CULTURE
元祖シティポップ・クイーン大橋純子が、〈新宿住友ビル〉の吹き抜けに腰かける!? 【磯達雄のCDジャケンチク!】
| Culture, Architecture, Design | casabrutus.com | text_Tatsuo Iso editor_Ai Sakamoto, Keiko Kusano ZINE『建築趣味 No.4』より転載
音楽のCDジャケットに描かれた名建築を週1回ご紹介する集中新連載【磯達雄のCDジャケンチク!】。音楽好きも、建築好きも、そうでない人も思わず膝を打つ、建築と音楽の新しい関係が見えてきます。
シティポップと西新宿の高層ビル街。70年代ならではの、都会的で洗練された組み合わせをどうぞ。
「シルエット・ロマンス」などのヒット曲で、抜群の歌唱力を誇った大橋純子が、夫でもある佐藤健のバンド、美乃家セントラル・ステイションと組んで制作した2枚目。ジャケット中央に腰掛けた大橋の後ろに続いているトンネル状の空間は、〈新宿住友ビル〉を縦に貫く吹き抜けである。この建物はチューブ構造を採用した超高層ビルで、平面は特徴的な三角形を採っている。それにならって吹き抜けの形状も三角形で、真下から見上げたイメージは万華鏡のようだ。
西新宿の浄水場跡に50階を超える高さのビルが次々と建てられ、東京のスカイラインが一気に変わったのは1970年代のこと。この時期はシティポップと呼ばれる音楽が始まった頃でもある。大橋もその担い手のひとりだった。
表題曲「クリスタル・シティー」の歌詞には、西新宿の超高層ビル街が最先端の場所だった時代の雰囲気が刻印されている。
「走る高速道路は光の帯ね このまま行けばマンハッタン」(作詞:竜真知子、作曲:佐藤健)
西新宿の浄水場跡に50階を超える高さのビルが次々と建てられ、東京のスカイラインが一気に変わったのは1970年代のこと。この時期はシティポップと呼ばれる音楽が始まった頃でもある。大橋もその担い手のひとりだった。
表題曲「クリスタル・シティー」の歌詞には、西新宿の超高層ビル街が最先端の場所だった時代の雰囲気が刻印されている。
「走る高速道路は光の帯ね このまま行けばマンハッタン」(作詞:竜真知子、作曲:佐藤健)
CDジャケンチクとは?
「CDジャケンチク」とは、「CDジャケット」と「ケンチク」を合わせた造語で、「コンパクト・ディスクのジャケットに見出された建築」を意味。2024年末、建築ジャーナリスト磯達雄が刊行したZINE『建築趣味No.4 特集:CD ジャケンチク!』の中から、国内作品の一部を抜粋したのがこの集中新連載だ。
関連記事:CDジャケットが先か? それとも建築が先か?|集中新連載【磯達雄のCDジャケンチク!】
「CDジャケンチク」とは、「CDジャケット」と「ケンチク」を合わせた造語で、「コンパクト・ディスクのジャケットに見出された建築」を意味。2024年末、建築ジャーナリスト磯達雄が刊行したZINE『建築趣味No.4 特集:CD ジャケンチク!』の中から、国内作品の一部を抜粋したのがこの集中新連載だ。
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第1回:建築様式「ブルータリズム」をサウンドで表現したアレキサンドラ・アトニフとは?【磯達雄のCDジャケンチク!】
第2回:70年代がつなぐ、西新宿の高層ビル群とポップミュージック【磯達雄のCDジャケンチク!】
第3回:原宿の元祖・高級マンション〈コープオリンピア〉が内包する「進化」と「モダン」【磯達雄のCDジャケンチク!】
第4回:〈東京都葛西臨海水族園〉の透明感あるガラスドームが繊細なボーカルと響き合う【磯達雄のCDジャケンチク!】
第5回:ハマのビートと村野藤吾設計〈箱根プリンスホテル〉が出合う【磯達雄のCDジャケンチク!】
第6回:70年万博へのオマージュ!? 〈エキスポタワー〉と〈住友童話館〉を合体させると…【磯達雄のCDジャケンチク!】
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『建築趣味 No.4』 特集:CDジャケンチク!
一般書店での販売はなく、自主制作出版物の頒布イベントなどを通じて手売りしている。A5版・112ページ。1,100円。
磯 達雄
いそ・たつお 1963年埼玉県生まれ。88年名古屋大学工学部建築学科卒業。『日経アーキテクチュア』編集部勤務を経て、2000年に独立。02年より編集事務所フリックスタジオ、20年からオフィス・ブンガを共同主宰。桑沢デザイン研究所非常勤講師、武蔵野美術大学非常勤講師、早稲田大学芸術学校非常勤講師。著書に『昭和モダン建築巡礼』『ポストモダン建築巡礼』『菊竹清訓巡礼』『日本遺産巡礼』(いずれも日経BP)『日本のブルータリズム建築』(トゥーヴァージンズ)など。