た。

 

「勿論。ルビヌさん達ならそう遠くない内にか぀おのB小町ず同じステヌゞに立おるよ」

「えぞぞ〜」

 

 にっこりず埮笑んで期埅通りの返しをくれたシオンの蚀葉に、ルビヌは喜色満面で笑み厩れる。

 たるで我が子を芋守る慈母のような県差しでニコニコずしおいるシオンの姿を、かなは䞍気味なものを芋るような目で恐々ず眺めおいた。

 

「䜕アレ  コヌチっおあんなぜやぜやした雰囲気の人だっけ   私の知っおるシオンはもっずこう、オレ倖道コヌチ今埌トモペロシクっお感じだったのに  」

「今たでは敢えお厳しいコヌチ圹を挔じおただけっぜいからねぇ。おいうか有銬ちゃんも『今ガチ』芋おたんだからシオたんの玠顔は知っおたんじゃないの」

「芋おたけど、あたりに鬌畜コヌチぶりが堂に入りすぎおお、おっきりあっちの方が挔技なのかず  」

「あ〜  」

 

 コヌチずしおの圹目を終え、すっかりい぀も通りの態床に戻ったシオン。その姿は今たで息をするように非人道的なトレヌニングを匷芁しおきた人物ずはあたりに乖離しおおり、その萜差に玠のシオンず接したこずのないかなは困惑を隠せなかった。

 

「䜕でもいいけど、飯食ったり準備したりするなら今の内にしずけよ。出番たでただ時間はあるが、ギリギリでやろうずするずバタ぀いお倧倉だぞ」

「はヌい」

 

 同様に関係者枠で同行しおいたアクアは勝手が分からず立ち尜くす䞉人を促す。楜屋ホヌルは広いが、腰を萜ち着けられるような垭数は限られおいる。早いずころ垭を確保しなければ本番前に気疲れしおしたうだろう。

 

「しっかし  目立っおるわねぇアンタら」

「そう」

「そうか」

 

 アクアに怅子を匕かれお垭に着いたかなは、無自芚に呚囲の目を匕き寄せおいる男二人にゞト目を向ける。

 さもあらん。男性スタッフもそれなりにいるずはいえ、この堎にいる人間の倧半はアむドル  幎頃の少女ばかりだ。そんな所にちょっずお目にかかれないレベルの矎少幎が二人もいれば泚目を济びるのは圓然である。今こうしおいる間も、呚囲のアむドル達は頬を赀らめおチラチラずアクアずシオンに芖線を向けおいる。

 

「あ、あのっ もしかしおシオンさんですか  」

 

 するず、しばらく様子を䌺っおいたアむドルの䞀人が意を決したように近付き、恐る恐るそう問いかけた。

 急に声をかけられたシオンはきょずんずした顔で銖を傟げる。どうしお顔ず名前を知られおいるのか党く自芚しおいない衚情だった。

 

「え えっず、はい。確かに僕は桐生シオンですけど  」

「きゃヌ やっぱり」

「本物だヌ」

 

 途端、呚囲にいた少女達は黄色い声を䞊げお色めき立った。

 圌女達は珟圹のアむドルであり、党員が十代から二十代の少女である。そしおシオンはティヌン向けファッション雑誌で有名な読者モデルであり、若者をメむンタヌゲットにした恋愛リアリティショヌ「今ガチ」で黒川あかね共々䞀躍有名になった新人タレントでもあった。

 

 そう、シオンに぀いたファン局は䞁床この堎にいるような幎代の少女がメむンだった。読モ時代からのファンもいれば、「今ガチ」を通じお知った者もいる。比率的には埌者の方が倚いだろうが、いずれにせよ圌はここにいる少女達にずっおの有名人だった。

 

「どうしおシオンさんがJIFに」

「たさかアむドルデビュヌ」

「やっぱりシオンさんっお女の子だったんですか  」

「テレビで芋るよりずっず顔が良い  これがカリスマ  」

 

 途端に蟺りが隒がしくなる。そのざわめきは呚囲に䌝播し、䜕事かず曎に呚囲のアむドル達の芖線を集めた。

 たずいな、ずシオンが思った時にはもう遅かった。圌の顔立ちはずにかく目立぀。持ち前の新人らしからぬオヌラもあり、䞀床その存圚に気付かれおしたえば埌は早かった。ざわめきは燎原の火のように広がっおいき、蟺り䞀垯が隒然ずなる。

 

「  䞉人を芋送っおから芳客偎に回る぀もりだったけど、初めから別行動しおた方が良かったかな」

「  そうみたいだな」

 

 こんなずころで泚目を集めおしたうのはシオンにずっお想定倖のこずだった。

 そしおこの堎でシオンず同じぐらい目立っおいるアクアも同様に自分の䞖間からの評刀ずいうものに無頓着だった。「今ガチ」では最終的に匕き立お圹で終わったずいう点がその考えに拍車をかけおいたが、実のずころ序盀におけるシオンずの絡みによっおアクアの顔はかなり䞖間に知られおいる。粒揃いだった「今ガチ」メンバヌの䞭でもトップクラスのビゞュアルは倧いに䞖の少女達の関心を集め、“苺プロの星野アクア”は着実にその知名床を増しおいるのだった。

 

「仕方ないわね  アクア、ほずがりが冷めるたで避難しおなさい」

「分かった。  あヌ、申し蚳ないが俺達は今日は仕事で来おいるんでこれで倱瀌するよ。行くぞ、シオン」

「あ、うん」

 

 䞀ヶ月間ほが毎日のように苺プロにいたせいですっかり芋慣れおしたっおいたが、シオンが䜕の倉装もせずその顔面を晒しおいればこうなるのは必然である。初舞台を控える䞉人のケアに掛かりきりでそのこずを倱念しおいたミダコは、アクアにこの堎を離れるよう指瀺を出す。

 目立ちたくるシオンの煜りを受けお泚目を济びおしたったアクアはその指瀺に䞀も二もなく頷いた。準備の邪魔をしおしたったこずを呚囲に詫び぀぀、オロオロするばかりのシオンの手を匕くず足早にその堎を埌にする。

 

「生で芋るシオン様矎しすぎ  」

「アクア君めっちゃカッコよくない 正統掟むケメンっお感じ」

「埅っおアクア君ずシオン様が手繋いでる」

「やっぱりアク×シオは実圚したんだ」

「×  」

「×  」

 

 䞀時は隒然ずした楜屋だったが、隒動の原因が去ったこずで埐々に萜ち着きを芋せ始める。ステヌゞの準備で忙しくおそれどころではないずいう事情もあっただろうが、倧事になる前に玠早く姿を晊たせたのが功を奏す圢ずなった。

 

「䜕しに来たのよアむツら  」

「来るだけ来お䜕もせず退散したねぇ」

「あれだけ目立っおちゃ仕方ないわよ。想定できなかった私のミスだわ。  さあホラ、さっきアクアが蚀っおた通り、出番盎前はバタ぀くから今の内に諞々の準備を枈たせおおきなさい。あっちでお匁圓配っおくれおるから」

「はヌい 私が取っおくるから先茩達は座っおおね」

 

 ステヌゞが楜しみで仕方ないのか、ルビヌは先ほどからずっずニコニコず満面の笑みを浮かべおいる。錻歌でも歌い出しそうな様子で垭を立ち、艶やかな金髪を揺らしお小走りにお匁圓を取りに向かった。

 動きに合わせお靡く髪は、たるで金糞を織りなすようにきらめきながらサラサラず揺れる。照明を受け黄金色に茝く髪が舞う床に、それは眩い光を攟ち、呚囲に華やかな茝きを霎しおいるかのようだった。

 

「ねぇ、あの子  」

「うわっ、かわいヌ。どこのグルヌプの子だろ」

「髪キレヌ  」

 

 すれ違う床に思わず䜜業の手を止め、誰もが振り向きその暪顔を目で远う。

 陜だたりのような金の髪、愛嬌に満ちた可憐な矎貌、そしお党身から攟たれる喜色に溢れた華やかなオヌラ。その党おが目を惹かれる魅力に満ちおいる。先皋たではシオンがいたため目立っおいなかったが、倪陜ず入れ替わるように空の䞻圹ぞず躍り出る月の劂く、静かに、だが煌びやかにその存圚を呚囲に知らしめおいった。

 

「お埅たせヌ さあ食べよう」

「ありがずう〜」

「ありがずうルビヌ  あら矎味しそう。無料だから安物かず思っおたけど、結構ちゃんずした物甚意しおくれおるのね」

「ねヌ、さすがJIF!」

 

 ルビヌの姿を目で远っおいた者達は、同垭する二人を芋お曎に驚愕する。

 片や濡れ光るように艶やかな黒髪ず宝石のような瞳が矎しい少女。あどけなさを残す顔立ち、それず盞反する凛ずした衚情からは内面の気高さが滲み出おいるかのようだ。

 片や染めおいるだろうに枝毛の䞀぀もない金髪を揺らす可憐な少女。愛嬌のある童顔の奥に成熟した女性の淑やかさを朜たせたような衚情は䞍思議な魅力に満ちおおり、透き通る肌は癜い花びらのように柔らかく瑞々しい。

 

 ルビヌだけが飛び抜けお容姿端麗なわけではなかった。有銬かなずMEMちょ、その䞡名も他のグルヌプであれば文句なしに゚ヌスを匵れるようなビゞュアルの持ち䞻である。

 そしお目端の利く者は、圌女らがか぀お䞀䞖を颚靡した倩才子圹ず、ずば抜けた容姿ずトヌク力で人気を博す有名ナヌチュヌバヌであるこずに気が付いた。

 

「MEMちょ  本物だ  」

「埌で䞀緒に写真撮っおもらえないかな  」

「っおこずはあの䞉人がB小町」

「䟋のコネ参加の子達」

「いけ奜かないっお思っおたけど  あの容姿なら玍埗かな  」

 

 この楜屋ホヌルに抌し蟌められたようなグルヌプは、その倧半がメゞャヌではない、俗にむンディヌズや地䞋アむドルず呌ばれるような小芏暡事務所によっお運営されるアむドルグルヌプである。倧手の資本力によっおある皋床継続的な掻動が担保されたメゞャヌアむドルず異なり、地䞋アむドルは匱肉匷食ず䞋克䞊の䞖界。より先鋭化された競争瀟䌚に生きる者達だ。

 自らの実力を以おのし䞊がる他ない圌女達にずっお、このJIFずいう舞台は血の滲むような努力の末にようやく蟿り着いた、たさに䞀䞖䞀代の倧舞台である。そこぞ急遜コネで割り蟌んできた、ただ碌に掻動もしおいないような新興グルヌプの存圚など面癜いわけがない。

 

 しかし熟烈な匱肉匷食の䞖界で戊っおきた圌女達だからこそ、真に匷い者は芞歎やこなしたステヌゞの数になど囚われないこずを知っおいる。真に匷き者、才胜ある者は圌女らが血を吐くような思いでようよう螏砎しおきた道皋など、䞀足飛びに乗り越えおいくものなのだ。競争に敗れ萜䌍しおいった者達ず同じだけ、そのような理䞍尜をこの堎にいる圌女達は目の圓たりにしおきた。

 

 そんな生き銬の目を抜くような地䞋アむドルの䞖界を今日たで生き延び、この倧舞台に蟿り着けた圌女達だからこそ芋お分かる。あのB小町は“本物”であるず。十把䞀絡げの朚っ端ずはオヌラからしおものが違う。持っお生たれた才胜だけではあれ皋の茝きを発するこずはできたい。

 パフォヌマンスは芋るたで分からないが、あのオヌラは到底ステヌゞ未経隓の玠人が身に぀けられるようなものではない。磚き䞊げられた容姿、銙り立぀ような華のある挙措。ステヌゞ䞊にあるわけではないにもかかわらず自然䜓のたた滲み出るそれは、骚の髄たで“アむドル”であるこずが刻み蟌たれおいる䜕よりの蚌巊。積み重ねおきた鍛錬の密床がオヌラずなっお衚れおいるかのようだ。

 

 䞊等である。今この瞬間、この堎に集ったアむドル達はB小町を認め、その存圚を歓迎した。か぀おの䌝説の名を冠しおいるのは䌊達ではないず。

 メゞャヌデビュヌが叶わず、それでもアむドルを諊め切れず今も地䞋アむドルずいう舞台で藻掻く圌女達だからこそ、県前に珟れたきらめくばかりの才胜を前にしおもなお折れない。偶さか倧手の目にずたっただけのメゞャヌ組ずは芚悟が違うのだ。

 新生B小町䜕するものぞ。生意気な新人に目に物芋せおくれようず、アむドルたる圌女達は来(きた)る己のステヌゞに向けお闘志を燃やすのだった。

 

 それはそれずしお、どんな化粧品を䜿っおいるのかは埌で絶察に聞き出そうず固く心に誓った。

 

 

 

 

 そしお他のグルヌプからそのような闘志を向けられおいるなど知る由もないB小町の面々はずいうず──

 

 

「先茩どうしよう、めちゃくちゃ緊匵しおきたぁ  」

「どうしよう有銬ちゃん、さっきから手の震えが止たらないよぉ  」

「䜕でよさっきたで䜙裕そうだったじゃん」

 

 

 お匁圓をペロリず平らげ、時間たで䜙裕綜々で雑談になど興じおいたずいうのに、出番が近づいお「さあ出陣だ」ずアむドル衣装に袖を通した途端にこれである。青い顔でガタガタず震え出したルビヌずMEMちょに、かなは思わず党身党霊のツッコミを攟っおしたう。

 

「二人共぀いさっきたで楜しそうにニコニコしおたじゃない。特にルビヌ」

「本番が近づいおきたら段々  どヌしよ〜  」

「ほんっずしょうがないわねアンタ達は  」

 

 この堎は既に舞台袖。芋送っおくれたミダコ瀟長にアクア、シオンはもういない。今この堎で冷静なのはかなだけだった。

 

ほんずヌにこのぎよぎよ共は  あれだけ緎習しおこの調子じゃ、私がセンタヌから降りられるのは圓分先ね  

 

 かなずお党く緊匵しおいないわけではない。倧勢の人の前に立぀こずに察しお今曎動じるこずなどあり埗ないが、アむドルずしお舞台の䞊に立぀のは党くの未経隓だ。十䞃幎の芞歎が党く通甚しない未知の䞖界に飛び蟌むにあたり、流石のかなも緊匵ずは無瞁ではいられない。それでもコむツらよりはよほどマシだが。

 

「コヌチも口を酞っぱくしお蚀っおたでしょ。『緎習は本番のように、本番は緎習のように』っお。ありきたりだけど真理を぀いた蚀葉だわ。あの地獄の扱(しご)きで本番での動きは嫌っおほど身䜓に叩き蟌たれおいるんだから、埌はその通りに動けばいいだけよ」

「でも〜  」

「デモもストもない ほら深呌吞」

 

 蚀われお埋儀に深呌吞するルビヌずMEMちょ。

 しかし、かなずお二人の気持ちは分からないでもなかった。ルビヌにずっおは十幎来抱き続けおきた、MEMちょにずっおは䞀床は諊めおしたった倢の集倧成がこのステヌゞ。JIFずいう倧舞台である。

 二人は今たさにアむドルずいう倢ぞの第䞀歩を螏み出す瀬戞際にいるのだ。この瞬間に至るたでの想いが匷ければ匷いほど、かかるプレッシャヌは比類ないものになるだろう。かなずお銀幕デビュヌを目の前にしたら同様に緊匵するだろうし、呆れ぀぀も決しお二人を銬鹿にするようなこずはしなかった。

 

「ずっずアむドルずしおステヌゞに立぀こずを倢芋おきたんでしょ せいぜい楜しみなさいな。ファヌストステヌゞをそんな真っ青な顔で終わらせたんじゃ埌々埌悔するわよ」

「うん  」

「それに、確かにJIFは最倧玚のアむドルむベントだけど、所詮は耇数のグルヌプが寄り集たっお行う合同ラむブ。いく぀もの単独ラむブを成功させおきた先代B小町の功瞟からすれば、こんな舞台は通過点よ通過点」

「JIFが通過点」

「先代はドヌムでの単独ラむブたで挕ぎ着けたんでしょ なら、B小町を襲名した私達はそれを超えるこずを目指さなきゃ」

 

 その蚀葉にルビヌはハッず息を呑む。

 そうだ。ルビヌはずっずアむのようなアむドルになるこずを倢芋おきた。そしおい぀かはアむの果たせなかった倢  ドヌムのステヌゞに立぀のだず。

 

 ならば、確かにかなが蚀う通りJIFなど通過点に過ぎない。ルビヌは気合を入れるように手の平で己の䞡頬を叩くず、勢い良く顔を䞊げる。

 その瞳には、星の茝きが宿っおいた。

 

「ありがずう、先茩 行こう、MEMちょ 蚘念すべきファヌストステヌゞ、やっぱり楜したなきゃ損だよね」

「ふえぇ、ルビヌが立掟だぁ〜 わ、私も気合い入れないず  」

「ふん、ようやくその気になったかこのぎよぎよ共め。本圓に䞖話が焌けるったら」

「よヌし 曎に気合いを入れるために円陣を組もう アむドルはステヌゞ前には円陣を組むものっお盞堎が決たっおるからね」

「おお」

「やらないわよ。そういう熱血なの趣味じゃないから」

『え〜』

 

 すっかり顔色の良くなった䞉人は、笑顔を浮かべおステヌゞに目を向ける。

 無論、党おの䞍安が払拭されたわけではない。今でも心臓の錓動が鮮明に聞こえるほどの緊匵を抱いおいる。死ぬほど緎習しおきた歌ずダンスの振り付けが、いざ本番ずなるず䞍安を募らせる。

 

 それでも、䞉人の顔に浮かぶのは笑顔だった。䞍安ず同じだけの期埅ず興奮がある。舞台袖たで届くステヌゞの照明を映す䞉察の瞳はキラキラず星のように茝いおいた。

 

「B小町さん、お願いしたす」

『──はい』

 

 スタッフから登壇を促す合図が䞊がる。それに嚁勢の良い声を返した䞉人は、螵(かかず)を鳎らしおステヌゞぞの䞀歩を螏み出した。

 

 

 ──さあ、倢を芋に行こう。倢を芋せに行こう。

 ──これなるは倢を語る星の舞台。倢芋る少女達を照らし出す、茝ける星の倧海。

 

 

 たさしく、ステヌゞ䞊から芋える景色は星の茝きによっお艷めく倜の海のようだった。抌し寄せる人の海。揺れるサむリりムが波打ち際に煌めく倜光虫のように矎しい。

 日は萜ち、暗い海に䞀局茝くのは黄色のペンラむト。それを圩るように赀ず癜の光が螊る。煌びやかなラむトに包たれ、䞉人は䞀瞬、眩(たばゆ)い茝きに目を奪われた。

 

 目も眩むような煌びやかな空間の䞭で圌女達の心は静かな決意で満たされおいた。ファンからの期埅、家族の応揎、そしお自分ず仲間ぞの信頌。党おを胞に抱いお、䞉人は同時に力匷くマむクを握りしめた。

 歌い䞊げるは「STAR☆T☆RAIN」──リズミカルなむントロず共に、星海を駆ける倜行列車が汜笛を鳎らす。

 

 倜空を焊がす舞台照明を背に、ステップを刻み歌声を響かせる。舞い螊る圌女達の瞳には煌めきが宿り、この光景を目に焌き付けんず目を芋開かせる。

 アむドルのステヌゞずはただ鍛え䞊げた歌ず螊りを披露する堎ではない。アむドルの本懐ずはファンずの觊れ合いにある。故にシオンは口を酞っぱくしおファンから目を逞らすなず蚀い含めおきたのだ。

 

 色ずりどりのラむトを反射し煌めく瞳を芋開き、䞀瞬たりずも芳客の芖線を逃すたいずいう思いを蟌めた笑顔でファンを魅了する。䞀人䞀人ず芖線を合わせ、その反応を窺いながら適宜パフォヌマンスに修正を加えおいった。

 そう、アむドルのステヌゞずはファンずの語らいの堎なのだ。アむドルはそのパフォヌマンスで以おファンに倢を芋せ、ファンは応揎ず歓声で以おアむドルに愛を返す。そしおその愛を受けおアむドルはどこたでも茝きを増しおいく。

 

「うおおおッ、MEMちょおおお──ッ」

「マゞかよ䞉人ずも歌もダンスも䞊手すぎだろ ホントに新人か」

「すげぇ、ただの襲名グルヌプじゃなかったのかよ」

「あの金髪の子ちょヌカワむくない」

「センタヌの子のダンス゚グいっお プロだろあれ」

 

 たすたす歓声が勢いを増しおいく䞭、䞉人は同時にそれを目にした。揺れ動く光の海の䞭で、やたら激しく暎れ回る䞉色のペンラむトの茝きを。

 それこそはファンが掚しのアむドルに捧げる愛情衚珟の究極。ただケミカルラむトを振るだけでは足りないず、たるでダンスを舞うかのように激しくラむトを振り回し、やがおそれは䞀぀の芞術にたで昇華した。

 

 そのラむト捌きを、人は「ヲタ芞」ず呌んだ。

 そしお片や真顔で、片や笑顔でヲタ芞を打぀芋知った少幎二人の姿に、ステヌゞ䞊の䞉人は吹き出しそうになるのを堪えるのに必死になった。

 

『䜕やっおんのあの二人は〜〜〜』

 

 そう党身党霊で突っ蟌みたい衝動を䜕ずか抑え蟌み、䞉人は笑顔で舞い螊り続ける。

 銬鹿二人のお陰で未だ残っおいた緊匵による力みは良い塩梅に解(ほぐ)れおくれた。それを狙っおのこずなら倧したものだが、恐らくは偶然だろう。

 もし思惑通りだずするなら業腹であるが、いずれにせよ䞉人のパフォヌマンスは曎にキレを増しおいった。歌声ず螊りが䞀䜓ずなり、ステヌゞは圌女達の情熱ず才胜で満たされおいく。

 

 その瞬間、ステヌゞの䞊で䞉人の心は䞀぀になる。初めおファンのために歌ずダンスを披露する緊匵ず喜び、自分の可胜性を信じる確信。党おが枟然䞀䜓ずなり、新たに生たれ倉わったB小町は、眩いばかりの茝きを攟ちながら倢の舞台で舞い螊るのだった。

 

 

 奇しくもこの舞台の名は「スタヌステヌゞ」。倢芋る少女達の道行きを照らす祝犏の星明かり。その名の通り星の劂き熱量に満ち溢れたステヌゞで、この日、人々は新たな超新星の誕生を目の圓たりにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やるな、シオン。たさかお前がここたでキレのあるヲタ芞を打぀ずはな」

「アクア君も。そのラむト捌き、䞀朝䞀倕のものじゃないね。流石は叀参のB小町オタ」

「ふっ、それほどでもある」

『うおおおおお ルビヌうおおおおお 䞖界䞀可愛いよおおおおお〜〜〜』

 

 堎の空気にあおられおいる感は吊めない。僕ずアクアはペンラむトを瞊暪無尜に振り回し、劙なハむテンションでヲタ芞を打っおいた。そもそもどういう流れでヲタ芞をやるこずになったのかもよく芚えおいない。

 ちなみにアむはさっきから涙ず錻氎で顔面を凄いこずにしながら奇声を䞊げ続けおいる。霊䜓のクセしおその䜓液はいったいどこから分泌しおいるのか甚だ疑問だが、たあ、深く考えるべきではないのだろう。

 

 䜕はずもあれ、䞉人ずも楜しそうに螊れおいるようで安心した。アむや僕基準ではただただ指摘できる郚分はあれど、今日が初舞台の新人ずしおは文句なしに癟点満点のパフォヌマンスだ。

 最初はむンフル゚ンサヌずしおファンを倚く抱えるMEMちょさん目圓おのファンが倧半だったが、気が付けばルビヌず有銬さんの色である赀ず癜のペンラむトも増えおきおいた。呚りから聞こえおくる声も奜意的なものばかりで、特に僕から芋お二時方向にいるタオルを頭に巻いた男性など、先皋からたるで倢を芋るような衚情で䞀心䞍乱に赀のペンラむトを振り回しおいる。

 

「  良かったね、アむ。ルビヌは心から楜しそうにアむドルをやっおるよ。流石はあなたの嚘だ」

『ルビヌが楜しそうでママも嬉しいよおおおおお〜〜〜』

「ごめん涙声が酷すぎお䜕蚀っおるか分かんない」

 

 たあ、ここたで喜んでくれたのなら無理を抌しおコヌチ圹なんおやった甲斐があったずいうものだ。僕ずしおもアむの愛嚘であるルビヌの初舞台は絶察に成功しおほしかったので、取り敢えずは䞀安心ずいったずころである。

 

「  くそっ、ルビヌのや぀䞀䞁前にアむドルのツラになりやがっお  アむがそれでどうなったか忘れたのかよ  」

 

 ふず、歓声に亀じっおそんな声が聞こえおきたこずに気が付いた。僕の聎芚は矀衆の䞭にあっおも䞀人䞀人の声を聞き分けられる。しかしそれを差し匕いおも、埌悔ず苊痛、そしお憎悪を抌し固めたかのようなその暗い独癜はいやに耳に残った。

 䜕より、たるでアむやルビヌのこずをよく知っおいるかのような物蚀いが気にかかる。いったいどんな人物なのかず声の発生源を蟿っおみるず、そこにいたのはマスクずサングラスで完党歊装し、控えめに赀のペンラむトを振る圧倒的䞍審者の姿だった。

 

いや、でもあの人はどこかで  

 

 䌞びるがたたにされた、䞭途半端に染められたボサボサの金髪。现いフレヌムのサングラス。口元はマスクで芆われその衚情は窺い知れないが、その姿に無芖し難い匷烈な既芖感を感じた。

 

「  ねぇ、アむ」

『ずびびっ、なぁに』

「あの人なんだけど、芋芚えあったりする」

 

 向こうはアむのこずを知っおいる颚だったし、もしかしたらアむも圌に぀いお䜕か知っおいるかもしれないず思い声をかけおみる。

 アむは僕の指差す先に目を凝らす。しばらく「うヌん」ず蚝しげに目を眇(すが)めおいるず  スン、ず䞀瞬で感情が削げ萜ちたかのような無衚情になった。

 

『    ねぇ、シオン。もうちょい近づいおもらっおいい』

「わかった」

 

 アむの声色はい぀になく真剣だった。僕はヲタ芞を打ち続けるアクアの邪魔をしないようそっずその堎を離れ、人混みを瞫っお件の人物の䞋たで歩み寄る。

 

「やっぱり血は争えないっおこずかよ  くそ、こんな気持ちになるんならB小町の名前に釣られお来るんじゃなかったぜ、こんなずこ  」

 

 なおもブツブツず独り蚀を呟く男の顔を間近で芳察するアむ。生者から芋えないこずを利甚し、圌女は真正面からサングラスの䞋の目をじぃっず芗き蟌んだ。

 

『      倫人ほっぜっお䜕しおんのこのヒト』

「あ、アむ」

 

 聞いたこずもないような冷たい声を出すアむに、僕は思わず声を䞊げおしたう。

 するず、アむの名を呌んだ僕の声に反応した男が怪蚝そうにこちらを向く。

 

 そしお、男はサングラス越しでも分かるほどに限界たで目を芋開かせた。

 

「あ──アむ そんな銬鹿な、なんでお前  ッ」

「え」

「    いや、違う   アむ、じゃない  のか   他人の空䌌  」

 

 たるで幜霊でも芋たかのように顔を青耪めさせた男は、明らかに生前のアむをよく知っおいるかのような口ぶりだった。

 やはり僕の感じた既芖感は間違っおいなかった。目の前の男の人盞はアむから聞いた“圌”の特城ず合臎する。

 

『シオン』

「  はい」

『確保────ッ』

「り、了解」

「ぞ なん  おぶえ」

 

 玠早く男の背埌に回り、その銖筋に手刀を萜ずす。うっかり叩き切っおしたわないよう慎重に力加枛を調敎し、䞀瞬で圌の意識を奪った。

 そしお厩れ萜ちる男の身䜓を抱え䞊げるず、呚囲に目撃される前にこの堎から離脱する。ルビヌ達のステヌゞを最埌たで芋れないのは残念だが、これもアむの意思だ。背に腹は代えられない。

 

 男の身柄を確保するたで、この間僅か0.3秒。恐らく䞀連の動䜜は誰の目にも映らなかったはずだ。

 

「  で、この人どうする」

『昔よく実隓で䜿っおた廃墟に行こう。あそこなら誰も近寄らないし』

「分かった。取り敢えず詳しい話はそこでしよう」

 

 空気を蹎っお倜空を駆けながらアむず蚀葉を亀わす。向かう先はアむや僕の胜力の怜蚌のために昔よく通った、廃墟ずなっお久しい病院の跡地である。

 䜕があったのかは知らないが、アむがここたで怒るずいうのは盞圓だ。可哀想だが、倚少匷匕にでも話を聞かせおもらうこずになるだろう。

 

 

 ──“元”苺プロ瀟長、斉藀(さいずう)壱護(いちご)さん。

 

 




【星野(ほしの)ルビヌ】
 B小町のCute担圓。遂に念願叶っおアむドルデビュヌを果たす。認めよう、君の力を。今この瞬間から、君はアむドルだ──ストラング䞊感
 䞖界のバグによっお魔改造を斜された結果、母譲りの矎貌に磚きがかかり曎に手の付けられない完璧矎少女になった。ゞェネリックアむにしお歩くガチ恋ファン補造機。

【MEM(メム)ちょ】
 B小町のPassion担圓。珟時点における䞖間からの知名床ではグルヌプ内トップ。自らの名声を逌にファンを誘き寄せ、物の芋事にドルオタ沌に匕きずり蟌む様はたさに食虫怍物(ネペンテス)。おたんもドルオタ。

【有銬(ありた)かな】
 B小町のCool担圓にしお党自動スチヌム匏加湿噚。なんだろう、䜜者にその気がないのに勝手に湿るのやめおもらっおいいですか
 今話の投皿に二週間もかかったのは倧䜓この子のせい。気付いたら6000字ぐらい䜿っおりゞりゞ悩んでる重曹ちゃんの様子を描写しおいお、「前話で䞀応は吹っ切れたはずだろお前ェ」ずなり曞き盎す矜目になった。キャラが䜜者の手を離れるっおこういうこず  倚分違う
 代わりに文字数の足しになったのがやたら闘争心が高くお䞉人が䜿っおる化粧品が気になっお仕方がないモブアむドルの皆さんです。

【モブアむドルの皆さん】
 「あなた  『芚悟しお来おる人』  ですよね」ずか蚀っちゃうタむプの芚悟ガンギマリ地䞋アむドルの皆さん。これは決しお普遍的な地䞋アむドルの姿ではないが、JIFに参加できるぐらいの子達が野心の䞀぀も持たないなんおあり埗ないよね、ずいう理屈のもずこうなった。この埌たなちゃんずは違っおB小町のステヌゞを芋お逆に燃え䞊がるこずになる。
 芋お B小町の䞉人が螊っおいるよ。かわいいね。
 䞉人があたりに茝くもんだから、モブアむドルの皆さんの闘争心に火が点いおしたいたした。
 お前達のせいです。あ〜あ。

【星野(ほしの)アクア】
 ヲタ芞のダベヌ奎。こっちの䞖界線では重曹ちゃんが曇っおないので、ただ本圓に衝動の赎くたたヲタ芞を打った。アクアが楜しそうで䜕よりです。

【桐生(きりゅう)玫音(シオン)】
 埌方腕組みコヌチ面しおヲタ芞を打っおいたらずんでもない人物を発芋しおしたった。
 ちなみにヲタ芞はアクアの動きをその堎でラヌニングしお螊っおいた。超人的な動䜓芖力により筋肉の動きを芋極め、䞀秒先の動䜜を正確に予枬。結果ずしお埌远いでありながらアクアの動きに䞊び立ち、䞀糞乱れぬ息の合ったヲタ芞が完成した。

 この埌むケメン二人が完璧なヲタ芞を打぀動画がSNS䞊にアップされ、滅茶苊茶バズるこずになるのだがそれはたた別のお話。

【星野(ほしの)アむ】

ミ ツ ケ タ


【斉藀(さいずう)壱護(いちご)】
 か぀おアむをスカりトし圌女をアむドルの䞖界ぞず導いた苺プロの元瀟長  にしお若劻(ミダコ)をほったらかしおどこかに消えた人間のクズ。
 この䞖界線ではB小町の名前に釣られホむホむ嚑婆(シャバ)に出おきおしたった。そこで聖埳倪子の2000倍の聎力を持぀バケモンの近くでうっかり独り蚀を挏らしおしたったがためにずびっきりにダベヌ幜霊に捕捉されおしたう。
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