「お帰りなさい、皆さん。お疲れ様でした」
「ただいま〜」
「お疲れ様です。先生、ケガはしてませんよね?」
“うん、大丈夫だよイチ”
なら良かった。先生は普通の人間らしいから銃弾なんて受けたら大怪我だ。しかしまぁ、よくこんな日常的に銃弾が飛び交う場所に来たな
「それにしても、イチと先生の連携は凄かった」
「そうですね〜、まるで何年も一緒にいる相棒の様でした☆」
「それが今日出会ったばかりなんですよ」
“そうなんだよね。不思議なことにイチとは何ていうか、目が合っただけで考えてることが手に取るように分かる……みたいな”
「それは凄いですね……」
「そんな事あり得るの?」
「信じがたいけど実際それぐらいのことをやったんだから信じるしかないよねぇ」
確かに、先生の指示は凄く分かりやすかった。敵の誘導とか、狙撃する場所とか、驚くほど的確だった。スレ民の言ってた先生を探すといいっていうのはこういうことだったのか
「まあ、アビドスの皆さんも凄かったですよ」
「ふふん、それほどでもある」
「あるんですか……」
実力に自信があるのかな、まあ確かにすごかったが。それにしてもたった5人か……そんなのでよく学校残ってるな。ここまで少人数ならもう廃校寸前だろ。スレ民から聞いた話では先生が何とかするらしいけど……うーん、一体俺に何ができるのだろうか……下手に介入しすぎるのもあまり良くない。でもせっかくここに来たなら何か爪痕を残しておきたい……ん?
なにか騒がしいと思い目を開けるとセリカさんが飛び出して行くのが見えた。おっと。ノノミさんも行ってしまった
「……何事?」
“聞いてなかったの、イチ?”
「ええ、すいません。少し考え事を」
そういった俺に先生は笑顔を浮かべながら“次からはちゃんと聞こうね”と優しく言い聞かせたあとに先ほど起きたことを説明してくれた。その後にホシノさんやアヤネさんから説明を受ける。なるほど、アビドスには借金があると……ふむふむ、9億6235万……9億!?え、何アビドスって序盤のストーリーじゃないの?重すぎるだろ。しかもそれ返せないと廃校になると……マジで廃校寸前だった。いやでもこれは……
「詰んだ」
“イチ!?そんな絶望した顔しちゃだめだよ!?
「いや9億って、完済の目処はあるんですか……?」
「限りなく0%に近いです……この借金のせいで元々この学校にいた生徒は諦めて去っていってしまいました……」
「それで残ったのは私たちだけ」
「……」
“ちなみに、借金した理由はなんなのかな?”
先生がそう聞くと、アヤネさんは説明してくれた。何やら郊外にある砂漠で起きた砂嵐が頭おかしい規模だったらしくていたる所が砂で埋もれ、砂嵐が過ぎても砂は溜まり続けたと。そしてその自然災害を克服するためにアビドス高校は多額の資金を投入せざるを得なくなったらしい。まあそんな巨額の融資をしてくれる銀行はなく、結局悪徳金融業者に頼るしかなかったと……
「なんていうか、全てが悪い方向にいってますね……」
「うん、まあでもイチ君や先生のおかげでヘルメット団っていう問題は解決したから、これからは借金返済に全力投球できるようになったってわけー」
「もし先生がこの委員会の顧問になってくれるとしても、借金のことは気にしなくていいよー。もちろんイチ君もね」
「うん、イチも先生も十分力になってくれた。これ以上迷惑はかけられない」
「と、彼女たちは言ってますがどうします?先生」
“もちろん、見捨てたりなんてしないよ。これからも一緒に頑張ろう”
「さすが先生。もちろん俺も手伝いますよ、何度も言っているように、一度乗りかかった船ですから。降りるなんてことはしませんよ」
そりゃそうだ。ここで逃げたらスレ民にクソほど煽られそうだし。個人的にもなんかほっとけないし。俺は俺なりにサポートするとしますか……
───────────────
改めてアビドスに協力すると宣言した俺はとりあえず街をブラブラしていた。自販機で水を買い、それを飲みながら歩いていると何やら見知った人達がいた
「2人ともおはようございます」
「なんでアンタまでいるのよ!ていうか馴れ馴れしくするな!」
「いいじゃないですか。どうせこれからも一緒なんですから」
「うっさい!私はアンタたちなんか認めないんだから!」
そう言ってセリカさんは走り去っていった
“イチ、追いかけよう”
「え?ああ、はい」
俺と先生は去っていったセリカさんを追って走り出す。一度は追いつくが、ストーカーと言われてしまった。何も言い返せなかった。だがそれでも先生は折れなかったため、どこに行くかだけは教えてくれた
「バイトよ!アンタたちと違って暇じゃないのよ!少しでも稼がなきゃいけないの!」
「先生、あまり刺激しすぎるのもよくないのでは?」
“うーん、でもどこに行くのか気になるし……”
「これ以上ついてくるならぶっ殺すわよ!?」
セリカさんはそう言って再び走り出した。流石にああまで言われては気が引けるのか、先生は追うのをやめた
「まあ、俺たちは学校に行きますか」
“そうだね”