「ヘイトをあおる」 川口市議会の意見書への批判を当の市議会議員はどう受け止めたか
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実情を話してくれたのは、『おどろきの「クルド人問題」』の取材でもお世話になった川口市議会議員の奥富精一さん。奥富市議の地盤はクルド人が多く暮らしている地域だ。 「市民の立場から言わせていただくと、入管のプラン通り不法滞在者をゼロにしてほしい。しかし現実的には、複数の護送官の手で飛行機に乗せたり、複数の座席を確保したり、コストがかかります。だから、少人数ずつ還しているという状況。ベストではなくベターですが、ある程度しかたがないことだと理解しています」(奥富市議・以下同) クルド人によるトラブルはつい最近も伝えられている。 産経新聞(9月30日)によると、9月24日、トルコ国籍(クルド人の場合も「トルコ国籍」と表記される)の38歳無職の女が無免許で、自転車を運転する女性を轢いてけがをさせて逃げた。「相手の自転車がぶつかってきた。たいしたことはなかったから立ち去った」と容疑を一部否認しているという。 奥富氏は語る。 「無免許で運転、轢いて逃げたこと……、酌量の余地はありません。在留資格を持たないクルド人の場合、住民登録もなく、多くは運転免許もありません。でも、運転してしまう。しかも、事故を起こしても保険に入っていないケースがほとんどなので、被害者は泣き寝入りになります。外国人の運転に関しては、暴走やあおり運転もいまだに減っていません」
不法滞在者ゼロプランへの意見書
こういう事故や事件が絶えないことを危惧する川口市議会は、9月30日、国に対して「不法滞在者ゼロプランの着実な実行等を求める意見書」も提出している。 主な内容は以下の通り。 1 不法滞在者ゼロプランの着実な実行。数値目標通りに行うこと。 2 仮放免者の在留管理体制の構築。収容施設を建設するなど。 3 医療費未払い問題への対応。増加している仮放免者の未払い金を国費で全額負担。 4 地域と連携した対策の整備。入管庁、警察、自治体などが情報を共有し治安維持を図る。 5 人権に配慮した適正な運用。国際人権法に基づき、外国人全体への差別や偏見を助長しない。 川口市議会のこの意見書は賛成多数で採択された。
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