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高市政権の行方

自民党の高市早苗総裁が初の女性首相に選出されました。高市政権の行方を追います。

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女性初の首相「素直に喜べない」 ジェンダーの専門家が抱く懸念

公明党の斉藤鉄夫代表との会談のため、自民党本部を出る高市早苗総裁=東京都千代田区で2025年10月10日午後1時半、手塚耕一郎撮影
公明党の斉藤鉄夫代表との会談のため、自民党本部を出る高市早苗総裁=東京都千代田区で2025年10月10日午後1時半、手塚耕一郎撮影

 21日の首相指名選挙で、自民党総裁の高市早苗氏(64)が日本では女性初の首相に選ばれた。

 女性の社会進出を阻んできた「ガラスの天井」が破れたが、高市氏のこれまでの保守的な発言に、ジェンダー平等を訴えてきた人たちからは「彼女は女性全体の代弁者ではない。素直には喜べない」との声が漏れる。

 「女性初の首相」への懸念とは何か。なぜ女性が首相の座を勝ち取ったのか。

 「タカ派で、フェミニストではない女性。そこが自民支持層に受けた」と分析する、フェリス女学院大の諸橋泰樹名誉教授(69)=女性学=に聞いた。【聞き手・木村敦彦】

 ――高市氏が女性初の首相になったことで、ジェンダー平等が前進する期待はできますか。

 ◆期待はできません。現在の日本社会では、形式的にも男女の平等ができておらず、(世界各国の男女の格差を示す)ジェンダーギャップ指数は148カ国中118位です。

 女性の総理大臣が誕生する意義が大きいのは確かですが、当然ながら女性ならば誰でもいいわけではない。やっぱり中身の問題、質の問題があります。

 女性だから革新的な思想をもっているとかリベラルだとか、そんなことはまったくありません。

 女性の総理は歓迎かと聞かれたら「イエス」と答えます。でも、高市さんだと保留の「バット(but)」がついてしまいます。

 ――いわゆる「ガラスの天井」を破ったという意義はありますか。

 ◆それはあると思います。女性のロールモデルの一つにもなるでしょう。

 「女性の総理が生まれるのはいいことだ」と世間に意識形成されると思う。ジェンダーギャップ指数も少し上がるでしょう。

 しかし、彼女は女性であることを時に押し出しながらも、あまりジェンダーに興味がないというか、アンチジェンダーという人に見えます。自分を女性のロールモデルとして位置づけてアピールするかは疑問です。

 ――逆に、ジェンダー政策が後退することへの懸念は。

 ◆もちろん…

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