逆に悔いが残る実況は? 「悔いだらけです。言葉が出なくなったり、肝心なところを見失ったり、生中継ではないですが、勝ち馬を間違えそうになったこともあります。言い出すときりがないです」。

それでも1つ挙げるとすれば?「とあるG1のゴールしたところで声がひっくり返って、言い直そうとしたらもう1回ひっくり返ったことがあります。あんまり言って特定されてもあれなので、これくらいで勘弁してください(苦笑)」。

「競馬の現場実況機会は、基本もうありません。ただBS競馬の担当者には『先々、関西のG1を青嶋さんのスタジオ実況で、というのも試してみましょうか』と言われています。すぐにというわけではないですが、その日のためにも勉強は欠かせないです」。いつの日か再び、青嶋実況が復活する日がありそう。その日を楽しみにしたいと思います。

◆青嶋達也(あおしま・たつや)1965年(昭40)8月12日、静岡県生まれ。早大卒業後、88年フジテレビ入社。同期アナウンサーは、有賀さつき、河野景子、八木亜希子。在職中、ダービーは6回、有馬記念は10回実況した。今年8月いっぱいで同社を定年退職し9月からフリーに。現在は、BSフジの「BSスーパーKEIBA」、山形県のフジテレビ系列局さくらんぼテレビの「Newsイット!やまがた」の火~木曜のキャスターも務める。

(ニッカンスポーツ・コム/競馬コラム「ケイバ・ラプソディー~楽しい競馬~」)

2025年9月からフリーで活動する元フジテレビの青嶋達也アナウンサー
2025年9月からフリーで活動する元フジテレビの青嶋達也アナウンサー