高市早苗首相、労働時間規制の緩和検討を指示 厚生労働相らに
高市早苗首相は21日、現行の労働時間規制の緩和検討を上野賢一郎厚生労働相らに指示した。新閣僚への指示書に「心身の健康維持と従業者の選択を前提」としつつ「働き方改革を推進するとともに、多様な働き方を踏まえたルール整備を図ることで、安心して働くことができる環境を整備する」と明示した。
2019年に施行した働き方改革関連法は、残業時間の上限を巡り原則として月45時間、最大でも100時間未満、年間では720時間と定める。違反した場合は罰則がある。施行から5年を過ぎた時点で見直すことを定めており、厚労省の審議会で労使の代表による議論が本格化している。今後の見直し論議に影響を与える可能性がある。
7月の参院選で、自民党は公約に「個人の意欲と能力を最大限生かせる社会を実現するため『働きたい改革』を推進する」とうたっていた。
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(更新)- 中北浩爾中央大学法学部 教授分析・考察
この政策は維新の政策要求には盛り込まれておらず、高市総理の総裁選の公約に「労働時間規制につき、心身の健康維持と従業者の選択を前提に緩和します」と謳われていました。雇用流動化から「新しい資本主義」へと転じていた小泉氏との連携を考えていた維新も、高市首相の意向を受けて、労働規制緩和に足並みを揃えていくことになります。岸田政権以来の「新しい資本主義」から、規制改革による成長戦略を一つの矢とするアベノミクスに戻ったようにみえます。高市政権が労働時間規制緩和を推進した場合、連合の主導の下、野党の立憲・国民・公明の連携が強まり、第一次安倍政権のホワイトカラーエグゼンプションの二の舞になる恐れもあります。
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(更新)
自民党の高市早苗総裁は2025年10月21日、衆参両院の本会議で第104代首相に指名されました。女性の首相就任は初めて。皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て高市内閣が発足しました。自民党と日本維新の会による連立政権となります。高市新政権に関する最新のニュースをまとめています。