We are…Lethal Protector !!   作:ヌルノルヌール

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皆さん、ディスク厳選の調子はどうでしょうか

僕はボッコボコにされてます。なんで会心率ダメージ攻撃%ではなく貫通値に+2とかつくんだ

今回からです、原作介入してきます!



#10 CONTACT IN THE DARK

「赤牙組が大暴れするわ、ホロウ災害が起こるわ…相変わらず混沌としてるぜ。新エリー都は」

 

「何カッコつけてんだ?ホロウから出る度に心臓バクバクしてたくせに」

 

「もうだいぶ前の話だろ!今じゃもう…いや今でも少しビビってるけど……」

 

「変わらないな、ほら行くぞ。相棒」

 

「はいはい、ササッと終わらせて今日はピザパーティでもしましょうかね」

 

 

新エリー都、ヤヌス区、とある廃ビル内にて

 

廃ビルの中とは思えない程、大きな足音と銃弾の音が鳴り響いていた

 

「もうっ!しつこいわね!!」

 

独特なモニュメントの裏に3人の影

 

彼女たちは邪兎屋と呼ばれる何でも屋。彼女たちは赤牙組からとあるものを盗み出し、その追っ手から逃げるため廃ビルへと駆け込んでいた

 

しかし、数も多く、彼女たちは徐々に上層へと追い詰められていた

 

「おっ!窓だ! ニコの親分!! 窓から出られるぞ!!」

 

逃げ込んだ大部屋で、ビリーが指差した先には大きなガラスの窓。だが、その下はホロウであり、隣や下へ降りるための足場などはなかった

 

「でも、あの下はホロウで……ううん、そんなこと言ってる場合じゃないわね。とにかく外に出さえすれば……ビリー!! ガラスを割って!」

 

「楽勝! 任せとけ!」

 

ビリーが拳銃で窓ガラスを割るために勢いよく弾丸を放つ

 

しかし、キィィン!!という音を響かせて銃弾は窓に当たった瞬間に弾かれ、弧を描いて跳ね返った

 

見事な角度で部屋の天井に設置されたモニターアームを直撃し、固定されていた大型モニターが落下

 

「えっ?」

 

「……」

 

「あっ…」

 

ガンッ!!とモニターはビリーの頭上に直撃し、そのまま彼は地面に崩れ落ちた

 

「……弾かれた。丈夫そうね」

 

アンビーが呆れたように呟き、ニコも眉を寄せる

 

「ああ、もう。やっぱそう簡単には行かないか、この窓は…」

 

「強化した防弾ガラスだ。お前らじゃ……割れねぇよ。グスッ……」

 

呻くように、部屋の隅に立つ男、赤牙組の幹部であるシルバーヘッド・ミゲルが顔を上げる

 

その目は赤く、涙で濡れていた。

 

「なぜ……赤牙組の縄張りで盗みを働いた? それは俺の兄弟たちが苦労して手に入れた……くっ……」

 

その言葉に、アンビーの顔が強く険しくなり、ニコは手に持った金庫を懐に隠しながら話し出す

 

「研究所を襲撃して盗み出したのはアンタたちでしょ! 私はアンタたちから盗まれたものを取り返すって依頼を引き受けただけよ!」

 

ニコの前にアンビーが刀を構え、戦闘態勢を取ると、赤牙組の面々も銃を構えて一触即発の空気が張り詰める

 

ただひとり、ミゲルだけは目頭を抑え、天を仰いでいた

 

「ううっ……同じストリートを生きるもの同士じゃねぇか! なんだって治安局の為に働くんだよ?」

 

「残念だけど依頼人は治安局じゃないわ。ま、おっさんには関係ない話ね」

 

「関係がねぇ……? あるに決まってるだろ! おかげで赤牙組の縄張りに犬を放ったヤツを懲らしめなきゃ行けなくなったじゃねぇか!」

 

怒号を飛ばし一息ついて、ミゲルはどこか悲しげにニコ達に話しかけた

 

「本当に、本当にアレを返す気はねぇのか? 赤牙組とっちゃあ大事なものなんだ……お前らの命と引き替えにしたって構わねぇんだぞ……!」

 

静まり返る空気の中、ニコが眉を跳ね上げて笑う。

 

「たかだか三人相手に“怪物”から逃げ延びた全員が動くだなんて、これが『シルバーヘッドの涙』ってやつ?」

 

ニコの言葉にミゲルの顔が一瞬険しくなるも、すぐに弱々しい声で涙を流し出す

 

「……あの怪物だって、必ずこの手で殺してやるさ。兄弟たちを痛めつけ、縄張りを荒らして、シノギにまで手を出したんだからな。あの野郎、どんな手を使ってでも必ず……!」

 

日本刀を強く握り締め、自身の目が写った刃を見つめながら話すミゲルに欠伸をしながらニコは話を遮った

 

「……あー、その話だいぶ長くなりそう? 生憎私達、忙しいから……ビリー!起きる時間よ!」

 

「なんだと…?」

 

「うおっ!?」

 

「頼むから目を閉じるな……よッ!!」

 

倒れていたビリーが組員の足元から閃光弾を素早く奪い取った。勢いよくピンを抜く

 

次の瞬間、部屋中が真っ白な閃光に包まれた

 

「うわぁあ!?」

 

「目がぁああ!」

 

数人の組員たちは目を抑え、銃を手放して苦しんでいたがミゲルを含めた手練達は咄嗟に目を抑えており、すぐにニコ達を睨みつける

 

「……やっぱり、抵抗を選ぶのか。うぅ、ぐすっ……これじゃあてめぇらを皆殺しにするしかなくなっちまったじゃねぇか!!」

 

怒りの咆哮を上げたミゲルがニコに向かって斬りかかってくる

 

だがしかし、ニコは笑っていた

 

「ホホホホ! 勘違いしないでおっさん。アンタの相手は私達じゃなくて、あっちだ……よ……?」

 

バキィィッ!!っと耳障りなガラスの割れる音が、背後から響いた

 

そしてその直後、部屋の空気が一変する

 

ミゲル達の顔が怒りから恐怖へと変わり、ようやく回復してきた目をうっすらと開く組員たちは何度も目をこすっていた

 

冷や汗を流すニコの当初の予定では、閃光に反応して治安局の航空隊が上空に現れるはずだった

 

しかし、外から聞こえてきたのはエンジン音ではなくガラスをひび割らせるような圧迫音と、窓から差し込んでいた月や街の光を遮る巨大な“何か”の影

 

「ニコッ、危ない!!」

 

アンビーが咄嗟にニコへと飛びかかり、ビリーがタイミングよく2人をキャッチする

 

「見つけた、悪党……赤牙組の、ゴミどもだ!!!」

 

室内の全員が凍りついた

 

ニコたちのいる大きくて広い部屋でさえ小さく感じてしまうほど、全身を黒い粘体で覆い、光を吸い込むようなその体躯

 

黒衣の怪物(ヴェノム)”が現れたのだ

 

“虎を制して狼を食らうのが兎の知恵”

 

そんなことを考えていたニコだったが、いま目の前に現れたのは狼どころか、虎や龍すらも喰らう“怪物”だった

 

「ヴェノム…!! なんで貴様がここに…!?」

 

ガラスの破片を踏みつけながら、ミゲルが声を張り上げてヴェノムに近づく。目を見開き、しかしその声には僅かな震えが混じっていた

 

ヴェノムは笑みを浮かべて長い舌を覗かせながら腰を落とし、ミゲルに視線を合わせた

 

「どこにいようがオレ達の勝手だ。……強いて言うならそうだな、腰抜けの匂いがしたってとこか」

 

長い舌でミゲルの顔を舐め、背からは黒い触手がゆらゆらと揺れ、威圧するようにミゲルたちへと向けられていた

 

「新エリー都にいる暴力団は名前負けしてる連中が多いな。黒狼やら赤牙やら……どいつもこいつも、しっぽを巻いて逃げる腰抜けの子犬(パピー)ばかりだ」

 

「なんだと…!!」

 

ミゲルが怒りに顔を歪め、刀を抜いて更に一歩踏み込む。しかしその足は小刻みに震えていた

 

「間違ったことを言ってるか? オレ達を見てプルプルと震えてる今のオマエのどこに牙がある? あるのはせいぜい、生えかけの小さな小さな……乳歯だろう?」

 

「ふざけるなぁっ!!」

 

怒号とともにミゲルが渾身の力で刀を振り下ろす。だが刃はヴェノムの黒い肉体に吸い込まれ、まるで液体に飲まれたかのように刀ごと取り込まれてしまった。

 

「体を切りつけてきた。今からは“正当防衛”ということだ。つまりどういうことがわかるか?」

 

ヴェノムはミゲルの肩に左手を置いて右手を握りしめる

 

「オレ達はオマエを思う存分、痛めつけることができるってことだ」

 

ヴェノムの拳が振るわれ、ミゲルの体が宙を舞って壁へと叩きつけられる

 

その瞬間、組員たちが一斉に銃を構え乱射を始めた。弾幕がヴェノムへと降り注ぐ

 

ヴェノムは避ける素振りをみせなかったが、黒い粘体は一部を傘のように広げ、後ろにいるニコたちを守った

 

「えっ!? な、なんで……」

 

困惑するニコを見下ろし、ヴェノムは何も言わず赤牙組と戦い始めた

 

「ニコの親分!!チャンスだぜ!アイツら戦ってる間に俺達は割れた窓から逃げよう…げっ!」

 

バババッ、と外からヘリのローター音が響き、ライトが室内を照らした

 

「チッ、めんどくさいのが来たな…」

 

ヴェノムが舌打ちした直後、航空隊のスピーカーがけたたましく叫びだす

 

『こちらフクロウ4、こちらフクロウ4!! 長官!! ヴェノムを発見しました!! 繰り返します、ヴェノムを発見!!』

 

その直後、室内に転がっていたモニターには緊急報道特番の中継が映っており、その中でニュースキャスターが、あろうことか長官の通信機を奪い取り、画面越しに絶叫していた。

 

『何? ヴェノムと赤牙組の【新エリー都スラング】*1を発見したァ!? 何【新エリー都スラング】してんだ長官!!どっちも【新エリー都スラング】の【新エリー都スラング】共だ!!最大口径のやつを選んで諸共【新エリー都スラング】しろ!! 正、義、実、行だぁああああ!!』

 

ヴェノムが半目で画面を見つめ、ニコ達、赤牙組までもが驚愕の顔をしてモニターを見つめる

 

「顔は覚えた、アイツは悪党だな」

 

『フクロウ4、攻撃命令確認!』

 

閃光とともに空を切るミサイルが発射された瞬間、ヴェノムの黒い触手がしなやかに伸び、空中でミサイルを強引に掴み取る

 

「フンッ!」

 

ミサイルは軌道を逸れて下階へと叩き込まれた

 

爆音がビルを揺らし、建物はまるで悲鳴をあげるようにきしみながら大きく傾いた

 

床はもはや傾斜路。バランスを崩した人々は次々と滑り始めていく

 

「きゃあああああっ!!」

 

「ニコ!!」

 

「うおおお!?」

 

邪兎屋の面々、赤牙組の構成員たち、敵味方関係なく悲鳴を上げながら、下で大口を開けるホロウの奈落へと引きずられていく

 

「ニコ、掴まって!!」

 

だがアンビーが素早く刀を床へ突き立て、その柄を掴んで自らを止める。そして間一髪で滑っていくニコの手をとらえる

 

「うわ、やっばい…!ん?コレって…?ぐえっ!!」

 

「た、助かった…悪ぃ、ニコの親分……」

 

アンビーの手を掴んだニコは頭上から滑り落ちてくる何か掴み取り、それを眺めているとそのまま滑ってきたビリーが腰からニコにしがみついて、3人はなんとか滑落を免れた

 

「チックショー! 後でクレーム入れてやるからな!! 覚えてろ……うわっ!? ちょっと待て!! 2発目撃とうとしてねぇか!?」

 

ビリーが航空隊に向かって叫んでいるとすでにミサイルの再装填を終えていた航空隊がこちらを狙っていた

 

「……まずいわね、このままじゃ直撃するわ」

 

アンビーが冷静に状況を分析するが、顔は明らかに強張っていた。

 

「どどど、どうすんのよ!!」

 

「はぁあぁ…スターライトナイトなら、こういう時に追加戦士の救援が…」

 

「追加戦士やメテオマットじゃないが……オレ達がいる」

 

その声と共に、ヴェノムがビルの側面から跳び上がった

 

『なっ、せ、旋回して、迎撃し……』

 

彼の拳が空中のヘリコプターのフロントガラスをぶち破り、操縦席に手を突っ込む。次の瞬間には、操縦士と副操縦士が悲鳴とともに機体から引きずり出されていた。

 

「治安局はイカれてるのか? 下がホロウとはいえ、破片が周囲に落ちることを考えないのか!! 何人もの人を傷つける可能性は考えちゃいなかったのか!」

 

「ひぃいいい!!」

 

怯えた治安官たちは、空中で暴れるヴェノムに抵抗することもできず、触手に捕まれていく

 

怒鳴りながら、ヴェノムはヘリを隣のビルの外壁にベタリと貼り付けるように固定。捕らえた治安官たちは、その先端の触手にくっついたまま、まるで彫像のように空中に吊り下げられた。

 

「自分の行いについて……しっかりと深く、そこで反省してろ!!」

 

吐き捨てるように言い残し、ヴェノムはすぐさま下に目を向ける。

 

傾いた床の縁で必死にしがみつく3人へと触手を伸ばし、力強く引き上げ、そのまま裏路地へと飛び降り、闇へと身を消していった。

 

瓦礫と煙の向こうに残るのは、沈黙するヘリと、宙づりにされた治安官たちだけだった。

 

 

 

 

「治安局は腐ってやがる!チンピラと民間人相手にミサイル撃ってきたぞ!!」

 

爆発音が遠く尾を引きながら消えていく裏路地。その中でヴェノムが憤りを込めて叫んでいた

 

『俺達がいたとはいえ、さすがに異常だ。てか一般人の指示を聞くってどういう教育してんだ、マジで』

 

「やっぱり潰すべきだ、あんな奴ら! オレ達がいれば、あんな腐れ組織なんかいらんだろう!!」

 

ヴェノムの体のあちこちから突き出す触手が、興奮に呼応するようにうねる。ひときわ大きな一本が、そばにあった大きな金属ゴミ箱を握り潰すようにひしゃげさせた

 

『バカ言うな。アホなのは一部だけだ』

 

「上層部が腐ってるんなら、上層部の連中を全部ぶちのめそう!

何か一つが腐ってるから、他も腐っていくんだ。そうだろう?」

 

ヴェノムは、ガシリと廃タイヤを持ち上げて、ワイルドに噛みつき、引きちぎって壁へ放り投げた

 

そしてそれを物陰からこっそりと覗き見ていたのは、邪兎屋の3人――ニコ、アンビー、ビリー

 

助けてもらった(?)が裏路地に入り、下ろしてもらった後、ヴェノムから距離をとってその様子をしばらく眺めていたが自分たちを助けた理由どころかひとりで喋りだしたヴェノムにただただ困惑していた

 

「ひ、一人で喋ってる……?あぁもう、何がどうなってんの…?」

 

「昔映画で見たことあるわ」

 

アンビーが低い声でニコとビリーに囁く

 

「一つの体に五体の寄生生物が入り込んで、頭の中で会話してる悪役の出てくる映画よ。あれにそっくり…きっと彼もそんな感じよ」

 

「ありえない!映画の見すぎよ!…っていつもなら否定してたけど今回ばかりは本当にその可能性がありそうね……」

 

「ま、なんにせよさ!」

 

顎に手を当てているニコにビリーが笑いながら囁く

 

「俺達を助けてくれたんだし、メテオマットって言ってたよな!?アイツ、ゼッテー『スターライトナイト』のファンだぜ!!」

 

「おバカ!!」

 

ニコが小声でビリーの肩を叩く

 

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!? 私たちを助けたのも、もしかしたら……食べるつもりなのかもしれないじゃない!!」

 

そんな3人のヒソヒソ話をよそに、ようやく落ち着いた様子のヴェノムが、重々しい足取りで近づいてきた

 

「おい」

 

「「はいっ!!」」

 

巨体がズシン、ズシンと揺れながら近づくたびに、ビリーとニコの2人は思わず背筋を伸ばす。アンビーは腰の刀にそっと手を添え、背を伸ばしていたビリーもホルスターに手をかけていた

 

だがその緊張感を打ち破るように、邪兎屋の思いもよらない言葉をヴェノムは言い放った

 

「……怪我はしてないか?」

 

「「えっ」」

 

一瞬、時が止まったかのような沈黙

 

「……想定外のことが起きてるわね」

 

アンビーがポツリと呟く。口調は冷静だが、その目にはどこか困惑の色がにじんでいた

 

ヴェノムはゆっくりと3人を見回し、落ち着いた低音で言葉を継ぐ。その巨体に不似合いなほど、静かな声音だった

 

「オマエは機械人だな。壊れたりしてないか?」

 

唐突な問いかけに、ビリーが目を瞬かせる

 

「え、あぁ…おう! あのくらいじゃ壊れたりしないぜ!」

 

ビリーは肩を回し、胸を軽く叩いて見せた

 

「そうか」

 

ヴェノムの視線がアンビーへと移る

 

「銀髪の方は……かすり傷もないな。だが三人分を片手で支えてたろう? 異常があるなら、すぐに医者へ行け」

 

その言葉に、アンビーは目を細めて少し驚いたような顔をした。だが、すぐに小さく頷く

 

「……わかったわ。ありがとう」

 

「ピンク髪も外傷は無いな。無事で何よりだ」

 

今度はニコに向けられた言葉。しかし、ニコはそれに対して返事ができなかった

 

「…んぇ?」

 

思わず間の抜けた声を漏らし、目の前の怪物の態度に思考が追いつかず、ぽかんと口を開けたまま呆然と立ち尽くしていた

 

ヴェノムの言葉や仕草からは、ネットやメディアで語られる“凶悪な怪物”像とはかけ離れた印象を受けていたためだ

 

「さて。オレ達は、赤牙組のゴミどもを掃除しにホロウへ行く。オマエ達はさっさとここから離れろ。ホロウに巻き込まれるぞ」

 

それだけを言い残し、ヴェノムは裏路地の暗がりに触手を伸ばすと、夜の闇の中へと滑るように消えていった

 

しばしの静寂の後、ビリーが体をプルプルとふるわせて大きな声を出してアンビーに話しかける

 

「……〜〜!カッケーじゃねぇか!オレ達の安否確認までしてよぉ!」

 

「インターノットやメディアの一部の情報とは、かけ離れてたわね」

 

アンビーもぼそりと呟きながら、今の出来事を頭の中で反芻している

 

そしてようやく処理を終えたニコが頭を抑えながら立ち上がり、当たりを見回していた

 

「うぅ…あれ、ヴェノムは?」

 

「もう行っちまったぜ、親分。いやー、また会いてぇなぁ!」

 

「そ、そう。って、そうよ! 私達、依頼の途中だったわ! さっさとこの依頼品を届け……て……」

 

ニコがふと懐に手を伸ばし、ポン、と軽く叩く。しかし、そこにあるはずの金庫の感触がない

 

「び、ビリー! アンビー! 金庫! 金庫が無い!!」

 

パニック気味に叫ぶニコに、ビリーが慌てて手を上げた。

 

「えっ、俺見てねーぞ!? ってかアンビーに捕まってた時には親分、もう持ってなかったような…」

 

「て、てことは……」

 

アンビーが淡々と呟く

 

「依頼品はホロウの中……ってことね」

 

その言葉に、ニコはガクッとその場に膝をついた。ビリーも額に手を当て、うなだれる。

 

「ハイエナの巣からなんとか持ち出したと思ったら、今度は化け物の巣窟に依頼品を取りに行かないといけないなんて……」

 

「どうするニコ?」

 

アンビーが小さく尋ねると、ニコはゆっくりと顔を上げた。今の彼女の顔には、さっきまでの混乱も迷いもない。あるのはただ、覚悟を決めた“仕事人”の顔

 

不敵な笑みを浮かべながら、ニコは静かに呟いた。

 

「……“パエトーン”に頼むのよ」

*1
新エリー都のテレビでは流せないとんでもない悪口




長くなっちゃったから分割してだほうが良いかなとも思ったけどきりどころが分からなくなっちゃったのでそのまま出しちゃいました。

ヘリコプターのシーンはMarvel's Spider-Man 2のヴェノム操作のところを想像しながら書きました

あそこ楽しかったなぁ、単独作品とかでないかなぁ
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