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ファントム・競馬チャンネル

さっぽろファントムの競馬予想
競馬歴30数年の経験を元に書いてます。
2歳戦予想しません。

奇面組の思い出(その3)

2006-01-10 19:10:39 | アニメのお仕事
さて、昨日の続きです・・・。

新会社の立ち上げが迫ってきた頃は、もう、なかなか体験出来ないようなことばかりでした。
なんせ、ギリギリのスケジュールで動き出した作品である。

7話8話は、総グロスという形で、「ぎゃろっぷ」さんに発注していた(実際は、代理店からの直請け)ので、ある程度余裕は出来た。

しかし、土田プロの社長に、それがバレて、社内での作業が難しくなっていた。
というのも、独立自体は、すでに気付かれていたと思うが、作品を作っていく中で、素材(原画、動画など)を抑えられたら、制作が止まってしまうのだ。

だから、別に部屋を借りて、そこで作業をせざるを得なかった。
しかも、新会社には、結局、制作の4人(P2人、デスク、オイラ)だけが移り、
それでやっていくということだった。
オイラと同じ制作進行がもう一人いたんだが、彼は連れて行かないことになった。
まあ、それに関しては、オイラも同意見だったから、問題はないのだが、
彼が担当していた、話数(9話)を引き上げなければならなかった。

オイラはその時、10話を進めていたので、これは かなりキツカッタ。
でもまあ、「やれます」と言った手前、頑張るしかなかったのだが、
これがまた、ヒドイ管理状況で、進行表を一から作り直す羽目に・・・。

とにかく、TVシリーズで、制作進行を連続話数持つのは、常識的には考えられないことで、当然、最後の方は手伝ってもらっている。
そこらあたりの記憶はまったく無いのだが、たぶんそれだけ忙しかったのだろう。

あの頃は、本当に良く頑張っていたものだ。

では、今日はここまでです。
また次回、お楽しみに・・・。


奇面組の思い出(その2)

2006-01-09 23:29:03 | アニメのお仕事
実は、奇面組の制作は、2クールまでは、とんでもない状況だったのです。
というのも、元々制作を受け持っていた、「土田プロダクション」が、資金繰りに苦しんでいて、外注さんへの支払いが、ままならない状況になっていました。
つまり、制作にあたって、極めて厳しい状況だったのです。
そうです。外注さんに、仕事を請けてもらえない状況に なりつつありました。

これは、「やばい!」ということで、TV局と代理店さんの協力の下、「奇面組」という作品ごと、スタッフを別会社に移そう、ということになったのです。

そして出来たのが、「スタジオ・コメット」です。
そしてこの時、最悪のケースを想定して、局と代理店さんは、「ぎゃろっぷ」さんにも、制作発注したのです。
ですから、13話~26話までは、2つの製作会社で、交互に制作していました。

この時期は、本当に大変でした。
なんせ、独立して、作品ごとスタッフを持って行っちゃうんですからね。

ということで、その時の話は また次回です。

奇面組の思い出(その1)

2005-12-26 20:24:45 | アニメのお仕事
ディープインパクトが負けちゃいました。
でも、コスモバルクが4着で嬉しい!

ということで・・・。

今日から不定期で、奇面組を作っていた頃の裏話を、書いていきます。

テレビの放送が決まったのは、かなり切羽詰った時でした。
で、オイラの受け持ちの3話も、相当厳しいもので、本当に、ON AIRギリギリに間に合いました。

アフレコは、もちろん(?)(笑)オール原撮。
え~、「原撮」というのは、原画撮影の略でして、通常1秒間に8枚の「画」を使うのですが、これだと、1秒間に2~3枚ぐらいです。そして、ダビング(効果音とか、音楽を入れる作業)も、その画のままの最悪の状態。
しかし、普通なら20カットぐらいあるであろうリテイク(失敗カットのやり直し)がなんと、たったの「3」。そのうち、絶対直さなければならないのが、1個あったのだが、直したんだったかな?忘れちゃいました(笑)。
この回は、野球もので、巨人の星のパロディ風。
で、問題の一ヶ所は、消える魔球のところです。
覚えている人がいたら、教えて下さいませ・・・(汗)。

業界に入って、まだ半年過ぎたばかりの頃のことでした。
妙に「達成感」があったのを、覚えています。
シリーズ中、この回だけ、「初号試写」をやっていません。
撮影終わって、即、原版組み。
放送前日、深夜にかろうじて納品しました。
しかし、テレビ局的には、「当日納品」扱いで、上の人たちは、かなり、やばかったらしいです。
ってゆうか、一番怒られたのは、テレビ局の担当プロデューサーであったと思います。
でも、そういうことを現場に言ってこない人でした。
土屋さん!、ありがとうございました。