主を失った狼、透き通る世界に行き着く   作:けんどーさん

123 / 127
ティーパーティーからの「お願い」

〜トリニティ総合学園〜

 

「へ〜、貴方達が噂の先生って人と…その護衛さん?あんまり私達と変わらない感じなんだね?なるほど…ふ〜ん」

 

「…ミカさん、初対面でそう言った話はあまり礼儀がなっていませんよ。愛が溢れるのは結構ですが、時と場所は選びましょうね」

 

「うぅっ、それは…まぁ…そうだけど」「……」

 

「ええっと、2人ともごめんね?まぁとりあえず、これからよろしくってことで!」”こちらこそ、よろしく”

 

「……よろしく、と言うが…」「…トリニティ外の方がこのティーパーティーの場に招待されたのは私の記憶では貴方達が初めてです」

 

「……」「普段は、トリニティの一般の生徒には招待されない席でして…」「あー、何それナギちゃん、ちょっといやらしい!恩着せがましい感じー!」

 

「…失礼しました、そう言った意図は無かったのですが…それはそうと、ミカさん?」「…あ〜…ごめん。大人しくしてるね、できるだけ」

 

しかしまぁ、やはり面妖なものだ。ここではどこもかしこも羽が生えた生徒が多い

 

もちろん無い生徒もいたが、あれだけ大きければ空を舞えるのではないだろうか

 

 

であればきっと空を飛び回る戦いが見れるのでは…??

 

 

「…では、あらためて」「……」

 

ナギサのその一言で狼は考えに耽るのをやめる

 

「こうして招待したのは…少々お願いしたいことがありまして…」”お願い?”

 

「おおっ、ナギちゃんいきなり?こう、もうちょっとアイスブレイクとかいいの?私とナギちゃんばっか喋ってるよ?」

 

「ほら、その護衛さんとか、お名前聞いて無いし…何より刀見てみたいな〜って!私刀なんて実際見るのは初めてだし!ティーパーティーって一応社交界なんだし?」

 

「………」「そんな綺麗な目で睨んでも、これはティーパーティーとしてのあり方の問題なんだからだめー!きちんとしないと!」

 

「…ミカさん、そう言ったことはあなたがホストになった際に要求してください、今は私がホストですので、私の方法に従ってくださいな

 

 

「……」「あはは…わかった…」

 

狼は肩身が狭くなる気分になった。自分はこう言った場は似合わない。ここはイズナから聞いた忍びの話らしく天井に張り付いているべき…

 

 

…今から天井に張り付き始めたらおそらく怪しまれると思い直し、置いてあるお菓子を一つ摘む

 

サク、と一度狼がお礼の品として持っていったクッキーを食べる

 

 

「……うまい」”ん、私も頂こうかな”

 

先生も続いてクッキーを一枚とり、食べる

 

“…おいしいね、市販のものとは比べ物にならないぐらい美味しい”「ふふ、そちらはトリニティでも人気なお店から仕入れた物です。お好みで紅茶に浸して食べる方もいると聞きますね」

 

「そうそう、こういうのでいいんだよこういうので、ね?ナギちゃん」「………」

 

側にある紅茶が入ったティーカップを手に取り、飲もうとしたその時

 

「……?」

 

 

なぜか、懐かしい匂いを感じる

 

 

「……」

 

そういえば、このお茶を飲むのは初めてのはず

 

 

なのに、なぜ?

 

「………ゆm”話を始める前に一つ聞きたいんだけど…あなた達が、トリニティの生徒会長なんだよね?”…」

 

ふと、先生が言葉を発した時、我に帰った狼はグイとティーカップを呷る

 

 

お茶は既に冷めており、ぬるま湯程度になっていた

 

 

「おお、先生の方から空気読んでくれた!ほら、ナギちゃん、これが大人の話術だよ、アイスブレイクもしっかり、会話を自然に始めてるし!」「……(…妙な味もせぬ…毒は、無いか)」

 

 

まぁ、難しい話は先生殿に任せればいい

 

狼はとりあえずそう結論づけた

 

「はい、おっしゃる通り、私達がトリニティ総合学園の生徒会長たちです。生徒会長たち…という言葉は聞きなれないかもしれませんね…最初からご説明いたしますと、トリニティの生徒会は大体複数人で担っているものなのです」

 

「…あれ?ナギちゃん無視?もしかしてシカト?お〜い」

 

「…昔、「トリニティ総合学園」が生まれる前、各派閥の代表が紛争を解決するために「ティーパーティー」を開いたことから、この歴史は始まりました」

 

「え、ひどっ…くすん、私ちょっと傷ついた…」

 

「パテル、フィリウス、サンクトゥス…それら三つの学園の代表がティーパーティーを開き、和解の流れが生み出されたのです」

 

「ナギちゃんが本当に無視した…嫌がらせだぁ……酷くない?私達一応十年来の幼馴染だよ?こんなこと今までに…結構あったかもだけど…」

 

“(いや結構あったんかい)”

 

「……その後から、トリニティの生徒会は「ティーパーティー」と呼ばれるようになり、各派閥の代表が「ねぇねぇナギちゃんってば〜」…」

 

「ああもう五月蝿いですね!!「ひぇっ」

 

「いま!私が説明しているんですよそれなのにさっきからずっと!横でぶつぶつぶつぶつと…!「な、ナギちゃん、おち、落ち着いて…

 

「もう我慢できません!!」

 

その時、ナギサはロールケーキをガシ、と鷲掴みにし席を立つ

 

「黙れないのであれば、このロールケーキをぶち込んであげます!」「せ、先生助けて〜!」

 

“ちょ、ちょっとおちつこー!タンマ!ストップ!”「……」

 

 

すぐ近くにいた側近が「落ち着いてください!」と駆け寄るのを見て、狼は切実におはぎ食べたいと頭を抱えるのであった

 

 

 

 

 

〜数分後〜

 

「……私ったら、何というか醜態を……失礼しました…」「…あはは…ごめんねナギちゃん」

 

 

“大丈夫?落ち着いた?”「はい、ありがとうございます…そろそろ本題に入りましょう」

 

 

「私達が先生にお願いしたいのは、簡単なことです」「簡単だけど…重要なことだよ」

 

「…ええ、そうですね……先生、補習授業部、その顧問になっていただけませんか?」

 

“補習授業?”「はい。つまり、落第の危機に陥っている生徒たちを救っていただきたいのです。「部」という形ではありますが、今回は顧問というより「担任の先生」と言った方が良いかもしれませんね」

 

「トリニティ総合学園は、昔から「文武両道」を掲げる、歴史と伝統は息づく学園です。それなのにあろうことか、よりにもよってこの時期に成績の振るわない方が四名もいらっしゃいまして…」

 

「…今はエデン条約でバタバタしてて、あの子達の問題を解決するためには人手も時間も足りない…そんな時にちょうど見つけたの!シャーレの活躍っぷりを!猫探し、街の掃除、宅配便配達からヘルメット団の退治まで!八面六臂の大活躍!それなら、この面倒事を任せられるかな〜って」

 

“……”「…ミカさん、面倒事なんて言ってはいけませんよ」「ま、まぁある意味本当だし…それに、先生でしょ?今はBDで学ぶ時代だし、「先生」って概念自体珍しいし…」

 

「先の道を生きるとかいて「先生」…つまり導き…尊敬の対象…補習授業の顧問としてバッチリだな〜って!」「…噂では尊敬という言葉が合うかは意見が割れている様ですが…」「あー…まぁ確かに割れてるけど、まぁ…うん、先生の名誉のために言わないでおくね…」

 

“……(…聞かなかった事にしよう)”「…………」

 

………思い出したくもない事を思い出してしまった狼であった*1

 

 

 

「とにかく、今は忙しい!人足りない!助けて!ってこと!」

 

「もう少し説明いたしますと、この補習授業は特殊な事態の時のみ設立されるものです。少々特殊な形でありますが、そこはシャーレの超法的な権限をお借りしつつ…色々とややこしいですが、その本質は「成績の振るわない生徒の救済」です。いかがでしょうか、先生…助けが必要な生徒に、手を差し伸べていただけませんか?」

 

「………どうする」”生徒の頼みだからね、私にできることなら喜んで”

 

「やったー!ありがとう!先生!」「…ふふっ、きっと断らないとは思っていましたが」”でも一個だけお願いがあるんだ”

 

「……はい?」

 

“授業を、狼が一緒に受けてもいいかな?”「………狼ですか??」「………は?」

 

「お、狼って…先生、ペットでも飼ってるの?」”いや、私の護衛の彼だよ、狼って言うんだ”

 

「………ああ、そういう事でしたか。それぐらいであれば構いませんよ」

 

「……待て、先生殿…何故…」”いや〜もうそろそろ狼には色々知っておいた方がいい事多いし、ちょうどいいかな〜って……でもまぁ、受けれる教科は限定されるだろうけど”

 

「………」

 

狼は頭を抱えた。まぁ大体任せてればなんとかなると思っていたら巻き込まれたのである。

 

「…とりあえず、先生。こちらを…その書類に書かれている方が対象です」「つまりトリニティのやっk「ミカさん」…ごめん」

 

“わかった、ありがとうね…どれどれ”

 

まるで有金を全部溶かした顔の狼を横目に書類を読む

 

“……え?”「ん?なんか気になる子でもいた?先生」”いや、なんでも無いよ、気にしないで”

 

「詳しい内容はまた追って説明します。他に気になる点はございませんか?」

 

 

 

 

“う〜んと…とっっても言いづらいんだけど…エデン条約って?”「「……」」

 

「…う〜んと、なんていえばいいかな…」「それは…なかなか時間がかかってしまいますので、また後日お話しますね…一応、内部機密ということもありますし…」

 

 

“最後に一つ…ティーパーティーのもう1人の生徒会長は?”

 

「……」「…それは…」

 

「…セイアちゃんは…トリニティに居ないの。入院中で…」「…本来であれば、セイアさんがホストなのですが…そう言った事情で今は私がホストを務めているところです」

 

“そっか…早く良くなるといいね…まぁ、これぐらいかな”

 

「承知しました、また何かあれば聞いてください。準備が整い次第、トリニティ総合学園に派遣という形で来ていただく事にできればと」

 

「先生、ご協力に感謝します。これで一安心です」「じゃあね先生、また会えるかわからないけど!狼もまたね!」

 

「そうですね、特に今は忙しいですし、こうして集まれるとも限りませんから…」「ふふっ、やっぱり忙しいんだ?ま、先生のおかげでナギちゃんの顔も見れたし、よかったよかった」「はい、私もですよ。ミカさん…では、先生、これからよろしくお願いいたしますね」

 

“うん、よろしくね…じゃ、失礼するね”「……」

 

 

先生と狼が席を立ち、退室する

 

 

「…………………」

 

おはぎたべたい

 

狼は今後を憂い、現実逃避する狼であった

*1
参照、ゲヘナでの出来事(打ち消したい現実を添えて)




ここまでよんでくれてありがとうございます!

投稿遅れて申し訳ない…受験が…受験が…

…メインストーリーの更新で新設定出ないよね…でたら矛盾が発生しないのを祈ろう…

なにやらsekiroのアニメが出るらしいっすね、なんとかしてみたいな…

では、読者殿。また…

狼「銃…か…」

  • 新たに調達するべきか…
  • このまま使い続けるべきか…
  • 先生殿に聞いてみるか…
  • …エンジニア部…とやら…うむ…
  • イズナに聞くか……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。