主を失った狼、透き通る世界に行き着く   作:けんどーさん

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こんにちはけんどーです

お預けの時間は終わりだ…たんと食え

論 外之助様!評価9ありがとうございます!


話の終わりと見舞いの品

〜百鬼夜行、展望台〜

 

最後の花火が散り、人々もそれぞれ解散していく中、先生が尋ねる

 

“ところでイズナ、このお守りだけど…お話とどう関係が?”「…あっ!それですけど、御子様の持つ病を退けるために作られたお守りをイズナが再現してみたものです!

 

“ああ、あの呪いが原因の”「そうです!」

 

確かに狼もお守りを持っていたな…とアビドスでの出来事を振り返った先生

 

 

“ちなみに、そのお話ってどういう成り立ちとか…”「百鬼夜行の昔から伝わるお話らしいです!でも、誰が伝えたとかはイズナもわからず…」

 

“…わかった、ありがとうね、イズナ(そのお話の元が九郎茶屋の可能性が高いんだよなぁ…)”

 

知らぬが仏であった

 

 

〜百鬼夜行総合病院〜

 

「………」

 

花火が終わり、本格的に暇になってきた狼

 

グルル…と空腹を訴える腹に黙れと思いつつベットに体を預ける

 

「………」

 

ふと、考える

 

 

「…(あの時、確かに「逸らした」と…)」

 

逸らすことなど到底狼にはできぬ

 

己の勘に頼ってようやく避けれるかどうかという所

 

もし

 

 

「(…今までに戦ってきた者共…たしか…狐坂殿は「災厄の狐」あの龍柄の服の女は確か「勝利の象徴」と…)」

 

もし、だ

 

「…(その名を冠する者と、戦う(殺し合う)とすれば…)」

 

今まで戦って来た者が手加減を加えていたのならば?

 

 

「……」

 

理屈は通る。まず狐坂殿は近くに先生殿がいると本気を出しづらいだろう

 

狐坂殿の様子、間違いなく先生殿に…

 

もし、狐坂殿が先生殿に怪我をさせるわけには…などと考えていれば?

 

 

次にあの龍柄の服の女

 

この世界はそれぞれのがくえん…とやらが国と表せるほどの力を持つ

 

つまるところあの女は国で一番強いと言える

 

それほどの実力者だ、もはや絡め手は次から通じないだろう

 

それに、己の体は如何に不死といえど、比べれば脆い

 

 

「………」

 

まるで、手のひらの上で踊らされている気分だ

 

「…強くならねば」

 

このままであれば、いずれか負ける時が来るだろう

 

回生もあまり使えぬ、竜咳を治せる回数はただでさえ限られているのだ

 

それに、いつこちらに悪意を向ける存在があの絡繰どもだけだと言えるのだろうか

 

「……」

 

えんじにあ部の者どもに頼むか…と考えているその時

 

コンコンコン、と病院のドアがノックされ、開く

 

「どーも患者さん、怪我は痛むかい?」「……大事ない」

 

「そうかい!それはよかった…んでね、患者さん」「…?」

 

入って来た医者が狼に袋を手渡す

 

「さっき君宛にお見舞いの品というわけでそれが届いたんだ」「……?」

 

狼からすればあまり心当たりはない、先生殿は祭りに、他の者もさまざまな事をしているはずだ

 

「ま、とりあえず食事も問題なさそうだし食べちゃいな〜」「……ああ」

 

そのまま医者は退室した

 

「……これは」

 

狼が袋から取り出したものは

 

「………これは…っ」

 

中にはプラスチックの容器があり、その中にはおはぎが入っていた

 

「……おおっ」

 

これは九郎様が作られたものと似ている。これは…こし餡だろうか

 

このおはぎはなぜ緑色なのか、黒色は何が入っているのか、茶色なのは…粉か?

 

ふと、袋の中にまだ何かが入っていることに気づく

 

「……?」

 

それは…手紙だった

 

 

拝啓、シャーレの狼様

 

先日の襲撃者の撃退の件につきましては、まことにありがとうございました

 

こちら、お見舞いの品もとい、お礼の品として当店名物のおはぎの詰め合わせを同封しております

 

今後とも九郎茶屋を、何卒よろしくお願い申し上げます

 

しかし不幸なことに

 

 

「………?」

 

狼に現代の字は読めなかった

 

「……」

 

狼は手紙を袋に戻し、おはぎのパックを開ける

 

手紙など今はいい、おはぎだおはぎ

 

 

「……おお」

 

待ちに待ったおはぎ

 

食べようと願うたびになぜか邪魔がはいりようやく食えると思えばまたにゅういんとやらをさせられ、また食えぬか…と嘆いていたが

 

「………」

 

モグ、と一口

 

「……うまぁい」

 

しっかり咀嚼し、飲み込んだ後すかさず二口目を喰らう

 

「………」

 

あの時、九郎様から頂いたものを食べた時

 

源の宮の桜の大樹で食べた時

 

それと全く同じ味がした

 

「……」

 

まさか、五百年も同じ味が続くとは思わなかった狼はいい意味でこのおはぎに驚かされた

 

「……」

 

そうして見慣れぬ色のおはぎもあっという間に食べ終え、気づけばすでに空の容器しかなかった

 

「……九郎様…美味しゅうございました」

 

もはや二度と会えぬ主へと、届く事を願って狼は呟いた




お見舞いのおはぎ

狼が入院したと聞いた九郎茶屋の店員たちは、まだ恩返しができてないと焦った

そこで誰かが提案した、おはぎをお見舞いの品で渡してあげようと

そこで残った材料を根こそぎ集め10個のおはぎを作り、手紙と共に受け渡した














これにて桜花爛漫お祭り騒ぎ!~空に徒花 地に忍び〜を完結とさせていただきます

書き上げるのに随分とかかってしまった…申し訳ない

とりあえずこのあとは少し幕間を続けたらエデンに行く予定です


改めて、この私が書くこの小説を読んでくださる方全てに感謝を

設定ミスったりガバガバだったり見切り発車だったりとまだまだ未熟ですが、頑張って書いていきます

次回、お楽しみに

狼「銃…か…」

  • 新たに調達するべきか…
  • このまま使い続けるべきか…
  • 先生殿に聞いてみるか…
  • …エンジニア部…とやら…うむ…
  • イズナに聞くか……
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