2027年に花博開催予定の横浜市・米軍上瀬谷通信施設跡地。閉幕後は東京ディズニーランドに匹敵する規模のテーマパークや次世代型物流施設に!

都市計画・再開発(地域情報)/横浜・川崎・千葉・埼玉/首都圏 ニュース

2025/10/17配信

米軍通信施設の跡地を活用した巨大プロジェクト

上瀬谷通信施設とは、神奈川県横浜市旭瀬谷区北町・瀬谷町・中屋敷三丁目・旭区上川井町にまたがり所在した在日米軍の海軍基地のこと。

もともとは旧日本海軍の倉庫施設だったが、太平洋戦争の終戦後は米軍に接収され通信基地として使われ、2015年6月30日に施設を含めた土地全体が日本へ返還された。

米軍の通信施設として使われていた旧上瀬谷通信施設。返還時の土地面積は約242㎡で、45.2%が国有地、9.4%が市有地、45.4%が民有地という割合。画像は旧上瀬谷通信施設地区の航空写真。 画像出典:横浜市
米軍の通信施設として使われていた旧上瀬谷通信施設。返還時の土地面積は約242万㎡で、45.2%が国有地、9.4%が市有地、45.4%が民有地という割合。画像は旧上瀬谷通信施設地区の航空写真。
画像出典:横浜市

事務所などが位置する囲障区域は立ち入り禁止区域となっていたが、区域外は農耕や野球場等の使用が認められているほか、環状4号線(海軍道路)が通過して一般の通行も認められていた。

海軍道路沿いは桜が植栽されており、毎年4月第1週目の土曜日は施設内の海軍広場で「日米親善桜祭り」を開催していた。

首都圏において貴重で広大な土地でありながら、地区の約45%を占める民有地は米軍施設として使用されてきたため、約70年にわたり土地利用が制限されてきた経緯がある。

そのため、横浜市郊外部の活性化や地権者の早期生活再建のためにも、将来の土地利用に必要な道路等の都市基盤や農業基盤等の整備を進め、迅速かつ計画的にまちづくりを進める必要があると横浜市は指摘。

豊かな自然環境や広々とした農地景観が保たれている環境特性や交通アクセス性の優位性を生かし、都市農業の振興と都市的土地利用を両立させた土地利用を進めることで、郊外部の再生に資する活性化拠点の形成を図るため、2020年3月にまちづくりの方針や土地利用の考え方をとりまとめた「旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画」を策定した。

同計画では、「農業振興」「観光・賑わい」「物流」「公園・防災」の4つのゾーンを設け、土地利用を進めるとしている。

将来の土地利用の計画。 画像出典:横浜市
将来の土地利用の計画。
画像出典:横浜市

はやくから注目されているのは、観光・賑わいゾーンに誕生する複合施設「KAMISEYA PARK」(仮称)だ。日本のコンテンツとテクノロジーを活用したワールドクラスの次世代型テーマパークにする予定で、その規模は東京ディズニーランドに匹敵するほど。2031年ごろに整備される予定だ。

物流ゾーンにおいては、三菱地所、東急不動産、シーアールイーが、自動運転トラックによる幹線輸送など新しい物流システムに対応した高速道路IC直結の「次世代基幹物流施設」の開発計画を、関東圏で初めて始動することを今夏に発表している。

施設は東棟・西棟の2棟構成で、総延べ床面積は約70万㎡。2027年秋以降に東棟、28年頃に西棟の新築工事に着手、30年から31年頃の竣工となる予定だ。

物流施設の計画地(左)と完成予想イメージ(右)。 画像出典:三菱地所
物流施設の計画地(左)と完成予想イメージ(右)。
画像出典:三菱地所

同計画では、横浜市が整備を傾倒している東名高速道路の新ICより、基幹物流施設に直結した専用ランプウェイを設けることで、ダブル連結トラックや自動運転トラック等の次世代モビリティが高速道路から一般道に下りることなく利用可能な施設整備を目指す。

加えて、災害に強靭な都市を目指し横浜市が整備する「広域防災拠点」の機能強化につなげるため、大規模地震などが起きた際には、基幹物流施設の特性を活かした災害対応への協力も行う。

三菱地所と東急不動産は、関西圏の京都府城陽市においても基幹物流施設の開発計画で連携しており、関東圏でも同施設の開発を進めることで、物流の大動脈である東名高速道路から新名神高速道路までの東西にそれぞれダブル連結トラックや自動運転等の次世代モビリティの発着基地となるターミナルが設けられることとなる。

三菱地所は宮城県仙台市でも基幹物流施設の開発を計画中で、東急不動産は類似施設の開発を佐賀県、茨城県で計画しているほか、両社は中京圏等においてもそれぞれ検討を進めている。

これらに加え関東圏の中核物流拠点として各圏域と高効率な幹線輸送ネットワークを構築することで、物流の自動化・省人化や環境負荷低減に寄与したい方針だ。

2027年3月から9月までは「2027年国際園芸博覧会(花博)」を開催

同地区では2027年3月から9月まで「2027年国際園芸博覧会(花博)」が開催される予定だ。

花博の会場イメージ(左)と会場計画図(右)。 画像出典:横浜市
花博の会場イメージ(左)と会場計画図(右)。
画像出典:横浜市

現在はイベント開催に向けた工事やその後のまちづくりに向け、植栽や園路等の整備工事、八王子街道にある目黒交番交差点の立体化工事、近隣道路の拡幅工事、農地などの整備が行われているところ。

花博の閉幕後に、テーマパークや基幹物流施設をはじめとする各ゾーンの整備が本格化する流れだ。将来的には各ゾーンが連携することにより、人やものが行きかい、年間1500万人が訪れ、地区全体の価値が向上するとともに、周辺地域へも波及していくことで、環境と共生した郊外部の新たな活性化拠点となることを目指す。

何より注目したいのは、巨大施設が新たにできることで地域に雇用が生まれ、近隣の発展にも大きく影響する可能性があることだ。土地活用を通じて、瀬谷区や旭区の持続的な成長が期待される。

健美家編集部(協力:大正谷成晴(おしょうだにしげはる))

大正谷成晴

■ 主な経歴

フリーランスの編集・ライター。
不動産投資、株式投資、投資信託、FXなどマネー関連、ビジネス全般、働き方、副業、クレジットカード、医療・介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。

■ 主な著書

  • 『決定版 1万円からはじめるFX超入門』(かんき出版)
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