また投稿が遅れてしまいました…イズナとの戦闘がうまく書けなくて…申し訳ない
猫好き②号様!遊々水様!評価9ありがとうございます!
それではどうぞ!
狼にとって、キヴォトスでの戦闘はどれも慣れない物であった
葦名どころか内府ですら一発ずつしか撃てなかった銃が30発は連続で撃てるのが当たり前、物によっては手に収まる大きさでありながら8発も連射できるものがあると聞く
幼い頃、狼は義父から飛び道具の弾きを教えられ、手裏剣などはもちろん銃弾も弾く練習をさせられた
それのおかげで連続で放たれる銃弾をなんとか弾くことができ、少しずつ慣れることができた
もはや狼の知る戦いは廃れ、敵地に潜り込むこと無く情報を手に入れるようになったとも、先生から聞いた
忍びももはや意味がなく、狼の知っている古い戦い方と同じく消えたものとばかり狼は考えていた
しかし
「あわわ!って今のは、手裏剣!」「……(…早い)」
目の前にいる派手な格好の少女が、忍びと呼ばれているのを狼の耳はとらえた
「す、すごいです!まるで本物の忍びの様に…そして刀まで…」「……」
狼はなにやら戦闘中であるにも関わらず感激していそうな少女に対して容赦なく追い切り、刀を振るう
「ひゃん!危ないです!」「…!!」
少女がひょいと刀を避け、銃撃しながら後ろへと下がる
バララララ!と小気味良い音をたて銃弾が飛んでくる
狼は刀で銃弾を弾き、弾き切れぬものを受け止める
「……」「えぇぇ!?今銃弾を刀で弾きましたよね!」
それを見た少女はまた声をあげる
その声色はどこか尊敬の念を含んでいるかの様であった
「………(調子が狂う…戦いの場だぞ)」「い、イズナだって負けません!」
「行きます!手裏剣!えいっ!」「……(なぜ、声に出す)」
狼はいきなり飛び上がった少女が投げたクナイをスッと飛び、避ける
「あっ!でもまだです!」「…!!(爆薬か!)」
飛んできたクナイに括りつけられていた爆弾が爆発し、狼は爆風をくらい軽く吹っ飛ぶ
「ぐっ!」「まだまだ行きます!」
狼が今いる場所は茶屋の中であり、室内とは言え隠れられる場所がほとんど無かった
それだけでなく…
「いいぞ!忍者!助太刀する!」
危
危
危
危
危
「!?(あれは…っ!)」
天狗の面を被った少女が狼に向けてロケットランチャーを放ち、狼は咄嗟に地面へ転がる
ドカァァァァン!!
「……(あれに当たれば骨も残らぬ…先に潰す)」「うっ嘘だろ、避けられた…あっリロード!」
狼は慌てて再装填している天狗の面の少女にシャドウファングで天狗の面ごと頭を撃ち抜く
ズダンッ!「あでっ!」「……賊が天狗の面を被るとは…」
「おい!あいつちょっとやべぇぞ!撃て!」「イズナの事、忘れてませんか!えいっ!」
バララララ、と少女の銃が火を吹き、狼は刀で銃弾を弾き受け止める
キィン!カカァン!と音が響く中、少女はどこからともなくクナイを取り出し…
「やあっ!」「…!!」
カキン!と楔丸と少女のクナイがぶつかり合う
「ぐぬぬぬぬ…負けませんよ!」「………」
「いいぞ、忍者!そのまま抑えとけ!」「……くっ」
狼と少女は鍔迫り合い、おかめの面を被った賊が狼を撃とうと周り込む
「はっはっは、これで終わりだぁ!」「………」
狼の後ろでキュイィィンと回転する音が聞こえ始めたその時
「待ってください!イズナは一人でこの人を倒します!」「はぁ?でも今…」
「んんん!イズナは大丈夫、ですっ!」「なっ!?」
少女がクナイをそらし、狼は勢いのまま倒れかける
「あなた達は任務の遂行を!」「…分かった、頑張れよ、忍者!」
「さて、これで一対一です!」「………なぜ」「…え?」
「……なぜ、2人きりにした…」「…簡単な話です。あなたは強い…出会ったばかりとはいえお仲間が傷つくのは嫌ですので、イズナが相手します!」
少女がマシンガンを狼に向け構える
バララララ、と銃弾が狼に向けて放たれ、それを狼は弾く
「撃つだけかと思ったら大間違いですよっ、えいっ!手裏剣!」「………(声に出すとは…なぜ…??)」
しゅr……爆薬付きクナイが狼の足元に突き刺さり、それを確認した狼は…
「………」「えっ」
ズボッとクナイを引き抜き
「…………」「あっええ!?」
イズナに向けて投げ返し
「そ、それってアリですかぁ!」「……卑怯とは言うまいな」
ボカァン!とイズナの目の前で爆発した
「…きゅう… め、目の前がぁ……ぐるぐるぅぅぅ~……」「お〜い、大丈夫…あっ!忍者がやられた!」
「……もう戻ってきたか」「えっ、嘘だろ、普通にいい勝負するかと思ったのにもう負けたぁ!?」
「嘘だろっ!クソ、お祭り委員会を分散させるために二手に分けての襲撃は間違いだっあばっ」「……愚痴愚痴喋るな」
鬼のような面を被った少女に向けて手裏剣を投げ、右手でシャドウファングの引き金を引き、気絶させる
「やばっ!逃げろぉ!」「……」
そもそもなんだこやつらは、敵が居るというのに周りの物を壊す事ばかり執着し、策をベラベラ口走る
…おはぎは食えずじまい、この様子では残りもあるかすら怪しく…
「………」
仕込み斧を何度も叩きつければ腕は折れるだろうか、それとも全身の体重をかけて一点を突けば楔丸でも貫けるだろうか
「……まぁ良い…まずは此奴か」
狼はさきほどクナイを投げ返した少女を見る
……見れば見るほど派手な格好、これで忍びとは随分と変わった物だ
「……此奴も忍び…ここで摘むべきか」
チャキ、と楔丸の先端を少女の心臓が有るであろう位置へと構える
「…………………」
しかし、狼は結局楔丸を納刀し、ひょいと少女を担ぐ
「……軽いな」
………やはり、殺せない狼であった
「………(…妙だ…なぜ殺しを躊躇う…だが……)」
狼は歩く。とりあえず先生殿が言っていた通りこの場所を取り締まる者にこの少女を連れて反省させるために
その時、モゾ…と狼の担いだ少女が少し動く
「うーん…はっ!イズナは…あれ?」「…………もう、目覚めたか」
狼も、今まで会ってきた者も、いま担いでいるは少女も同じ人間の筈
しかし、狼はどうも彼女達が人かどうか怪しむようになってきていた
「あ、あなたは…さっきの!」「………五月蝿い、少しは黙れ」
「あなたに聞きたい事があります!あの手裏剣の速度…素人のものではありません!どうやってあれほどの腕前を…?」「………」
その問いに対し狼は…
「………言えぬ」「ムッ、でもイズナは諦めません!銃弾を弾く術はどうやって習得をしたのですか!」「……明かせぬ」
バタバタ暴れながら質問する少女に対しずっと言えぬ…明かせぬ…と繰り返しているうちにようやくこの少女が黙った
「…………(ようやく黙ったか…)…」
「………(まて、なぜいきなり黙った)」
狼はチラリと横目で担ぎ上げて少女を見ると…
「…なっ!」
そこにあったのは狐の人形であった
「????…幻術…か?」「どうでしょう!イズナ流忍術、変わり身の術!」
狼がハッと後ろを見ると、そこには先程まで担いでいた少女が居た
「あなたには聞きたい事が山ほどありますが…今は後です!別の任務にも行かなくては!では、ニンニン!」
少女は一瞬でバッと消えた
「……ほう…」
あの少女、忍びとしては未熟者だが、一部の能力は狼を出し抜けるほど秀でている
しかし、一つだけわからない事があった
「………にんにんとやらは…なんなのだ」
その後、茶屋の店員と共に瓦礫に飲まれた客の救助を手伝い、おはぎはあるか聞いてみたところ、爆発で到底食べれない状態の物しか無いと言われ、眉間の皺が余りにも濃くなり、店員が怯えると言う事件があったが、それはまた別の話である
ここまで読んでくれてありがとうございます!
祝!100話目!
まさか記念すべき第100話がイズナと狼の忍び対決とは…
妙なこともあるものよな…
次回、お楽しみに…
狼「銃…か…」
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新たに調達するべきか…
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このまま使い続けるべきか…
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先生殿に聞いてみるか…
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…エンジニア部…とやら…うむ…
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イズナに聞くか……