盛岡住宅街にクマ、原敬記念館に「籠城」後に捕獲 園児「怖かった」
盛岡市中心部の住宅街にある「原敬記念館」に20日、クマが出没し、同日午後3時過ぎに捕獲された。近隣の保育園などで保護者が子どもの迎えに来るなど、周辺は一時騒然とした雰囲気に包まれた。岩手県警によると、けが人はいなかった。 【写真】「俺は死ぬんだ」クマ外傷のむごさ 9割が顔に傷、人生変える後遺症 現場は、近隣に大型ショッピングモールなどが立ち並ぶ住宅街。記念館隣の市立本宮保育園のスタッフは同日午後、園裏側にある広場を走り抜けてフェンスをよじ登り、記念館に侵入したクマ1頭を目撃した。園児約120人は昼寝中だった。「クマがいたのは園から10メートルほど先。体長は人間の大人くらい」(スタッフ)だったという。 園は保護者にメールで園児を迎えに来るよう依頼。1歳の女児を抱っこして迎えた母親(38)は「心配だった。ほっとした」と話した。男児(5)は「クマがお部屋に入ってくるんじゃないかと怖かった」と話した。 原敬は大正時代に爵位のない初の首相となったことから、「平民宰相」と言われ、記念館は生家の隣に建設された。 記念館は休館日だった。自転車で通りかかった近くの男性(75)は「こんな所にクマが出たのは初めて」と驚いていた。(三浦英之、長野剛、坂田達郎)
朝日新聞社