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二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1750341974023.jpg-(45331 B)
45331 B25/06/19(木)23:06:14No.1324997887そうだねx7 00:43頃消えます
「ああ、愛音さん。あなたはどうして愛音さんなのでしょうか」
「黙って聞いてようか?」
「まぁ、よく返しの方まで知ってましたね」

 有名なやつだからね、と返してズゾゾ…と31ア○スで買ったシェイクを飲む。祥子ちゃんは欲張りフェスだからと買ったアイスを頬張っている。お得だからと上限いっぱいまで買ってたけどそんな大量なの最後まで美味しく食べられるのかな…と眺めていた。

「おっと、愛音さんの知識の深さに感心してる場合ではありませんでしたわ。わたくしは愛音さんを誘うつもりでしたわ」
「誘う? なにかあるの?」
「わたくしの好きな劇団の新作公演があるのですが良ければ一緒に行きませんこと?」

 祥子ちゃんはスプーンを立てながら言った。アイス垂れるよ。あっ垂れた。
 でも劇かぁ、小学校とかのお遊戯会で見たやつの他だとムジカのステージで見たものくらいしか見たことないや。それでもいいのかな? と尋ねる。

「大丈夫ですわよ、プロのものではなくアマチュア劇団ですのでそこまでカッチリしてませんもの」
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
125/06/19(木)23:07:06No.1324998163そうだねx2
 へぇ~と声がもれる。祥子ちゃんの好きな劇団って言うからにはもっと格式高いやつかと思ったけど、そんな好みがあったなんて。

「じゃあ行こうかなぁ。今度は祥子ちゃんがエスコートしてくれる番だね」「確かに誘ったのはわたくしですしそうですわね…任せてくださいまし!」

 ふふん、と胸を張る祥子ちゃん。祥子ちゃんおっぱいおっきいんだからそんなことしたら強調されて下品だよ。自慢か??

「ところで愛音さん、これ下の方だとアイスが混ざって味がよく分からないので一緒に食べてくれません?」「よくその誘い文句で食べてもらえると思ったね」

 見せてきた容器の底にはなんとも言えない色のアイスがあって…祥子ちゃんの縋るような表情に私は負けてスプーンを手に取った。

🪽 🪽 🪽

「来ましたわね、愛音さん!」
「ドレスコードとかよく分からないから普段の格好で来ちゃったけど大丈夫?」
「構いませんわ、そもそもそんなしっかりされたら演者の方が緊張してしまいますもの」
225/06/19(木)23:07:42No.1324998373そうだねx2
 そんなものかぁ、と頷くと一緒に歩き出す。場所が下北沢というのも微妙に祥子ちゃんらしくなくて面白い。私はむしろ似合う方だと思うんだけどなぁ。ANON TOKYOとか下北沢のお店に置いてそうじゃない?

 なんて思いながら歩いていたらたどり着くはちっちゃな劇場。こんなところにあるんだ、と認識してなきゃ気付かないくらいの場所だった。
 祥子ちゃんに連れられて建物の中に入る時手馴れた様子でチケットを購入して渡してくれた。
 わぁ、すごい素朴な感じだぁ。なんだか懐かしさすら覚える。こんなことしたことないけど。

「こういう温かみを感じるのがいいですわよね」
「祥子ちゃんよく私の考えてること分かったね」
「顔に書いてありますから。さ、こっちですわよ」

 導かれるままに建物内を歩いていくと舞台と観客席のあるホール…でいいのかな? に辿り着いた。祥子ちゃんはすいすいと進んでいくと中央の席へと座って手招きしてきた。
325/06/19(木)23:07:59No.1324998475そうだねx2
「番号とか大丈夫なの?」
「先着順ですわよ、とはいえギリギリに来ても選べるくらいは空いてるでしょうが…」

 小声になって祥子ちゃんが教えてくれる。
 あ~…まぁ人気のとこでもない限りそうだし、そもそもそんなに人気だったらこんな小さい場所ではやらないか…

「それでも面白さは保証しますわよ。今回の公演はかのイカロスをテーマにしたものですわ」
「イカロス…蝋の羽で飛んだら太陽の熱で溶けて落ちちゃった人だっけ」
「流石に知ってますわね、確か小学生の頃でしたっけ、歌がありましたわね」

 そう言ってから祥子ちゃんはイカロスの話について説明してくれた。
 神代、ギリシャの名工ダイダロスの息子がイカロスだった。イカロスは父のしたことにより塔に幽閉され外の世界に憧れていた。そんな時、彼らは思いつく。机などを骨組みにして塔の中の蝋燭を固めて羽にすれば飛んでいけるのでは、と。そうしてダイダロスとイカロスは蝋の翼を作り上げ、空へと飛び立った。ただ一つ、ダイダロスは細部まで丁寧に仕上げたのにイカロスは雑に仕立ててしまった。その違いがイカロスの命を奪ってしまうことになるとも知らずに。
425/06/19(木)23:08:17No.1324998580そうだねx2
「そしてダイダロスは自由を手にして飛んでいき、イカロスは自由を手にして空の広さを知り、無我夢中で空を駆けたのです。彼は気付いた時には島々が豆粒のように小さく見えたと共に、太陽が目の前にあることに気付いたのです」
「それまでに羽は溶けなかったの?」
「そう思うのは当然ですわ。ただこのお話での太陽はわたくしたちの想像する太陽でありながら、もう一つ意味があるのです。愛音さんはなんだと思いますか?」
「なんだろう、憧れ?」

 私が少し考えてから答えると祥子ちゃんは首を横に振る。

「神ですわ。人の身でありながら神のいる天に近付きすぎたイカロス。それは即ち神に人の手が届くことを意味してしまうのです。それは決して許されることではなかったのです。イカロスは自由を駆ける翼を失い、その人生を終えたところで物語は終わります」

 ムジカで神を名乗る祥子ちゃんが神について語る。それはなんだかいけないことのようで、私は真っ直ぐ彼女を見ることができなかった。
525/06/19(木)23:08:50No.1324998782そうだねx2
「と、こんな話が勇気一つを友にした人のお話…この公演ではどのように語られるのか、楽しみですわね」

 そうだね、と頷いて席に深く体を沈みこませる。決してふかふかとは言えない座席は余り沈まなかったけれど、なんだか落ち着くようだった。

🪽 🪽 🪽

「いやぁ…面白かったですわね! 原作をなぞりながらもイカロスの苦悩と自由の喜びをああ解釈して昇華するとは…! ラストも救いを含ませて…良いものを見ましたわ!」

 公演終わり、祥子ちゃんは盛大な拍手を送ったと思えば黙って私を外に誘い、少し歩いたところで鼻息荒く感想を語り出した。なるほど、感激してたんだと分かったところで私も公演の内容を思い出す。
 神話と違い、イカロスが目指したのは太陽ではなく愛する人。しかしそれは決して手を伸ばしてはいけない相手。お互いに恋人がいるのに惹かれてしまい、近付いてはいけないと自覚しながらも脆く、それでも確かな羽を羽ばたかせる。

「なんだか、私と祥子ちゃんみたいだったね」
625/06/19(木)23:09:04No.1324998872そうだねx2
「惹かれてはいけない者が惹かれてしまう…そんな状態がですか?」

 ぽつ、と呟いた言葉に祥子ちゃんが反応する。どっちがイカロスで、どっちが太陽なのか…それは分からないけれど、このままじゃあ破滅するのは分かってる状態。

「飛び立つ勇気も、離れる勇気もどっちも大切だよ祥子ちゃん」

 私たちはまだ戻れるから。まだ飛び立ってはいないはず、まだ塔の中に戻れるんだから。

「愛音さん、今日…初音は地方ロケでいませんの。泊まりませんか?」
「祥子ちゃん、言ってる意味、分かってるの?」

 私が言った傍からそんなことを言って。あくまでも私に判断を委ねるんだ、そんな言葉を込めて視線を送るも祥子ちゃんは真っ直ぐと私を見て頷いた。
725/06/19(木)23:09:32No.1324999028そうだねx2
🪽 🪽 🪽

「祥子、こっちはできたよ」
「こちらも大丈夫ですわ、では運びましょう」

 祥子の言葉に頷いてテーブルまでお皿と鍋を運ぶ。鍋の中身は溶けきっているチーズ、お皿の上にはフォンデュするための具材たち。夕飯は簡単に…と決めたはずだったのにいつの間にやらこんなことになっていた。

「ですが片付けも簡単ですし意外と楽でしたでしょう?」
「心の中読まないでよ…」

 もう、と文句を言いながらもちょっと楽しい。チーズフォンデュなんてやらないし食べに行くこともしないからワクワクしている。

「では、愛音さんあーん」「ん…あーん」

 祥子が串に刺した鶏肉を差し出してくるから口の中に含む。彼女がチーズを溶かす時に色々してたからかチーズが美味しいし鶏肉の旨味も際立っている。少し熱いけど祥子が事前にふーふーしてくれたから耐えられるかな。
825/06/19(木)23:10:01No.1324999195そうだねx2
「うん、美味しいよ」
「でしょう? わたくしの作ったものですからね」
「そういう自信満々なところ良いと思うよ」

 やっぱり神を自称するなら多少傲慢じゃないとね。しおらしくされたらなんというか…ちょっと怖いし。

「わたくしにはしてくれませんの?」

 そんなことを考えながら食べていたら期待に満ちた目で言われる。もうこうなったら腹を括るしかないか~……私はそう決めて、祥子に串を差し出した。

🪽 🪽 🪽

「愛音さん」「なあに?」

 ベッドの上、お互いに裸で寝転がってうとうととしていたら声をかけられる。私の体に寄り添っていた祥子が見つめてくるから見つめかえすと照れていた。可愛いなぁもう!
925/06/19(木)23:10:24No.1324999337そうだねx2
「わたくしは、愛音さんとならどこへ飛び立っても、堕ちても良いですわ」

 いつの間にこんなに好かれちゃったんだろう、思い返すも自覚はない。
 ただ、昔からそうだった。何故か私は人を勘違いさせて怒られてきた。好きじゃないなら優しくしないでよ、なんて何度聞いてきただろう。人に優しくするのは当然のことじゃないの? そんな風に自問自答したって私は答えてくれない。

「ムジカを預かってるんだから、そんなこと軽々しく言ったらダメだよ」

 だから、私はあくまでも私のためではなくムジカのためと言う。祥子は私とは違って守るべきものがあるんだから。一時の感情で動いたら後悔するよ。

「……意地悪ですのね、わたくしは愛音さんに向き合いましたのに」
1025/06/19(木)23:10:40No.1324999405そうだねx2
「向き合ってるからこその言葉だよ。終わらせるならちゃんと引導を渡さないと」

 本気で祥子がそうするなら、私は応えないと。言葉だけの女の子たちとは違って、自分の全てを捨ててまで来るんだったら、私はその手を捨てて海の底でも地獄の果てまでも堕ちよう。
 ──私を救ってくれた、あの星が見えなくなるまで。
1125/06/19(木)23:11:05No.1324999553そうだねx2
🪽 🪽 🪽

「ただいま、さきちゃん。誰か来てるの?」「お邪魔してます、初華ちゃん」
「愛音ちゃんだ~! こんな時間からどうしたの?」

 帰ってきた初華ちゃんを祥子ちゃんと共に出迎える。祥子ちゃんを見たら満面の笑顔を浮かべて…本当に好きなんだな。

「こっちの方に用事があったんだけど、キャンセルになって暇してたら祥子ちゃんと会ったからお邪魔してたんだ。それじゃあお二人の邪魔にならないように帰ろうかな」

 口からペラペラと流れるように嘘が出てくる。表情だって笑顔だけど嘘だ。今なら私、ムジカに入れるんじゃない? 虚飾のアノーリス、なんちゃって。

「ごめんね、お構いもできずに…今度は私もいる時に遊びに来て欲しいな!」
「ありがとう、その時は初華ちゃんに色々聞いちゃおうかな?」

 初華ちゃんに見送られて彼女たちの家を出る。扉が閉まる前に見た祥子ちゃんの視線は、私をひたすら見つめていた。
1225/06/19(木)23:15:36No.1325000949+
もうすぐ終わりか
1325/06/19(木)23:27:42No.1325004334そうだねx2
ロミオとサキエット
1425/06/19(木)23:28:39No.1325004587そうだねx6
勝手にしんみりしてんじゃねえ浮気野郎……!
1525/06/19(木)23:30:59No.1325005261+
ねぇ…
ロフトにベッドがあるとも思えないし二人で裸で寝たベッドって初音のあるいは祥ちゃんと初音二人で寝る用の…
1625/06/19(木)23:32:23No.1325005694+
初音にはボロを出さないあたりともりんには見せつけてない?
1725/06/19(木)23:32:29No.1325005718そうだねx3
>勝手にしんみりしてんじゃねえ浮気野郎……!
ともりんの声で再生されてダメだった
1825/06/19(木)23:33:33No.1325006058そうだねx1
ともりんパートか初音パートがあるのが浮気の悪さを際立ててケンコウニヨクナイ!
1925/06/19(木)23:34:46No.1325006492そうだねx3
>勝手にしんみりしてんじゃねえ浮気野郎……!
まあどう取り繕ってもやってること最低以外の何物でもないからな…
2025/06/19(木)23:35:01No.1325006591+
>ともりんパートか初音パートがあるのが浮気の悪さを際立ててケンコウニヨクナイ!
背徳感はケンコウニイイ!
2125/06/19(木)23:37:48No.1325007536+
あのちゃん…なんで祥ちゃんの家から出てきたの…?
2225/06/19(木)23:40:05No.1325008245そうだねx1
あのさき🤯
2325/06/19(木)23:41:55No.1325008853そうだねx2
6レス目の互いにボール投げ合ってそのままズブズブ落ちてく感じたまらない
2425/06/19(木)23:42:07No.1325008922そうだねx2
一時の感情に任せて全てを壊す行為を誠実な愛音ちゃんが良しとするかは…
2525/06/19(木)23:43:21No.1325009370+
>一時の感情に任せて全てを壊す行為を誠実な愛音ちゃんが良しとするかは…
って書いたけど身体の関係持った時点で今更であった
2625/06/19(木)23:43:53No.1325009544+
この関係も結構長そうだしな…
2725/06/19(木)23:53:46No.1325012755+
椅子の人…!のほほんとしてないで…!
2825/06/19(木)23:54:22No.1325012955そうだねx1
燈ちゃんへの責任を取らずに祥子ちゃんの責任を取るのは筋が通らぬというもの
2925/06/19(木)23:55:22No.1325013317+
椅子倒せない人も気づいて…!
3025/06/19(木)23:57:16No.1325013957そうだねx2
初音だけでなく燈ちゃんをまた苦しめることになるんだがそれでいいのか祥子は
3125/06/19(木)23:59:34No.1325014633+
さきちゃんシーツ洗ってどうしたの?
汚れちゃったんだ…その…お手洗いまで我慢できないことあるんだから気にしないで…!
3225/06/20(金)00:03:41No.1325016000+
>椅子倒せない人も気づいて…!
最近さきちゃんが楽しそうで嬉しいなぁ
3325/06/20(金)00:05:40No.1325016636そうだねx1
>一時の感情に任せて全てを壊す行為を誠実な愛音ちゃんが良しとするかは…
(楽器を弾く気もなしにバンドメンバー集めして燈に引き留められなければそのまま逃げてた)誠実な愛音ちゃん
3425/06/20(金)00:07:55No.1325017380そうだねx2
豊川……!!!
3525/06/20(金)00:09:19No.1325017904そうだねx2
>豊川……!!!
もうすぐ千早になりますの
3625/06/20(金)00:13:38No.1325019230+
ぉぁぁ…!
3725/06/20(金)00:21:03No.1325021528+
>もうすぐ千早になりますの
浮気とかどうでも良いけどきっちり祖父の権力と資産は取り上げて再起もできないようにして初音の自由は保証しろ
3825/06/20(金)00:21:36No.1325021734+
燈が落ち込んだら理由が理由だしそよたきらなから絶交されても文句言えねーぞ!
3925/06/20(金)00:25:44No.1325022976+
絶交ならまだしもともりんに刺されても文句は言えない
4025/06/20(金)00:32:00No.1325024750+
さきあの😊
4125/06/20(金)00:35:24No.1325025699+
>さきあの😊
ともりん…脳が破壊されて…
4225/06/20(金)00:37:35No.1325026338+
ですが…もし仮に何故だかどうして不思議なことにわたくしと初音・愛音さんと燈の間でそれぞれ奇跡的に最終的で決定的な事象にまでは至っていなかったと…
いえ至っていなかった事になったとすれば?あるいは?
4325/06/20(金)00:38:19No.1325026544+
>絶交ならまだしもともりんに刺されても文句は言えない
まだ愛音視点だけで祥子のモノローグがないから…
試し行為で靡いたら突き落とす可能性はあるから…
4425/06/20(金)00:41:34No.1325027491+
ぉぁ…裸で寝てる時点でアウト…!


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