中途半端に賢いと生きづらくなる
今まで、仕事やプライベートを通して、数百人くらいの若い子たちに勉強を教えたり、ビジネスで必要となるスキルの基礎を教えたりしてきました。
ほとんどの子は2~3年で私の手を離れて、それぞれ自分の道を歩んでいます。
ただ、残念ながら今でも勉強を続けている子は極々僅かです。
ほとんどの人は1年以内に脱落しますし、最初の課題である日商簿記3級やビジネス実務法務検定の3級すら受かりません。
運転免許より遥かに簡単なFP3級ですら受からない子もいるくらいです。
ほとんどの子が大卒(MARCHレベルを含む)なのですが、実質的な学力は小学生~中学生程度という人が多いです。
その中で、1年以上勉強を続けて、ある程度の難易度の資格に合格できる子は、ほとんどが名門大学の卒業者ばかりです。
一番賢かったのは東大院卒の子と一橋卒の子でしたが、彼らは私が教えなくても遅かれ早かれ成功していただろうと思っています。
私の過去の教え子の中で、最も長く勉強を続けていて、最も多く失敗しているのは、うちの秘書である管理人ちゃんです。
この子は今、大きめの企業グループの会社で法務部員をしながら、私の秘書兼動画編集担当として活躍しています。
最終学歴が専門卒であるという点を考えると、だいぶ成功している方です。
ただし、ポンコツ界のレジェンド級選手なので、それはもう数え切れないほどの失敗を繰り返し、その都度私から怒られ、それでも持ち前の粘り強さで今でもまだ勉強を続けているというタイプの子です。
けして順風満帆ではないですが、根性がある子です。
そんな彼女もかれこれ10年近く細々と勉強を続けているので、一般人と比べると相当賢くなってきています。
若い頃に私の元部下として数年に渡ってスパルタ教育を耐え抜いただけあって、企業の法務部員としては十分すぎるくらいのスキルを持っていますし、契約書のチェックなども朝飯前です。
日商簿記2級もかろうじて持っているので、経理への配慮もできる良いスタッフだと思います。
今働いている会社でも評判は良いようです。
もっとも、地頭はそこまで良くないので、天才級とは当然いえません。
いわゆる「中途半端に賢い」という領域にいます。
高校の偏差値で例えるならば、65くらいでしょう。
このくらいの賢さにいる時期が、実は最も生きづらい時期なのです。
だからこそ、ここで終わってはいけません。
もう一段階上まで行かないと、ずっと辛いままです。
今日はそういうお話をします。
事前にミスがわかるほどには賢くない
今の管理人ちゃんのレベルは、言われたことをきちんとこなせるという水準です。
職場の上司又は私などからの指示を理解し、それをこなすことまではできます。
しかし、事前に自分のミスを予測したり、他の事情などを総合考慮して先を予測して回避できるほどの賢さはまだ持っていません。
どうしても自分の仕事に集中してしまって、周りを冷静に見渡せる余裕はないのです。
事後に分析できるほどには賢い
一方で、ある程度の分析力と理解力を有しているので、自分が犯す失敗の直前(数秒前)もしくは失敗の直後に、自分がとんでもないミスをしてしまったということはわかります。
もっといえば、どこのタイミングで何をしておけば防げたということまでは分析できます。
だからこそ、本人は死ぬほど悔しいと思います。
最近の管理人ちゃんはよくそれで泣いています。
気づくのがあと数秒早ければミスしなかったとか、昨日一瞬脳裏によぎったのにチェックしなかったからミスったとか、そういうのが非常に多くなってきています。
私も気づいたときは事前に助言や忠告をしているのですが、タスクに集中しているときは周りを見る余裕がないようで、あまり刺さっていません。
客観的に見ると予想通りというか、やるだろうなと予想がつくのですが、当の本人は一杯一杯になっているのでそのままギリギリまで気づかずに盛大に転びます。
そして悔し泣きをするという日々の繰り返しです。
本当に優秀な人間になる分岐点
本人は今とても辛いと思いますし、頻繁に悔しがっていますが、教育者としての私の視点から見ると成長を感じています。
なぜなら、このレベルまで来れる子自体が極めて少ないからです。
ほとんどの人間は、自分が無能であるということを自覚していません。
様々なミスをして他人に迷惑をかけているにもかかわらず、自分の失敗だと認識できていないのです。
自分が組織の中のお荷物で、邪魔にすらなっているような場合でも、自分は優秀で、必要とされていると勘違いしています。
これは中高年でも同じです。
会社で不要な人だと思われているのに、なぜか自己肯定感だけは高い中高年がたくさんいます。
そう考えると、自分の無能や失敗の原因を理解できている時点で、その子は結構優秀な子です。
今の管理人ちゃんは、本当の意味で優秀な人材になるかどうかの分岐点にいいます。
多くの人がこの壁を乗り越えられずに勉強を辞めていくので、比較的大きな壁だとは思いますが、頑張ってほしいところです。
ある日突然視野が広がる
このまま勉強を続けて、かつ、自分の犯した失敗の原因を一つ一つ潰していくと、ある日突然視野が広がる瞬間が来ます。
早い人では1~2年でそういう日が来ますし、遅くとも3年以内には来るでしょう。
それまでの辛抱です。
自分の失敗を直前で気付けるようなレベルになってくると、周りの似たような業務を行う人間の失敗も予想できるようになってきます。
ビジネスの世界では、日々誰かが失敗をしてくれるので学びの教材が周りに溢れているような状態です。
現に管理人ちゃんはここ数ヶ月で相当視野が広くなってきていて、職場にいる同僚たちの失敗を事前に予想できるようになって来ています。
このままいくと失敗する、このままいくと他の部署に迷惑がかかるなどの事象を事前に予測して、先回りできるようになってきているのです。
これはとても良いことで、会社組織を俯瞰して見られるようになってきている証拠です。
最近では、事前に失敗を予測して、先回りして対策するようにすらなってきています。
事前に他部署の人に注意を促したりして、失敗を未然に防ぐ工夫をしています。
ただし、彼女の会社にいるポンコツ(2人ほどいる)は、異次元レベルの人材なので、事前に管理人ちゃんが丁寧に助言をしたにもかかわらず、その助言を一切無視して盛大に失敗するので、他部署のメンバーと共にイライラしているようですが、それもまた組織でよく起こることです。
しかもそのポンコツは自分の失敗を他人のせいにして、逆ギレするそうです。
そういう人間を二度と採用しないようにするためにも、今のうちに特徴を細かく把握して、メモしておくと良いです。
自分が管理職になったときにそれが役に立ちます。
管理人ちゃんがこのまま視野を広げていき、かつ、専門的な知識と経験を身に着けていくと、近い将来マネージャーとしての目を持てるようになってきます。
会社全体を見渡して、いつ、誰が、どのような失敗をしやすいのかを事前に把握できるようになります。
それらの失敗を防止するために策を講じるのか、それともあえて失敗させて経験を積ませるのかは、マネージャー次第です。
そのような判断までできるようになってくると、管理人ちゃんも有力な管理職候補になるでしょう。
そしてもし出世できれば、年収がまた一段階上がります。
とても素晴らしいことです。
そうなるまで、絶対に勉強を辞めてはいけません。
中途半端に賢いという領域で止まってしまうと、一生辛いままの人生になるので、そこから一つ階段を登って、本当の意味での優秀層に入るべきです。
そうなれば年収も一気に上がって、どこの会社でも働けるようになります。
がんばって。


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