CLOCKUPさんの最新作『ルーンロオド』に出るSF用語について簡単にまとめてみました。知ってると物語りをより楽しめると思います…多分。昔の学説と現在の研究内容が混在(間違ってるのもあると思う)してるのは勘弁してください。もし興味があるようでしたら自分で調べてみると良いと思います。夜空を見上げ深遠なる宇宙に思いを馳せるのも乙なものです。ネタバレもあるので注意!!で御座います。しょの2.に続く。現在アップデートファイルver1.02が公開中!!であります(2010年4月23日現在。有難う!スタッフさん)。これからの人は忘れずに当てましょう。
しょの1.「L4」について
本編ではL4としか書かれていませんが、宇宙空間&艦隊でガンダム通の方は気付いていると思われます。略さずに書くとラグランジュ点(Lagrangian point)の4番目。ラグランジュ点とは「天体力学で、円制限三体問題の5つの平衡解を指す名称」(wikiより抜粋)でL1からL5(トロヤ点とも呼ばれるL4とL5が最も安定している)まで存在するとのこと……はい、何が何だか分りませんね(ーдー;)少なくとも邪妖精にはサッパリです。簡単に書くなら「地球と月の引力が相殺する空間」で「スペースコロニー群の建設に最適」です。ある程度の速度で入れば地球と月の引力を気にせず、地球を周回することができます。また地球と月を灯台にして広い空間を目標に出来るので、軌道計算を簡単に出来ると言う利点もあります。要するに簡単に集結可能で推進剤の節約にも繋がるという訳ですね。未来の技術ならもっとタイトな集結も可能と思われますが、事故や何やらで損害が出る可能性もあるので安全な方法を取ったのでしょうね。
しょの2.「ブラックホール」について
最近では魔法で簡単(術者を選ぶけど)に作れる、何でも吸い込む黒い球体。 実際は太陽の30倍以上の質量を持つ恒星が寿命を迎え、超新星爆発(スーパーノヴァ)した後に残る天体(?…たぶん天体)のこと。太陽の10倍から50倍くらいの質量を持つそうです。それより少ない質量のものはパルサーとも呼ばれる中性子星、太陽クラスは白色矮星になります。核融合により水素やヘリウムを消費、炭素や酸素などの重い元素(他にもイロイロあり)に変換、最終的には鉄(太陽は炭素や酸素止まり)となります。そうなるとそれ以上の核融合反応が出来なくなり、温度が下がるため急激に収縮(重力崩壊)、その反動で大爆発。これが超新星爆発(鉄より重い元素はこの時に生成されます)です。重力崩壊している中心部の周りにある軽い部分を吹き飛ばす訳ですね。その過程で局所的な核融合が起こり金やウランなどの重い元素が出きるもよう。一方、尚も重力崩壊を続けて圧縮されている中心部は、鉄などの元素が中性子(圧縮され陽子+に電子-が取り込まれる)に変換されていきます。ここで止まれば中性子星となるのですが、さらに圧縮されるとブラックホール(以下BH)となります。大きさは白色矮星で直径1万km(1立方cm=1000~10000kg)、中性子星10km(1立方cm=5億~10億kg)、BHは…数km?~(1立方cm=200億?~kg)とされていますが当てに出来ません。中性子は観測と計算でなんとか出来ますが、BHは予測&観測すら出来ないナニかで出来ている訳ですから。じゃあ、なんでアニメだと黒い球体になるんだ?についてですが、これは光が脱出できないシュバルツシルト面(半径)を表現している為と思われます。実質これがBHの大きさになるようで、この周りは重力レンズ効果で空間が歪んで見える…はず。サイズ的に何処まで歪むかは分りませんけどね。計算によると地球の質量を持つBH(普通ならないけど)でシュヴァルツシルト半径は約 0.9 cm(wikiより抜粋)とのこと。アニメや漫画だと大抵もっと大きく見える訳ですから、それ以上の質量を思うがままに動かしている訳ですね。重力使いだから地球に相当する以上の反重力でも生み出してるのかしら?(ーдー;)…まあいいや。普通に生まれたBHのシュバルツシルト面は半径30kmぐらいですが、もっと巨大なBHもあります。銀河中心域に存在するとされる超大質量BHがそれ。最有力候補は“いて座Aスター”の太陽の370万倍の質量をもつBH。他の銀河には数千万倍~以上のがあると推測されています…クエーサーが180億倍のBHというのもあります…コッチの方がよっぽど与太話しだ(ーдー;)昔は自らが歪曲した次元の穴に消えるなんて説もあったんですけどね。科学者の願望(トランキライザー)だったようです。次にアニメや漫画で多用されるBHの最大の特徴である、なんでも吸い込む穴としての面について。見た目は吸い込まれるですが、実際はBHに自由落下しているが正解…ぶっちゃけ、どっちでも良い事ですけどね(ーдー;)劇中では穴に直接吸い込まれる演出が成されますが、通常は渦のような降着円盤(ガスや塵が高密度天体の周りに形成する円盤のこと。例:銀河、土星の輪など)を形成します。シュバルツシルト面に触れる前に潮汐力でスパゲッティのように引き延ば千切られ、バラバラ粉々…BHの破壊的な力の影響力はは黒い部分より大きい。そうして出来たガスや塵はBHに近づくほど圧縮され、差動回転やガスの粘性など(物理学むづい)により熱を持ち光り輝きます(X線なども放射)。これのお陰で間接的にBH(シュバルツシルト面)が観測(重力レンズも発見に役立ちます)できる訳です。渦を巻くのは他の天体と同じようにBHが自転をしているから?…本当は角運動量がムニャムニャが正解らしい。むづかしくって知恵熱でそうorzそれとBHと時間の関係(特異点による時間凍結とかタイムマシーン的効果)についてですが、邪妖精には無理です理解できませんorzよって解説できませんので、知りたい人は自分でググって頑張ってください。光よりも早い速度で落下するので、ウラシマ効果があるのは理解出来るのですが(ーдー;)
最後はアレキサンダーの主兵装であるマイクロ・ブラックホール(以下MBH)についてです。これはBHを小分け(理論的に不可能とされる)にして打ち出しているのではなく、大型ハドロン衝突型加速器…MBH作れちゃうんじゃね?と危惧された高エネルギー加速器(リアルで稼働中)…を未来的に発達させたシステム(未来的発見で抜け道を見つけてるかも知れないけど)で作り出していると思われ。何故この装置で生成されるかも?と危惧されたかと言うと、ビッグバン直後にMBH(原始BH…現在は蒸発して消滅している可能性大…もしかしたら最初の恒星を作る要因になったかも?)が誕生している可能性があるからだそうです。つまり空間に高エネルギーが満ち満ちたビックバンの直後と、似たような状況を作り出せる装置という訳ですね…後述する反物質もそーゆう状況で無いと作れないらしい。なんにしても天文学的な高エネルギーを、湯水の如く使わないと使用できない超兵器で御座います。その為の反物質外燃機関と思考エンジン・レプリカが必要な訳です。蛇足ですが、MBHを使ったSF的架空機関としては縮退炉(例としてはガンバスター)があります。これは前述のBHの蒸発(ホーキング放射)を利用して考えられたエネルギー発生装置。ホーキング放射を当てにするよりは、降着円盤のエネルギー(双極ジェットからをマイクロ波発電の要領で利用)を使った方が簡単な気が…なんにしても機動兵器に搭載するにはBH(パルサーでも)は重過ぎる気がしたのはナイショ。
しょの3.「反物質と外燃機関」について
今度はオリジナルのアレキサンダーの装甲に使用されている反物質(星野之宣氏が反物質の太陽系を作品にしてたなぁ)と、それを利用した外燃機関についてです。まずは反物質についてですが、難しく書くと「質量とスピンが全く同じで、構成する素粒子の電荷などが全く逆の性質を持つ反粒子によって組成される物質」(wikiより抜粋)うむ、例によってやっぱり意味が分りません(´・ω・`)なんでもディラック方程式(ディラックの海だけはエヴァンゲリオン拾六話で一躍有名に)を導き出した時に、負のエネルギーの状態が現れるという問題から発見されたとのこと。リアルでも生成可能で2005年に5万個の反水素が作られたそうです。ブラックホールでも挙げた加速器によるもの。その性質は良く知られている通り、対消滅です。物質と反物質が衝突すると、両者の全質量がエネルギー(光子:電磁波やγ線やニュートリノ)となって放出され消滅します。最も理想的なE=m<wbr></wbr>c^2となるようです。そのエネルギーは質量1g(物質0.5g+反物質0.5g?)に付き約9×10の13乗(90兆)ジュール。<wbr></wbr>1ジュールは1ニュートンの力が力の方向に1m動かしたときの仕事に相当……わけ若布(ーдー;)えーと、地球上でおよそ102グラム(小さなリンゴくらいの重さ)の物体を、1メートル持ち上げる時の仕事(熱量では1J=0.24cal)に相当するそうです。単位も意味も分らないが、とにかく凄いエネルギーだでおk。もっとも生成する際に必要なエネルギーはそれ以上だったりする。その為、反物質を利用するSF作品では恒星の周りに、太陽光発電衛星と加速器を建造し反物質を生産しているようです。さて、次は外燃機関について。外燃機関とは機関内部にある気体を機関外部の熱源で加熱・冷却により膨張・収縮させることにより、熱エネルギーを運動エネルギーに変換する機関のこと(wikiより抜粋)。よーするに蒸気機関(原子炉の発電は蒸気機関)やスターリングエンジン(とってもエコで再評価されている)のことです。もっともSF的外燃機関は、機関外部の何かでエネルギーを生み出す装置のことを指しています。ファイブスター物語の「イレーザーエンジン」が代表格かも?他にもあるかも知れないけど邪妖精は知りません(´・ω・`)結局、何が凄いのか?と言うと、本来なら小型化して機体(ロボット)に内蔵しなければならな反応炉を、機体外部の装甲で代用できるということ。つまり機体の周囲が反応炉(正確には違うかも?だけど、便宜上そう思いねぇ)ということになります。反応炉が大きい=高出力、しかも反物質。ビームなら多少は喰らってもエネルギー(装甲は減るけど)になるだけ。過剰に反応しないように予防策がないと危険すぎますけどね。そもそも一体どうやって固体(反物質の鉄とか?)にして物質に触れないようシールドしているかさえ不明だけど…もし可能なら㌧でもないモンスター・マシーンになるでしょうね。もっとも周囲に放射線の類が漏れてそうな悪寒…正物質(空気もな)が満ちている地上では間違っても使えません。使った場合の被害についてはZwei Worter本編で確認してください…アレは対消滅ではないようだけど。などと、さんざん凄い言ったけど反物質外燃機関は、思考エンジンの補助エンジン(兼スターター)に過ぎないんじゃないか?と疑い始めている今日この頃だったりしますけどね。流石に無からBHを作り出すほどでは無いようなので…昔は「耳かき一杯で~」な超々危険なエネルギーだったんですけどね。リアルの発見&知識の普及で陳腐化しちゃうのは、SF作品の泣き所だなぁ(´;ω;`)ヴワァ
しょの4.「珪素生物(生命体)=ディゾルブ」について
SF世界では割りとメジャーな空想上の生物。通常、地球上の生物は炭素から出来た有機物(有機化合物)を材料にして体を作っています。これは炭素の原子価が4つ(分子モデルの棒の部分、“手”と説明されること多し)もあり、様々な結合で高分子(蛋白質など)を作り上げる事が出来るからです。ちなみに珪素(Si、シリコン、半導体、半金属)も原子価が4つある為、SF世界では珪素を有機物のような高分子にして体を作る生命体が居るのではないか?と考えられてきました。これが珪素生物(生命体)です。シリコンゴムのように柔らかい高分子もあるにはありますが、SFの基本は石のような半分金属のような生物(例:ガッハ・カラカラ)とされ、非常に高温の惑星(地球型の惑星では無理らしい…金星クラスか?)に生息すると考えられています。その為、炭素生物より反応速度が遅く、生物として認識(目視では動いているように見えない)できないのではないかとも想像されています。そーゆうものですから、ディゾルブ達が時間加速して戦闘するのは必然。ぶっちゃけ加速しないとシリコン鉱石扱いされかねませんからね。むしろ加速できるから珪素生命体になったと思われ…寿命は「石」というイメージから長いとも考えられています。また計算能力が高いという点もシリコン(半導体)からきていると思われます。
しょの5.「量子コンピュータ」について
量子を使った物凄く高性能なコンピュータでおk(`・ω・´) シャキーン…ごめんなさい、自分も良く分っていませんデス灰。そもそも量子についても理解(シュレディンガーの猫がぼんやり程度)できていません。要は理論は有るけど実用化出来ていないシロモノ。したがってSF作品には良く出てきて、口煩いマニアも黙るしかない便利ガジェットという訳です。簡単に説明するなら、量子力学を応用した超並列処理が可能な次世代コンピュータで、とにかく凄いらしい。現在使用されるノイマン型スーパーコンピュータが何千年単位の計算を、何分とか何十秒で終えてしまうとのこと。突き詰めれば0と1が基本処理の現在のコンピュータに対して、基本がその何倍(0でも1でもない値を使えるので)もある訳だから当然なのかも知れません。大体は恒星間宇宙船、人格を持ったAIのハードウェア、秘密組織のスーパーコンピュータに使われます。まだ実用化されてないのに、ガ━(゜Д゜;)━ ン !!と驚くのがSF的な作法です。
最後にちょっとだけ突っ込み…ファイナルにあった「BH寸前まで圧縮された鉄」というモノは存在しない。その前に中性子になってしまうから…もっともアレだけの鉄を用意するには、超新星爆発前の恒星から中心核を抜きだすぐらいしないと難しいやも?まあ思考エンジンで簡単に作ることも出来そうですけどね。ただMBH兵装に対しては、劇中に近い効果が得られるかも?普通の機動兵器はペシャンコ(基本隙間だらけだし)でも、中までミッチリな圧縮鉄塊になると時間が掛かるでしょうからね。BHだってサイズが小さければ一度に落下できる限界はあるはず。それに超高圧状態では氷が十二種類の構造の異なるものに変化(転移?相転移?)するらしいから、鉄だって違う構造になって強靭になる可能性だって…あるはずだよ…ねぇ?(´・ω・`)