激化する国内企業へのサイバー攻撃 ~アスクルが明日来(アスコナ)い事態にも~ #エキスパートトピ
オフィス用品の「ASKUL」や日用品EC「LOHACO」を運営するアスクルが、サイバー攻撃を受けてシステムに障害が発生しました。受注や出荷の業務が止まり、復旧の見通しも立っていないといいます。アサヒGHDがランサムウェア被害でビール供給に支障をきたしたばかりで、続く大手企業への攻撃は社会的な不安を広げています。海外では大手クラウド事業者からの情報流出が問題化し、その影響が国内企業にまで及ぶ可能性も指摘されています。サイバー攻撃が生活や産業に直結する脅威であることを、改めて強く印象づける出来事となりました。
ココがポイント
アスクル、ランサムウエア感染によるシステム障害が発生 受注・出荷業務停止
出典:まいどなニュース 2025/10/19(日)
ランサムウェア感染によるシステム障害発生のお知らせとお詫び(第1報)
出典:PR TIMES 2025/10/19(日)
Salesforce利用企業から10億件規模の顧客情報が流出か--ハッカー集団が犯行を主張
出典:ZDNET Japan 2025/10/6(月)
スーパードライが手に入らない!? アサヒを襲ったサイバー攻撃で居酒屋に「異変」が
出典:デイリー新潮 2025/10/16(木)
エキスパートの補足・見解
アサヒビールの供給に影響を与えた攻撃に続き、今度はアスクルがランサムウェア被害を公表しました。ここ数週間で国内の大手企業が相次いで狙われ、私たちの暮らしや仕事に直接影響が及んでいます。特にアスクルはオフィスや学校、医療機関など多くの顧客を抱えており、受注や出荷が止まれば日常業務にすぐ支障が出ます。もちろん同社も対策を重ねてきたはずですが、サイバー攻撃には「絶対の安全」がなく、防御をすり抜けられることはあります。大切なのは、攻撃を完全に防ぐことよりも、被害を小さく抑え、いかに早く業務を再開できるかです。
海外でもランサムウェアの他にクラウドを経由した情報流出が広がっています。攻撃者が公開する情報は真偽が定かでなく、被害企業が急いで反応すれば、かえって新たな脅迫や混乱を招きかねません。アサヒGHDが攻撃元を明かさないのも、冷静な判断といえるでしょう。国内外で名前が挙がる大手企業もありますが、実際に重要な情報が流出したかは不明な場合も多いのです。サイバー攻撃が日常生活に直結する今、企業には防御と同時に、落ち着いた情報発信と素早い復旧対応が求められています。