「なぜ手伝う側ではなく、食べる側なのか」「子ども食堂をやめたくなりました」などの声も…子ども食堂の「政治利用」に潜む“真の危機”
子ども食堂の「政治利用」をめぐってたびたび炎上が起こっている。 政治家が経済格差の深刻化を食い止めようとする民間の取り組みをまるで他人事のように称揚している点が逆鱗に触れたのだ。次期政権がどうなるかはまだ不透明だが、子ども食堂に関しては慎重な姿勢が求められるだろう。 ■自民党総裁選候補、子ども食堂でケーキ食べ炎上 直近で最も炎上したのは、自民党総裁選の候補だった茂木敏充前幹事長が9月21日に都内の子ども食堂を視察した際、自身がちょうど70歳を迎えることから誕生日のケーキでお祝いしてもらう場面があり、それがニュースとして報じられたことである。
SNS上では「子ども食堂でケーキを食う政治家って完全にネジが外れている」「なぜ手伝う側ではなく、食べる側なのか」「子ども食堂をやめたくなりました」等々、失政の産物ともいえる部分がある子ども食堂を政治アピールに使うその無神経さに批判が殺到した。 さらに火に油を注いだのは、自民党の鈴木貴子衆議院議員が火消しを狙ってか、「皆さん、食べに行ってもいいんですよ。居場所としての存在意義も、昨今ますます注目されていますし。決して貧困世帯向けとかではありません」などとXに投稿したことだった。
物価高騰にあえぐ中で、子ども食堂のお陰でなんとかしのいでいる家庭も少なくないだろう。物価高が止まる気配はない。帝国データバンクによると、2025年10月の飲食料品値上げは、合計3024品目となり、半年ぶり値上げラッシュになったとしている。食品分野別では、焼酎やリキュール、日本酒などアルコール飲料を中心とした「酒類・飲料」が最も多く、2262品目。2025年通年では、12月までの公表分で累計2万381品目になったという。
価格が少しでも安いディスカウントストアやスーパーのタイムセールなどを利用しても、空前の物価上昇の前では焼け石に水で、育ち盛りの子どもがいればなおさらである。認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの調べによれば、全国の子ども食堂は1万866カ所に達したという(2024年12月現在)。前年度より1734箇所増加しており、5年前の2019年度の3718カ所から3倍近くになっている。 ■格差社会の深刻化を放置…人々の与党へのいらだち